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世の中には沢山の太宰ファンがいる。僕もその中の一人だ。しかし、太宰ファンの中には初期が好き、中期が好き、後期が好き、明るい話が好き、暗い話が好きなどなど、いつの時期の太宰のどんな話が好きなのかは、それぞれで当然違っている。

しかし、そういったことは太宰好きの皆さんが集まるコミュニティで熱く話し合い、お互いの太宰愛について理解を深め、お互いの太宰愛を認め合う素晴らしい時間を過ごせばいいと思う。

なので、ここで書くべきは、太宰はダサいと思ったりしている若者や中年、高齢者に対してその誤解を解き、より多くの人に太宰を愛してもらえるように太宰の素晴らしさをお伝えすることだろう。

太宰を読んだことがない人に何を紹介するべきか、これについても冒頭で書いたような色んな議論があるが、僕は『メリイクリスマス』を挙げたい。

『メリイクリスマス』は疎開していた主人公の男が戦後の東京で、シズエ子ちゃんという若い女性に再開する話だ。太宰に有りがちは色恋沙汰の匂いをさせながら、物語は進んで行く。

人は悲しい。誰もが悲しいに決まっている。けれども、人は明るく健やかに生きていかなくてはならない。だから人は愛し合い、笑い合い、悲しみに目を背けて生きている。

戦争があったというのに東京は以前と比べてちっとも変わっていなかった。久しぶりに会ったシズエ子ちゃんは当時の面影を残したまま大きく美しく成長していた。

シズエ子ちゃんは当時よく通っていた飲み屋のママの娘さんだった。再開した二人は当時の話に花を咲かせ、ママに会いに行こうと家の前まで来たところで、シズエ子ちゃんからママが死んでしまったことを聞かされる。

その後、ママの弔いも兼ねて、シズエ子ちゃんと二人で飲みに出る。駅前のうなぎ屋に入って黙って酒を飲むのであるが、、、

東京は変わらない。健気に生きる人たちと、図太く無神経に生きる人たちと、その他大勢の色んな人たちで溢れている。戦争に負けたって、焼け野原になったって、それが変わることはない。

この話は太宰のイケてるところが詰まっている。短い話だし、青空文庫にもあるので是非まだ太宰を読んだ事ない人に読んでもらいたいです。

太宰はダサいと思ってる女子高生、友達いない系男子高校生、友達多い系OL、飲み会嫌い系サラリーマンにオススメです。

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