池田 和正

Men’s Bigi,LEGO,Amazonを経て、現在はキャリア・コンサルタント。音…

池田 和正

Men’s Bigi,LEGO,Amazonを経て、現在はキャリア・コンサルタント。音楽と映画を中心に書いています。

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レオス・カラックス以来、「Modern Love」で走る。~フランシス・ハ /ノア・バームバック監督(2013)

ノア・バームバックという名前は、以前より気になっていたのですが、ふとしたことから、彼の作品Netflix配信の「マリッジ・ストーリー」が作品賞など多くのアカデミー賞にノミネートされたと聞いて、まず彼の代表作「『イカとクジラ』(The Squid and the Whale)」を見ることに。映画のタイトルは、離婚を巡って争う男女のメタファーらしく、かつ監督の実体験はベースにあるそうですが、ニューヨークは、ブルックリンを舞台にしたこの映画、ピンクフロイドの「Hey you」を息子

    • Live At WCOZ ‘77 /Talking Heads

      RSDに45回転2枚組仕様で出たライブ。 元々「実況録音盤The Name Of The Band Is Talking Heads 」の中で一部が聴かれたものの完全版。 彼らのデビューアルバムを発表した後の時期ライブだと思われ、収録曲もセカンドアルバムで発表されるものまで。Davidの変な歌とJerryの変な音をChrisとTinaのリズム隊が支えるという構造で、無名時代なので、曲名の紹介から演奏が始まります。 最近公開された4K版「Stop Making Sense 」

      • 悪魔のシスター/ブライアン・デ・パルマ(1972)

        今日は早く目が覚めたので朝からスリラー。 デ・パルマってどうしてもヒッチコックの話が出てくるわけで、リアルタイムで観た「殺しのドレス」もヒッチコックを意識して観てしまったわけですが、今回はその辺は忘れて観るようにしました。如何わしさの極みのような医師役のウィリアム・フィンレイ。カナダはケベック州出身のフランス語訛りの英語を話すモデルで双子役のマーゴット・キダー。血糊や精神を保つためにヒロインが服用するピルの「赤」、怪しいアフリカン・クラブ、美しくも屠殺用のように家庭用としては

        • Lost Angels ~The Genius Of Judee Sill

          アメリカ各地で限定公開されていたJudee Sillのドキュメンタリー。ずっと観たかったのですが、ついにDVD化という事でRecord Store Day に出るとの告知を見つけたもの日本では入荷予定はなさそうなので、USから。国内DVDプレーヤーでは視聴できないので、仕入れなかったんだと思います。  バーを経営していた最愛父の死(彼女は子供の頃からバーのピアノを弾いていた)、継父との不仲、ドラック中毒、逮捕を経て、アサイラムの第一弾アーティストとして契約。レーベルメイトであ

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        レオス・カラックス以来、「Modern Love」で走る。~フランシス・ハ /ノア・バームバック監督(2013)

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          「やさしくキスをして Ae Fond Kiss」 / ケン・ローチ Ken Loach(2004)

          主人公の男性であるパキスタンからの移民2世がDJとしてクラブでバングラビート(パキスタンの民族音楽”バングラ(パーティ音楽)“からとられた)をかけるシーンに続き、その妹が学校で同級生たちを前にして、話すシーンから始まります。 「私がブッシュ大統領も法王も道路掃除人も一緒くたにしたら笑われるでしょう。 ありえませんから。 でも西欧は同じ事をしています。50ヵ国10億人のイスラム教徒を一緒くたにしているんです。私の姉は敬虔なイスラム教徒ですが、肌が黒いから黒人だと言います。

          「やさしくキスをして Ae Fond Kiss」 / ケン・ローチ Ken Loach(2004)

          ザ・クラッシュ 「サンディニスタ!」+ケン・ローチ「カルラの歌」

          「ロンドン・コーリング」に続いて発売されたクラッシュの4枚目のアルバム「サンディニスタ!」は、レコード3枚組の超大作で、ロックン・ロール、レゲエに加え、ダブ、R&B、カリプソ、ゴスペルなど音楽の幅が飛躍的に広がると共に、散漫な印象を与えてしまい収集がつかなくなったような作品という当時の評価でした。 最近、新たにこの作品が気になって、当時の社会情勢を調べながら、聞き直し、歌詞を読んでみると、その幅広いジャンルにまたがった音楽で、ジョーストラマーとクラッシュが伝えたかったことが

          ザ・クラッシュ 「サンディニスタ!」+ケン・ローチ「カルラの歌」

          「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」 ライナー・ヴェルナー・ファスピンダー 監督作品「苦い涙」フランソワ・オゾン監督作品

          大好きなファスビンダーの作品「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」は昨年、菊川のストレンジャーで観たのが初めてでしたが、この作品をオゾン監督がリメイクした「苦い涙」公開された年でした。 「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」ライナー・ベルダー・ファスビンダー監督作品 2度の離婚に失敗し落ち込むもののビジネスでは、成功を収めているファッションデザイナー  ペトラ・カン・フォントは自宅兼アトリエで、奴隷のように使うアシスタントと住んでいたが、 友人が連れてきた若い女性に惹かれ、一緒に住

          「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」 ライナー・ヴェルナー・ファスピンダー 監督作品「苦い涙」フランソワ・オゾン監督作品

          王国(あるいはその家について) 草野なつか監督 2018年作品

          英ガーディアン紙・英国映画協会〈BFI〉による年間ベスト作品に選出された日本映画ということで、気になっていた映画。 ガーディアンというのは、元々は、マンチェスターで刊行された、近年、名匠マイク・リーも映画化した「ピータールーの虐殺」と言われる民衆弾圧事件も取材した、中道左派・リベラル寄りの新聞で、音楽の情報も多く(Haward DevoteやMicheal Headの特集も読んだことがあります)、イギリスに滞在したときは、ガーディアンとフィナンシャル・タイムズはよく買って読ん

          王国(あるいはその家について) 草野なつか監督 2018年作品

          Reverberations (Travelling In Time) BBC Radio Sessions & Creation Singles 1985-86 / Primal Scream

          最近はフランスのラグジュアリーブランドChanel のマンチェスターでのショーに登場し、今でもメジャー/マイナーの垣根を飛び越えた活躍のPrimal Scream/Bobby GillespieがJesus &The Mary Chainのパート・タイム ドラマーをした後に、友人Alan MacgeeのレーベルCreationからの2枚のシングルと当時のBBC録音を収録した1985年当時のコンピレーション。ライナー・ノーツは、当時のスコットランドはグラスゴーの”ネオアコ“シー

          Reverberations (Travelling In Time) BBC Radio Sessions & Creation Singles 1985-86 / Primal Scream

          Meshell Ndegeocello~at Billboard Live Tokyo 2024.02.14

          Funk、Jazz、HipHop、R&B、アフロビートなど様々なジャンルを横断し、唯一無比の世界を作ってきたマルチアーティスト/ベーシスト、ミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)。ずっと観たかったのですが、ジャズフェスティバルなどでは近年も来日していたものの、単独ライブの方がいいなと思い機会を逸してましたが、待望のビルボード東京でのライブ。 新作は、Jazzの名門Blue Noteからの「The Omnichord Real Book」。 Robe

          Meshell Ndegeocello~at Billboard Live Tokyo 2024.02.14

          「Stop Making Sense」4Kリストア版@IMAXシアター

          約40年振りに観ました。83年作ですが、僕が見たのは、85年。レイト・ショーのみの公開でした。 当時は、メンズ・ビギがプロモーションをサポートしており、店舗にも大きなポスターが貼ってありました。あの時代、肩幅を強調したジャケットが大人気でしたが、あのスーツは肩だけでなく、身頃も巨大で来日時に観た能にインスパイアされたそうです。 改めて、彼らの音楽をまとめて聴いてから観たので、その辺の話から、映画につなげたいと思います。 さてTalking Headsといえば、Televis

          「Stop Making Sense」4Kリストア版@IMAXシアター

          古澤健監督『STALKERS』

          Stranger 映画館で古澤健監督の「Stalkers」を観た。 支配人の岡村忠征さんが昨年のベストワンに推す映画であり、彼がStrangerの運営から1月末で離れるとの事で、そのフィナーレを飾る映画でもあるので、そこに岡村さんの想いや下心があるのではと思いながら、急遽伺う事にしました。 現地には岡村さんだけでなく、監督の古澤さんもいらっしゃり、岡村さんか「面食らうと思いますよ」と声掛けられ、これは、脅しなのか、事前のエクスキューズなのか。。とにかく心の準備をしながら、映画

          古澤健監督『STALKERS』

          「ミツバチのささやき」/ビクトル・エリセ

          1983年 ゴダールの「パッション」を皮切りに、ヨーロッパのアート系の映画を数多く上映し、ミニ・シアターブームを牽引したシネ・・ヴィヴァン六本木の8番目の作品として、上映された映画。調べてみると当時、この映画は単館シネヴィヴァンでの公開時だけで、5万人弱の人が見たそうです。もうすぐエリセの31年ぶりの新作「瞳をとじて」が公開されるので、40年ぶりにこの映画を見てみます。 大きなカップを小さな手で持つ、つぶらな瞳の主人公の少女アナの可愛さは、改めて観ても特別ですが、セピア・カラ

          「ミツバチのささやき」/ビクトル・エリセ

          「枯れ葉」 アキ・カウリスマキ@ストレンジャー映画館

          フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ。2017年の突然の引退宣言から、復活した最新作。 シンプルなストーリーですが、賞味期限切れのパンを持ち換えろうとしてスーパーのパートを首になった女性とアル中で金属工場を首になった男性のラブ・ストーリー。労働者を描いた「プロレタリアート三部作」の延長線上にある作品と言えます。 カウリスマキ独特の役者は無表情、セリフは棒読みが何とも言えぬ情感を醸し出す、正に“沁みる”彼らしい映画でした。 フィンランドは、デンマーク、スウェーデン、ノルウエーと

          「枯れ葉」 アキ・カウリスマキ@ストレンジャー映画館

          アナザー・ラウンド/トマス・ビンターベア監督作品 レビュー@note

          最近、たて続けに見たデンマーク人監督トマス・ビンターベアの作品。 なぜこの監督に興味を持ったかと言うと僕の大好きなラース・フォン・トリアーらと共に、「純潔の誓い」と呼ばれる、映画を製作する上で10個の重要なルールを決めるという デンマークにおける映画運動【ドグマ95】を立ち上げた人だから。  本作は、仕事でも家庭でも倦怠感、無力感の”中年の危機“に直面した4人の男性高校教師が『「人間は血中アルコール濃度が0.05%足りない状態で生まれてきている」というもの。つまり、飲酒によっ

          アナザー・ラウンド/トマス・ビンターベア監督作品 レビュー@note

          「Perfect Days」ヴィム・ヴェンダース監督作品

          東京国際映画祭の先行上映時は、旅行中で 行けませんでしたが、やっと観る事が出来ました。(以下ネタバレ注意ですが、その話の筋というより、日常の何気ない風景や仕草 そして徐々に変わる感情の変化の描き方が素晴らしいです)  カンヌで主演男優賞を受賞した役所広司さんが初めの1時間?近くは全くセリフはなく、古アパートに住み、朝早く起きてからのルーティン、そしてトイレ掃除の仕事、早く仕事が終わり、銭湯に入り、浅草の居酒屋でくつろぎ、その後、行きつけのスナックで一杯やり、寝る前に読書という

          「Perfect Days」ヴィム・ヴェンダース監督作品