【勝因】『理不尽に攻撃を完結できる2人を生かす』~07/08 プレミアリーグ第29節リバプールVSニューカッスル~

試合結果

2007-08 プレミアリーグ 第29節 @アンフィールド
リバプール(3-0)ニューカッスル・ユナイテッド
43分 ジャーメイン・ペナント
45+1分 フェルナンド・トーレス
51分 スティーヴン・ジェラード

スタメン

SPOTV でプレミアリーグの名勝負を配信するクラシックマッチ、07/08シーズンのリバプール(当時4位)とニューカッスル・ユナイテッド(当時13位)の一戦は、ホームのリバプールが3-0で勝利を収めた。ニューカッスルのメンバーを見ると、マイケル・オーウェン、ジェームズ・ミルナー、ホセ・エンリケとリバプールにゆかりのある選手が先発し、ベンチには後にリバプールに移籍するアンディ・キャロルが控える。そしてリバプールの選手として一時代を築いたケビン・キーガンがチームを率いるという、今から考えると、KOP(リバプールファンの総称)にはたまらないキャスティングだった。

試合はキックオフ直後からリバプールが主導権を握った。シャビ・アロンソを中心にパスをつなぎ、右サイドはジャーメイン・ペナントとアルバロ・アルベロアの連係で深い位置を取りにいき、左サイドはヨッシ・ベナユンが中央に切れ込んでいく。両サイドをうまく使い、ゴール前のフェルナンド・トーレスへクロスを供給するも、跳ね返されてしまう。そこからCKも獲得しながら攻め込んだが、なかなかこじ開けることができない。

しかし、43分だった。サイドからのシンプルなクロスではなく、トーレスがPA手前で起点を作ってスルーパス。これにペナントが反応するも、追い付いたエンリケがクリアしようとする。ただ、ペナントがあきらめずにゴール方向に向かって走ったため、エンリケのクリアがペナントの足に当たり、跳ね返ったボールはそのままゴールへ。GKハーパーの頭上を越えてネットを揺らした。攻撃の毛色を変えたこととペナントのあきらめない姿勢が先制点をもたらした。

リードを許したニューカッスルが同点弾を奪うために少し前掛かりになったことで、オープンな展開になる。すると、45+1分にリバプールが追加点を挙げる。アロンソが前方へ送ったボールをトーレスが頭でスティーヴン・ジェラードに落とすと、ジェラードはバウンドしたボールを押さえつけるようにして左足のインサイドでスルーパスを流し込む。CBの背中を取ったトーレスが抜け出し、トラップを流したことでGKをうまくいなしてネットを揺らした。

リバプールは2-0で迎えた後半の立ち上がりにもリードを3点に広げる得点を奪う。ピッチ中央でルーズボールを拾ったトーレスがゴールに向かって突き進むことで、カウンターが発動。猛然と駆け上がったジェラードがトーレスのスルーパスに抜け出すと、ジェラードは前に出てきたGKのあざ笑うかのようなループシュートを沈めた。

トーレスとジェラードのコンビの破壊力を感じる試合となった。彼らで奪った2点は、どちらも縦に早いもの。だた、2人ともスルーパスの出し手にも受け手にもなれる高いクオリティを備えており、得点を奪う上でのプレーの引き出しが多い。得点シーンだけでなく2人は近くでプレーすることが多く、彼らだけで攻撃を理不尽に完結させることができる強烈さがあった。当時は[4-4-2]から[4-2-3-1]にシステムを変更したようだが、彼らの特長と連係というチームの強みを最大限に引き出すためには[4-2-3‐1]は理想的なシステムだったようだ。

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