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とらつぐみお気に入り

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こんにちは、とらつぐみです。自己紹介とお気に入りの小説・エッセイをまとめてあります。
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はじめまして。とらつぐみです。

はじめまして。とらつぐみです。

<自己紹介>

記事を書いている現在、大学4年生です。

3年生までは大学のサークルで小説を書いていました。大学生の日常や、「人ではないもの」を描いた短編小説が得意です。ショートショートにも挑戦してみたいです。

(たまに絵も描きますが、何故か人間の絵は描けなくて鳥の絵が多いです。鳥が好きなので……)

まだ始動前なのですが始動後は毎週末に更新できたらなと思います。小説以外にも読んだ本の感想や、漫

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とある殺し屋のOJT日誌(小説)

とある殺し屋のOJT日誌(小説)

2月15日

住宅街の路地裏から見える空は、分厚い雲に覆われてよどんだ灰色をしていた。

俺は一つため息をつき、消音器付きの銃の引き金をひく。弾丸が地面にへたり込む金髪の男の眉間に突き刺さり、ダウンジャケットの下に趣味の悪い柄シャツを着た肉塊が崩れ落ちる。

地面に転がった死体は、これで計4つになった。
残りの3人、この男から銃を買った客は首の骨を折ってやった。だがこの男はーー依頼主の望みで、銃で

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金木犀が咲く前に(小説)

金木犀が咲く前に(小説)

「 桂ちゃんってさぁ、絵上手いんだよね?」

図書館の自習室で課題をしていた私は、隣に座った同じ学部の友人にそう話しかけられ、教科書をめくる手を止めた。大学はまだ夏休み期間中だが、館内には学生が結構いて窮屈だ。

「……誰から聞いたの?」

私は低い声で答えた。

「同じサークルの人が高校の時美術部で、桂ちゃんの名前言ったら、県の文化部の大会? で聞いたことあるって言っててさ」

「大会で賞取るく

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春にはまだ早すぎる(小説)

春にはまだ早すぎる(小説)

2月の終わり。暦の上ではもう春だけど、朝はまだ肌寒い。

俺はブレザーの上からコートを羽織り、早足で校舎の方に向かう。時刻は午前7時。朝休みは、園芸部の貴重な活動時間だ。

俺の通う私立刁菊学園は、中高一貫校の男子校だ。俺を含むほとんどの学生が併設された寮に住んでいる。

その寮から徒歩数分の場所に校舎はある。寮から見て手前の建物は中等部、奥に高等部の校舎がある。その二つの建物の丁度中間あたりに、

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夜のはざまとエクリプス(小説)

夜のはざまとエクリプス(小説)

夜の色が薄まって、暗い空に白い陽の光がぼんやり浮かぶころ。

都会の夜の賑やかさは鳴りをひそめ、秋の朝の、ひやりとした空気が街を覆っていく。

下宿先のアパートを出た俺は一つ伸びをして、早朝の街へと出かけた。アパートは大学から少し離れた住宅地にあるが、10分ほど歩けば繫華街にも出られる好立地だ。

車通りの少ない路地を駆け抜ける。途中、自転車に乗ったお年寄りや、夜勤終わりなのか工場の制服を着た若い

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創作のアンテナを磨く”野鳥観察”(エッセイ)

創作のアンテナを磨く”野鳥観察”(エッセイ)

野鳥観察=バードウォッチングとは、その名の通り山野や河川などで野鳥を観察する活動のこと。

双眼鏡片手に山や海に繰り出すアウトドアのイメージが強いが、庭に来る小鳥や、街中のハトやカラスを観察するのも立派なバードウォッチングだ。

私は、大学3年まで文芸サークルで小説を書く傍ら、野鳥観察サークルにも参加していて、現在も近所にフラリと散歩に出かけては常に野鳥を探している。

ちょっと前までは「動物は好

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ロシアでも、日本でも、紅茶が飲みたい(エッセイ)

ロシアでも、日本でも、紅茶が飲みたい(エッセイ)

紅茶が飲みたい。家で、外出先で、果ては海外旅行に行った先で、無性にそういう気分になったことはないだろうか。

私は紅茶がかなり好きで、常にカフェインを欲している。

ポットと茶葉で入れる紅茶はもちろん好きだが、ティーバッグで手軽に入れる紅茶だとか、ペットボトル飲料の紅茶も好きだ。

この記事では、ロシアンティーなど紅茶を飲む文化が根強くあるロシアに短期留学に行った際、色々な場面で飲んだ紅茶について

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