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あどけない話(夜のエッセイ)

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日々の暮らしから、あどけない話を綴ります。
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2019年1月の記事一覧

本屋さんをめぐる断章

本屋さんをめぐる断章

1月14日(月)最寄り駅に併設された商業施設内の書店を訪れる。

小説コーナーの近くにあるエッセイやノンフィクションを並べたコーナーにいると、高校生と思しき数人組の男性がワイワイ言いながらやってきた。聞くともなしに聞いていると、1冊の漫画本を皆でお金を出し合って買う相談をしているようで、「俺、100円しか持っていないよ!」などという声が聞こえてくる。

そんな中、そのうちの1人がすぐ横にある小説コ

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仲良く月を食べました

仲良く月を食べました

今川焼が食べたくなって
近所のコンビニまで プラプラ歩きました

コンビニは本当に何でも売っていて
便利店 便利店

家に帰る道すがら
ちょこんとお座りしているタヌキくんに出会います

君 ずいぶん可愛らしく座ってるね
ネコさんかと思っちゃったよ
今日の夜も冷えるね
そうだ 今川焼1つ食べるかい

タヌキくんとタスクくんは
仲良く並んでモグモグ モグモグ

空を見上げると
少しだけ欠けた 黄色いお

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「月の光が肩に冷たい夜には」

「月の光が肩に冷たい夜には」

月、綺麗ですね。
綺麗な月を見るたびにここに書き留めている気がするのですが、本格的に寒くなった今の季節は空気がとても澄んでいて、そこにくっきりと浮かぶ月はまるで…まるでLEDライトのようです、などと言っては怒られてしまうでしょうか。
でも本当に、あまりの明るさと神々しさに息を呑んだのでした。おまけに、周りにはチカチカと瞬く星々まで見えて幻想的。私の住む土地柄、初めは飛行機の灯火かと思ったのですが、

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ダイジェスト版でお届けします。

ダイジェスト版でお届けします。

夜の投稿に関しては、前回の更新から少し間が空いてしまいました。

「忙しかった」とか「体調が優れなかった」とか、理由を挙げようと思えばいくらでも思いつくのですが、本当のところは「1日1ページの手帳を買って、そこに日々の思いを綴ることにした」ことにより、「書かずにはいられない」気持ちがそちらに向かった、ということなのかもしれません。
「1日1ページ」なのである程度の長さのものが書け、なかなかの充実感

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せっかくなら本屋さんの利益に貢献したい

せっかくなら本屋さんの利益に貢献したい

Googleで書名を入れて検索すると、「e-hon」や「Honya Club.com」というサービスが出てくる。
恥ずかしながら今日まで、これらはただのオンライン書店かと思っていたのだが。

調べてみると、これらはトーハンや日販といった大手取次が運営するもので、このサービスを通じて買うと、店頭受取/宅配のいずれでも、登録した本屋の取り分が発生する仕組みらしい。

このところ、以前にも増して本屋活動

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日記を書くのが楽しいのです

日記を書くのが楽しいのです

昨日、5年分書ける日記を手に入れました。

初めは、以下の「10年メモ」というものを買おうと思っていたのですが、「10年というスパンは自分の肌感覚からしてやや長すぎる」と感じ、5年に落ち着いたのです。

最近、日記を書くのが楽しくなってきました。なぜなのかと胸に手を当てて考えてみると、ひとえに以前に比べて、一日一日を(こう見えて)大切にするようになったからだと思われます。

これまでは、カレンダー

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20歳のころに

20歳のころに

20歳のころ、何をしていたかなぁ。およそ10年前のこと。

※ ※ ※

成人式には行かなかったけど、その後に開かれていた高校の同窓会のようなものには足を運んだ。そのときの写真が残っているけど、特段変わった様子もない。というか、一緒に映っているメンバーを見ると、今でもそれなりの頻度で顔を合わせる人々ばかり。その意味では、変わらぬ付き合いをしているなぁ、とは思う。

そういえば自動車の運転免許を取得

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あの人なら、どんなふうに読んでくれるかなぁ

あの人なら、どんなふうに読んでくれるかなぁ

昨日、中島みゆきが1986年に出版した書き下ろし小説『女歌』(新潮社)を読んだ。「小説」と銘打ってはいるが、おそらくかなりの部分が事実と思われる短編集。
1970年代に住んでいた霞町(今の西麻布)の外国人向けマンションで出会った、性風俗業に従事するヘレン(「街の女」)、自身のコンサートツアー(おそらく旅程的に、1986年のツアー「五番目の季節」)で照明スタッフとして奔走するりえちゃん(「23:00

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箪笥が一竿、箪笥が二竿

箪笥が一竿、箪笥が二竿

「箪笥」という言葉、最近あまり聞かなくなった気がするのは気のせいだろうか。「衣装ケース」と言うのかもしれないし、何なら最近は壁の中にくり抜かれた空間を指して「クローゼット」と呼ぶことが圧倒的だ。

そんな中、年末年始に実家に帰り、久しぶりに「ザ・箪笥」を目にした。

フローリングに古びた箪笥。ややシュールかもしれない。

この箪笥、というかこの部屋自体、7年ほど前に亡くなった祖父が使っていたもので

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ため息と天ぷら鍋

ため息と天ぷら鍋

以下、昨夜寝床にてスマートフォンで書いていたものだが、気づいたらそのまま眠ってしまっていて投稿できなかったもの。

※ ※ ※

この時期エアコンを暖房運転していると、プシューと音がしてしばらく風が止まることがある。調べてみるとこれ、室外機の除霜運転の音らしい。

以前物語に仕立てていただいた腕時計くんではないが、この音、エアコンくんのため息に聞こえてしょうがない。「ふ~、寒くて嫌になっちゃうよ」

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「自然を見よう」と思った話

「自然を見よう」と思った話

人間が苦手で、街が苦手である。

でもその一方で、
人間が好きで、街が好きである。

この相反する感覚はなんだろう。
自分でもよく分からないのだが、気づけばそういう人間になっていた。アンビバレントというやつだろうか。

時々はバランスを崩しながらも、それはそれで一応やりくりしてきたつもりだ。

さて、そんな私なので、どこか自然豊かな場所に出かけても、つい人間の営みを探してしまう。そして、それを見つ

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湯沸かしはやかん派

湯沸かしはやかん派

こだわりを持っていたつもりでも、意外と簡単に気持ちが揺らいでしまうことがある。

例えばお湯を沸かすとき、やかんをガスコンロにかけている。
実家ではそうしていたから、という理由以外に、「青い炎がチラチラする様子が好き」「お湯がシュンシュンと沸く音が好き」「お湯が沸くのを待つ時間は不思議と気持ちが落ち着く」など、嗜好的な側面も多分にある。

だから、引っ越しをするときは必ずガスコンロがある物件を選ん

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カレンダーは月曜始まり派

カレンダーは月曜始まり派

懲りない人間なので、毎年毎年、カレンダーと手帳を新調する。カレンダーは職場のデスクに置くためのもので、手帳は鞄に忍ばせるためのもの。

「予定を細やかに書き込むことになるだろうから、マス目が大きい実用的なものを」と思い、何の飾り気もないカレンダーを買う。
「時間単位で予定が入ることもあるだろうから、マンスリーカレンダーとバーチカルカレンダーがセットになったものを」と思い、それなりに立派な手帳を買う

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影響されやすいのです

あるエッセイを読んでいたら、「今晩の夕飯をチョコレートとウィスキーにしようと思ったら、なんだかとても楽しみな気持ちになってきた」という趣旨の記述に出会った。

夕飯がチョコレートとウィスキー。それはとても甘美な響き。
早速真似してみようと思いたち、明治の「ミルクチョコレートBOX」を買ってきた。ノーマルなものとミルクが多いものの2種類があって、しばらく迷ったのだがミルクが多い「ハイミルクチョコレー

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