マガジンのカバー画像

作業療法士の視点から

45
作業療法士としてのお仕事に関連するお話し。一部有料のものもあり。
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事
痛いなら、ねかせておこうホトトギス?

痛いなら、ねかせておこうホトトギス?

痛み、というのはとても繊細な領域だと思う。
本人にしか知覚することができず、それを肩代わりすることもできない。

ペインクリニックはあれど、急性期の痛みならともかく、慢性化したそれに対しては個人的には無力を感じることの方が多い。

安静を取るか、活動を取るか。高齢者を対象にした現場で、悩むことのひとつ。

高齢者を対象とした本当によくある、ありふれた場面。
動かなければ、寝たきりになってしまう(か

もっとみる
【Private Opinion】保険制度って、残酷?

【Private Opinion】保険制度って、残酷?

先日、「介護業界ってどうなの?」っていうnote書いてみました。

今日はそれとは相反するかもしれない、ひとこと。

「保険制度って、残酷だと思うけどな」

これは、この間、職場の事務長さんに言われた言葉。

事務長さんは社長(理学療法士)とは知人関係にある人で、医療職ではない。

だからこそ、医療従事者の私たちとは違う視点でこの業界を捉えてるみたいで。

いわく、

「どんな人格の人だろうが、ど

もっとみる
【駄文】作業療法士、とは

【駄文】作業療法士、とは

就職してからずっと考え続け、問いかけ続けている、「作業療法士って、何だろう」ということ。

FBである投稿が流れてきました。

林寛さんという理学療法士の方の投稿です。

先日の記事で少し触れた、

増え続けるセラピストと飽和する業界と診療報酬上の私たちの立場と、そういったものに対しての苦言を、先達の立場から真摯に、率直に伝えてくれていると感じたので。

一部引用・抜粋しながら、私の思いを綴っ

もっとみる
【駄文】リハビリの臨床実習

【駄文】リハビリの臨床実習

先日Facebookで流れてきた、記事。

<理学療法・作業療法の臨床実習に関する質問主意書>

提出者の阿部知子氏は、小児科医で、現民主党議員の方のようです。

FBでの記事には、的確な質問、と評されていましたが、確かに読むと「あ、だよね」と思わされる内容・・・

曰く、

●臨床実習中、学生に患者さんを丸投げして診療報酬を請求しているところもあるようですが、それって無資格診療じゃないんですか、

もっとみる

【駄文】発達障害と性徴

お仕事で関わっている放課後デイサービスの話。

感じたこと、思ったことをつらつら書いてみる(論文とか気になった方がいたら、その辺は各自でお願いします)

関わっている放デイは、2事業所あって、ひとつは未就学児が対象、もうひとつは割と重症度高めの知的・発達障害、小学校高学年~中学校くらいが対象。

事業所開設当時は小学校低学年だった子たちが、時間を経て今に至り、出てきた新しい課題のひとつに『第二次性

もっとみる

【駄文】作業療法をやってもらいたいと言われた話。

タイトルまんまなんだけど、ざっくり言えば、作業療法やリハビリテーションそのものに対する誤解の話。

さて、月1回お世話になっている団体とのイベント日に取材が入った。

取材対象はもちろんその団体の方で、私の取材をするわけではない。

だが、関連があるのは確かなので、簡単に挨拶をして、作業療法士です、と自己紹介をして、ここでは足育講座という形で関わらせてもらっています、とは伝えた。

取材がひととお

もっとみる
【駄文】PTOTって何が違うの?

【駄文】PTOTって何が違うの?

理学療法と作業療法って同じものに思えるんだけど。先日の打ち合わせ中に、スキンケア領域に関わる療法士から、いわゆる理学療法、作業療法という領域に対して挙がった声。
「理学療法と作業療法って、何が違うの?」
「美容師と理容師みたいな違いってこと?」

それに対する理学療法士Aの返答。
『いろいろ例を挙げて説明してはみるけれど、自分の中で腑に落ちる表現が見つからない。それはきっと、自分の学んできた理

もっとみる
CanserX2020行ってきた~情報発信編~

CanserX2020行ってきた~情報発信編~

Canser2020、今年も無事に終了。

CanserXって?去年から始まった、朝から夜まで開催している1日限りのイベント。
副題は、去年と変わらず『がんと言われても動揺しない社会へ』

がんは医療者だけのものではない。
そういう意味も込めてか、いわゆる学会とは一味違っていて。
いろんな業界の人たちのクロスオーバー的なトークが聴けるのが醍醐味(と私は勝手に思っている)
今回聴講したトークショーに

もっとみる
CanserX2020行ってきた~いのち編~

CanserX2020行ってきた~いのち編~

というわけでVol.2みたいな位置づけで。
昼食後、AYA世代の話を終えたあとのトークセッションは『いのち~生きるとは?~』。

登壇者は以下の方々。

秋山 正子 (認定NPO法人マギーズ東京 センター長・共同代表理事)
伊藤 高章 (上智大学大学院実践宗教学研究科教授 死生学専攻主任・上智大学グリーフケア研究所 副所長)
大橋 洋平 (緩和ケア医)
鈴江 奈々 (日本テレビ アナウンサー)

もっとみる

コロナが私にくれたものVol.3ーオンラインについてー

なんだかんだVol.3。

今回書くにあたって、Vol.1、Vol.2を読み返してみたのだけど、こういう形の備忘録があるのはやはり内省としてすごくいいな、と、個人的にそう思う。こんなこと考えてたんだ、っていう。まあ要はただの日記だけども。

緊急事態宣言が明けて数日。
個人的には、このまま都内近郊の感染者数が2桁台をキープできるのであればひと安心、というところなのだけれど、ここから果たしてどうなる

もっとみる
私は新卒で訪問リハに従事することを推奨しない。

私は新卒で訪問リハに従事することを推奨しない。

何か見たので書いてみる。

訪問リハクラスタがもりあがっているようですここ最近clubhouseでも一部の訪問リハクラスタ(と言っていいのかどうかわからないが)が盛り上がっているのを尻目にその界隈にはあまり近づいていない。
そもそも狭い医療業界のさらに在宅医療という一分野のさらに訪問リハビリテーションという分野について声高に話をすることの意義がいまいち私には見いだせないから(異論は認めるがこれは私

もっとみる
地域福祉計画をシェアしてみる夜/machico

地域福祉計画をシェアしてみる夜/machico

『地域福祉計画をシェアしてみる夜』、というイベントをやったんだよ。

きっかけは、先日居住区の第6期地域福祉計画が策定されまして。
それをシェアする会をやったら意外といろんな方が来てくれて、地域のことを、福祉目線で知らなかった話をたくさん聞けて、楽しかったんだよね。

そのイベント後に、参加者の方から
「お話していて、『そういえば福祉避難所って今どうなってるのかな?』って思い出して、自分で調べたり

もっとみる
HCR2021行ってきたよ

HCR2021行ってきたよ

沼から浮上できないまま1ヶ月以上経過した。
まだ脱出の気配は見えないけども、とはいえお仕事関係のことも少しこなしつつ。

2年ぶりにリアル展示会で開催される国際福祉機器展HCR2021
去年は完全オンライン開催だったけれど、今年はハイブリッド。
展示会はやはりリアルが1番だと思っているので迷うことなくリアル展示会へ。

友人と見て回ったものの中で、面白かったものをいくつか備忘録として。

SUWA

もっとみる
【研修雑感】11/8らいすた「OBP2.0」

【研修雑感】11/8らいすた「OBP2.0」

11/8に、InstagramのLiveStudy(通称:らいすた、というらしい)を使って、吉備国際大の京極先生のOBP2.0入門編、のようのものがあったので聞いていた。
入門編なので、OBPとは、というより、そもそも「作業療法とは何か」という、私たちのアイデンティティについて歴史から紐解いていきましょうよ、という流れが強かったけれども、とても面白かった。
以下、私なりの講義まとめ。

▼作業療法

もっとみる