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うつわマガジン2019

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#土鍋料理

一生かけてもこえられない師がいるから

一生かけてもこえられない師がいるから

昨年末、ミラノの師匠グイド・デ・ザンが、イタリアの出版社コッライーニから作品集「UN' IDEA DI LEGGEREZZA」を上梓した。彼は、これまでに数冊の本をだしているが、このように立派な本は初めて。

工房40周年を記念したもので、バイオグラフィから作品についてのテキスト(伊語/英語)の内容はすべて彼の偉大なる経験の賜物だ。ブルーノ・ムナーリの本を多数あつかう大好きな出版社ということで

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スープ作家 有賀薫さんトークショー

スープ作家 有賀薫さんトークショー

*有賀さんの「鍋コレクション画」に色とメモオリジナル画はこちら
⇒★わたしの鍋コレクション 有賀薫

鍋ばなし 汁の海原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする…

鍋のはなし スープ一杯のしあわせ吹けば どうしたってそのひと有賀さんを忘れやしないわということで、歌なんか詠んでないで、急げトークショーへ!!

自分のための記録として有賀さんの鍋イラストに勝手にメモを添えた。会場に持ちこまれた鍋の色も

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ミニミニ土鍋でインスタントスープ

ミニミニ土鍋でインスタントスープ

土鍋のなき声ある秋の日、しくしく泣いている土鍋の声をきいた。

「土鍋うちにあるので」「土鍋しまう場所がないので」ついには「土鍋あるけど上の棚にあるからめったに出さないわ」という声を、数年前までたくさん聞いた。耳をすますと、枯れた土のようなしゃがれた泣き声が家々から聞こえてきた。10年前、土鍋をつくりはじめた頃のこと。

コッチョリーノの展覧会にいらっしゃるお客さまは天使だから、笑みをこぼしながら

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「白菜ウィーク」前編(ちょっと大きめなうつわで白菜)

「白菜ウィーク」前編(ちょっと大きめなうつわで白菜)


1. ちょっと大きめなうつわのススメ白菜がとてもおいしい季節。おまけに格安。勝手に「白菜エヴリディ」と名づけて白菜をむさぼり楽しむことにした。スイカ割り気分で大きな白菜をざぐぐと割るのは爽快だ。たまには豪快につくって豪快に盛るのもいい。

ひとつの食材でさまざまなメニューをつくり、自作のうつわ(今回は大きめなうつわ)に盛って、課題を見つめる実験をこっそりするのが好き。

結果はいつもこう。うつわ

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土鍋で炊くイタリア「アックアコッタ」

土鍋で炊くイタリア「アックアコッタ」

直訳は「クチーナ・ポーヴェラ」=「料理・貧しい」だが、貧乏料理という意味とは少しちがう。地産地消(地の限りある素材)、あるいはその地や気候に適した素材、つまりは嘆きというよりポジティブに「安い食材」(または出費なし)でつくれる料理という思いがこめられているのだと思う。

ひるがえせば、そこにないものを時間やお金を要して調達したり、見栄をはらないという意味の、ありのままの地元料理。クチーナ・ポーヴェ

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