アニメ「東京喰種トーキョーグール」は、運悪く喰種となってしまった主人公が、社会の中のマイノリティの側として、正義とは何か、正しさとは何か、という本質的な問いを抱えながら、否応なく迫り来る理解の無い敵（社会）との戦いに巻き込まれていく物語です。ボロボロになりながらも最後まで社会との融和を模索し、そしてついに、、、

ということで、見て下さい。
これも面白いです。超絶お勧め。

私はこのアニメを見ながら、なぜか西部邁（にしべすすむ）と姜尚中（かんさんじゅん）を思い浮かべてしまう変な人です。
お二人とも政治学者です。保守とリベラル、という関係でした。

正しさがぶつかり合うこと、というのはあります。
それぞれが、それぞれの正義を背負いながら、本当は戦いなんかしたくないのに、、でも、宿命としてその場に登場することになり、意見をぶつけ合う。

こういうことは世の中ではあらゆるところで起きていますよね。
たとえば、時代を少し遡ると、
経済学者である宇沢弘文とフリードマンの対立。
資本主義をある程度コントロールすべきと主張する宇沢と、レッセフェール（放置）だと主張するフリードマン。

こんな細かいことを知らなくても、資本主義と共産主義の関係を考えてもらえばいいです。
それから、功利主義的正義論と社会契約論的正義論。これもいつも対立してる関係。ベンサムとジョン・ロールズの関係。
ようするに、利益の追求（競争）が社会を平和にするって考えと、まずは社会が融和できるような制度設計（人間の絆）だろ、という考え。

東京喰種の主人公は不運にも半分だけ喰種になってしまったので、ぶつかり合う両側の正義とも、自分の中に宿してしまう。
政治や経済の話とはまったく関係ないですが、構図としては同じです。
それで、一方的な正義を振りかざす社会の側と、宿命として喰種として生まれた人たちの間をなんとか繋げないか、最後まで模索しようとする、、、それで、、、（続きは見てね）。

それで、わたしは東京喰種の主人公が好きです。
共感出来ます。
わたしもいつも、同じこと考えてしまう。

わたしは宇沢弘文もフリードマンの主張も正しいと思うし、西部邁の主張も姜尚中の主張も正しいと思う。
そもそも、彼らは社会をよい方向に導こうとしてる。真面目。それから、目的地は同じ。
方法論が違うだけなんだよね。
これが分かってない人が多い。

目的地は同じなんですよ。

まず、目的地がある。わたしたち社会が向かうべき目的地ってどこ？
バカですか？
みんながハッピーになれる社会です。
そもそも、「最大多数の最大幸福」を主張してるのは資本主義の側です。
これを目的地に設定したのは資本主義。

功利主義が制度疲労を起こしてるんだから資本主義の側が修正すればいいのに。
それをしないから結局インチキだと感じる。
いや。最初から嘘だった。
今はもう競争なんてないんです。
ビックデータを解析されて、みんな家畜にされちゃう。
認知バイアスマーケティングで、みんな特に欲してないものを買わされちゃう。牛丼シャブ漬けの手法は、もうどの会社も当たり前のように使ってるんですよ。

昨今、そもそも、自分たちが住む社会が、目的地に向かってること自体がよく分からなくなってる人が多い。いや、ほとんどじゃないかな。
嘘がバレる前に多くが捕らえられた。

西部邁が好きとか、姜尚中が好きとかって話じゃない。
好き嫌いじゃない。
目的地に向かって、どういう方法論が、今この時代、この社会にフィットしてるか、そこ考えないとダメ太郎だと思う。

わたしは誰かと話すときにも普通に姜尚中好きだよ、って言うんですが、
そう言うと、実は、、、わたしも好きでした、みたいなことを言う人がわりといる。
ったく、また隠れ姜さまファンかよ、とわたしは思います。
朝鮮人を好きなことは恥ずかしーことじゃないっての。

とにかく、自分がそう思う事、こう思う事、正しいと思う事、、、を主張できた方がいいと思う。
もちろん、目的地を見定めたうえでね。
目的地が見てないのに、おれはこう思う、あいつ嫌い、大嫌いって意見は、まるで意味がない。それは、植えつけられた価値観を喋ってるだけ。
だって、論理的じゃないことは明らかじゃん。

今、話した事は全部、ぜーんぶ、「東京喰種トーキョーグール」につまってる。
このアニメが凄いのは、ちゃんと答えを提示してくれてるところ。

知りたい？

バーカ。
知りたかったら絶対見ろ。

おわり

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