たつきち

或いは「達吉」/ 紹介するもの何もないんですよ、自分 / 100%創作垢 /毎日一本「…

たつきち

或いは「達吉」/ 紹介するもの何もないんですよ、自分 / 100%創作垢 /毎日一本「お話」アップ続けてます。20230814で1000本達成!/日記アカウント( https://note.com/tatsukichi_24_02)

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そういえば…(最終更新20240126)

はじめに この自己紹介以外、アップしている文章は全てフィクション・創作物です。 そのあたりのご理解よろしくお願い致します<(_ _)> ▪️▪️▪️ 自己紹介的なもの何も…

たつきち
3年前
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立入禁止

公園の遊具に黄色と黒のテープが巻かれてあった。 黄色いテープに「ちかづかないでください」と黒文字でプリントされている。 ジャングルジムと滑り台が一緒になった遊具だ…

たつきち
4時間前
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メッセンジャー

久しぶりに筆が全く進まない状態だった。 とはいえ、連載が終了すると、必ずこの状態に陥る。 ほおっておいてもそのうち書けるようになるから、別に気にしてはいない。 そ…

たつきち
1日前
14

午前3時13分

我ながら器用だと思った。 キーボードに手を置いたまま寝落ちしていた。 その手の上にうっつぷすこともなく寝ていたようだ。 ノートPCはスリープ状態。 自分と同じく眠って…

たつきち
2日前
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【二億斉藤】#毎週ショートショートnote

「三億佐藤と二億斉藤?なんだこれは?」 「集めてほしい」 「ちょっと待て。日本人が今、どれだけいると思っているんだ?一億を切ろうとしているんだぞ?」 窓辺に立つ男…

たつきち
3日前
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【冷凍記憶】#毎週ショートショートnote

冷凍睡眠のコースはふた通り。 ひとつは肉体ごと、もうひとつは記憶のみを冷凍保存するもの。 「お勧めは?」 「条件によって変わります。星団船にお乗りになりますか?」 …

たつきち
4日前
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探偵-【君に届かない】#青ブラ文学部

I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you… A4用紙に何度も何度も繰り返す「I cannot reach you.」 「なんだこれは?」 探偵は思わ…

たつきち
5日前
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【風薫る】#シロクマ文芸部

「風薫るの薫といえばたいていは通じる」 「羨ましい」 「あぁ」 男3人がオープンテラスで頭を突き合わせている。 「俺は年配の人には割と説明は楽なんだけど、若い人に困…

たつきち
6日前
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madam

「めっきり葬儀が簡素になって花屋も暇になったでしょう」 いつも嫌味を言いにくるマダムに「買い叩かれるよりかはいいですよ」と答えた。 花が高いのだ。 だけど葬儀屋は…

たつきち
7日前
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北極熊と虎

『北極グマとトラは一緒に戦うことはできない』 探偵はじっとそれを見ていた。 ネオン管で描かれた文字。 意味はあるのか?渡邊医師は探偵の背中越しにそれを見て思った。 …

たつきち
8日前
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殺し屋-永久欠番のあなたへ#青ブラ文芸部

殺した相手に思い入れはない。むしろそんなものを抱いたら殺し屋なんてやっていられない。 「でも、覚えていますよね?殺した相手を」 「そりゃそうさ。当然だろう?」その…

たつきち
9日前
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【真夜中万華鏡】#毎週ショートショートnote

「眠れない?じゃあ、これをあげよう」 差し出されたのは万華鏡だった。 「眠れない夜に覗いてみるといい」 断ったつもりだったが、気がつくと鞄の中に入っていた。 眠れな…

たつきち
10日前
25

【放課後ランプ】#毎週ショートショートnote

放課後ランプが灯ったら、振り向かずにまっすぐ家に帰れ。 「さもなくば…」 「さもなくば?」 津田はノートを置くと「そこまでしか書かれていない」と言った。 「ランプと…

たつきち
11日前
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BLUE#色のある風景

青色を好むことで有名な画家の展示会。 どの絵も青色で描かれる。 こんなに青色があるのかと驚くほど、さまざまな青で溢れていた。 一番大きい絵は200号というサイズのもの…

たつきち
12日前
15

【子どもの日】#シロクマ文芸部

子どもの日だというのにその村には子どもの姿はなかった。 その代わりというかのように、どの家でも鯉のぼりが風を受けてたなびいている。 「今年もよろしくお願いいたしま…

たつきち
13日前
15

鈍色の記憶

最初に人を殺したのは、まだ研修期間だった。 FとUという、清掃局のエースの任務に同行していた。 このふたりが組む時は、ある程度の人死にが出るケースだとは聞いていた。…

たつきち
2週間前
16
そういえば…(最終更新20240126)

そういえば…(最終更新20240126)

はじめに
この自己紹介以外、アップしている文章は全てフィクション・創作物です。
そのあたりのご理解よろしくお願い致します<(_ _)>

▪️▪️▪️
自己紹介的なもの何もしてませんでした<(_ _)>

「たつきち」と申します。「たつきち」は「達吉」とも書きます。
何処かのSNSでひょっとしたらお目にかかっているかもしれません。まぁ、あちこちに出没しております。
その昔は「鉄砲玉の達」と呼ばれて

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立入禁止

立入禁止

公園の遊具に黄色と黒のテープが巻かれてあった。
黄色いテープに「ちかづかないでください」と黒文字でプリントされている。
ジャングルジムと滑り台が一緒になった遊具だった。
ジャングルジムは元は何色だったのだろう?オレンジ色と水色がところどころに見えているが、ほとんどが赤黒い錆色だった。
緋村はそれをスマホで写している。
いや、その遊具を写すフリで、公園の反対側の道路にいるふたりの男を撮影していた。

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メッセンジャー

メッセンジャー

久しぶりに筆が全く進まない状態だった。
とはいえ、連載が終了すると、必ずこの状態に陥る。
ほおっておいてもそのうち書けるようになるから、別に気にしてはいない。
それに、今、ちょうど、副業の依頼を受けたばかりで、いろいろ調べなくてはならないこともあって、書けないでいることが具合がいい塩梅でもある。
殺しの依頼の流れはまずはメッセンジャーから打診を受ける。
「期限は3週間後。誰某という三十代の男性です

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午前3時13分

午前3時13分

我ながら器用だと思った。
キーボードに手を置いたまま寝落ちしていた。
その手の上にうっつぷすこともなく寝ていたようだ。
ノートPCはスリープ状態。
自分と同じく眠っていたようだ。
机の上のデジタル時計は03:13。
「やれやれ」
キーボードから手をどかし、両手を握り指の関節を鳴らす。
いい加減この癖はなくそうと思うが、ついポキポキと鳴らしてしまう。
首を回し、肩甲骨も「ポキリ」というまで動かしてみ

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【二億斉藤】#毎週ショートショートnote

【二億斉藤】#毎週ショートショートnote

「三億佐藤と二億斉藤?なんだこれは?」
「集めてほしい」
「ちょっと待て。日本人が今、どれだけいると思っているんだ?一億を切ろうとしているんだぞ?」
窓辺に立つ男は片眉を上げた。
「お前、三億の佐藤をどこに集めるつもりだ?」
「は?」
「情報だけでいい。確かな証拠があればいい。過去に遡って三億の佐藤と二億の斉藤」
「それに何の意味があるんだ?」
「お前が知る必要はない」男は冷たく言い放つ。
「・・

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【冷凍記憶】#毎週ショートショートnote

【冷凍記憶】#毎週ショートショートnote

冷凍睡眠のコースはふた通り。
ひとつは肉体ごと、もうひとつは記憶のみを冷凍保存するもの。
「お勧めは?」
「条件によって変わります。星団船にお乗りになりますか?」
「あ〜、どうしようか悩んでいます」
「ご家族や親しい方とご一緒ですか?」
「いや。ひとりです」
担当は「でしたら、冷凍記憶コースがお勧めです」と言った。
記憶のみを冷凍保存する。冷凍はコールドスリープに対しての比喩であるが、時折解凍=再

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探偵-【君に届かない】#青ブラ文学部

探偵-【君に届かない】#青ブラ文学部

I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you…

A4用紙に何度も何度も繰り返す「I cannot reach you.」
「なんだこれは?」
探偵は思わず口にした。
「これが毎日届くんです」依頼人は言う。
郵便ではない。
住所の書かれていない封筒が毎日ボックスに入っているのだという。
その依

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【風薫る】#シロクマ文芸部

【風薫る】#シロクマ文芸部

「風薫るの薫といえばたいていは通じる」
「羨ましい」
「あぁ」
男3人がオープンテラスで頭を突き合わせている。
「俺は年配の人には割と説明は楽なんだけど、若い人に困るんだよなぁ」
「オレも」
「井上馨の馨です。で、あぁ…ってなる」
「イノウエカオルって?」
「大昔の政治家」
「ふうん…」
「って、お前みたいなリアクションの人には、女子レスリングの伊調馨選手の馨の字です。と」
そう言いながらテーブル

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madam

madam

「めっきり葬儀が簡素になって花屋も暇になったでしょう」
いつも嫌味を言いにくるマダムに「買い叩かれるよりかはいいですよ」と答えた。
花が高いのだ。
だけど葬儀屋は初めからこの値段でこの量で、と指定されている。
薄利どころか諸経費込みではマイナスになることもある。
近々、葬儀屋と相談しなくては。と思っていた。
マダムは片眉をヒクリと上げた。
20世紀のドラマに出てきそうなマダム。
フルネームは存じ上

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北極熊と虎

北極熊と虎

『北極グマとトラは一緒に戦うことはできない』
探偵はじっとそれを見ていた。
ネオン管で描かれた文字。
意味はあるのか?渡邊医師は探偵の背中越しにそれを見て思った。
「いやいや」
渡邊は首を振る。
芸術作品の意味を知るのは作った作家だけだ。
それを良い悪いと評価する外野は愚かしい…とは、目の前の探偵の台詞だ。
渡邊もその言葉に頷いた。
「珍しく、君と意見が一致したね」
探偵が嬉しそうに目を細めたのを

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殺し屋-永久欠番のあなたへ#青ブラ文芸部

殺し屋-永久欠番のあなたへ#青ブラ文芸部

殺した相手に思い入れはない。むしろそんなものを抱いたら殺し屋なんてやっていられない。
「でも、覚えていますよね?殺した相手を」
「そりゃそうさ。当然だろう?」その人は少し呆れたような顔をした。
「その人がいなくなっても、その人がいた大概のところには別の誰かが入り込んでは、さも『最初から自分がいました』みたいな顔をする。死んだやつのことなんて家族でもなければさっさと忘れてしまう。だから、せめて俺くら

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【真夜中万華鏡】#毎週ショートショートnote

【真夜中万華鏡】#毎週ショートショートnote

「眠れない?じゃあ、これをあげよう」
差し出されたのは万華鏡だった。
「眠れない夜に覗いてみるといい」
断ったつもりだったが、気がつくと鞄の中に入っていた。
眠れない。
わざと難解な本を読んだ。少し前なら数頁も読まずに寝落ちていた。今はつまらないと思いながらも読み進めてしまう。
諦めて電気を消して本を置く。
本を置いた手に何かが当たった。
万華鏡だった。
「真夜中万華鏡とか言ってたな?」
定かでは

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【放課後ランプ】#毎週ショートショートnote

【放課後ランプ】#毎週ショートショートnote

放課後ランプが灯ったら、振り向かずにまっすぐ家に帰れ。
「さもなくば…」
「さもなくば?」
津田はノートを置くと「そこまでしか書かれていない」と言った。
「ランプと言ったら相当昔だよね」澤が言う。
「うーん」津田が唸る。
「どうした?」
「このノート、日焼けしてるけどそんなに古くないんだよね」
「そうなの?」
津田はミステリー研究家なだけでなく文具オタクだった。
この学校が廃校になったのは3年前。

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BLUE#色のある風景

BLUE#色のある風景

青色を好むことで有名な画家の展示会。
どの絵も青色で描かれる。
こんなに青色があるのかと驚くほど、さまざまな青で溢れていた。
一番大きい絵は200号というサイズのものだった。
対になっている2枚の絵は空と海だった。空の青を映しているはずの海。だけど、その青色は全く違った。それでもそこにある空を映しているのだとわかる絵だった。
空と海だけでなく、さまざまなものが青で描かれている。
彼の自画像もそのひ

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【子どもの日】#シロクマ文芸部

【子どもの日】#シロクマ文芸部

子どもの日だというのにその村には子どもの姿はなかった。
その代わりというかのように、どの家でも鯉のぼりが風を受けてたなびいている。
「今年もよろしくお願いいたします」
村長が頭を下げている相手は、渡り祭祀のモチヅキだった。
「お任せください」
子どもたちは昨日から皆旅行という名で村から避難させている。
この辺りでは大昔からサツキ様と呼ばれるカミが端午の節句に贄を求めて現れるという。
現に、昔から幾

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鈍色の記憶

鈍色の記憶

最初に人を殺したのは、まだ研修期間だった。
FとUという、清掃局のエースの任務に同行していた。
このふたりが組む時は、ある程度の人死にが出るケースだとは聞いていた。
僕はシュミレーションでしか人に銃を向けた時はないし、ナイフを突き刺す相手も人そっくりのオーツマタだった。
口調も荒く、やや粗暴な印象を受けるFと穏やかで思慮深いUは一見すると全く合わないように思えたが、何も言わずとも阿吽の呼吸で状況を

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