甘噛社(あまがみじゃ)

記憶は当てにならないので、個人的に思ったことのメモとして記録します。 アイコンは愛猫を…

甘噛社(あまがみじゃ)

記憶は当てにならないので、個人的に思ったことのメモとして記録します。 アイコンは愛猫を模したAI画像です。

マガジン

記事一覧

映画『ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

 シリーズ7作目のミッション・インポッシブル。  第一印象は、流石にトム・クルーズが老けたなということだった。それでもとてつもないアクションをこなすのだから人間…

映画『花腐し』

 『春されば卯の花腐し我が越えし妹が垣間は荒れにけるかも』  「春になると、あの子の家の生垣に卯の花が咲く。それを傷付けつつ、垣根を乗り越えて逢いに行ったものだ…

ぬるま湯がちょうどいい?

 ぬるま湯ですね、日本は。   海外在住が長い日本人がそう言った。  もちろん風呂の温度の話では無く、社会や経済の話だ。  海外諸国との金利差が生み出している円安…

あなたの労働価値はいくら?

 過労死が多い産業であるとして労働時間の制限が設けられた運輸業界。労働環境の改善が目的であるが、これによって様々な問題が起きるとされている。いわゆる2024年問題だ…

平和のために〜虐待の記憶

 安っぽい正義感を振りかざすのは、自分が空虚だからだ。理屈で武装するのも、物で満たされようとするのも、人を信じることが出来ないからだ。周囲がおかしく感じるのは、…

映画『愚行録』

 週刊誌の記者が1年前の殺人事件を追う。郊外の住宅地に建つ一軒家で、サラリーマンの夫とその妻と娘が惨殺された事件だ。しかしまだ犯人は捕まっていない。  上司は今…

セレブレティ

 唐突ですが、あなたはセレブレティでしょうか。  そう聞かれた時、どんな人物像を思い浮かべたでしょうか。あなたが純粋な日本人か日本語に詳しい方なら、紛れもなく金…

映画『ゴジラ-1.0』

 ゴジラマイナスワン。  終戦直後の日本を未知の巨大生物が襲う。  銃も砲撃も効かないその生物の名前はゴジラ。  撃退作戦に動かない国や世界をよそに、国民の有志が…

Netflixドラマ『偽りの銃弾』

 見始めたらやめられないサスペンス。  夫のジョーを殺した犯人は誰なのか。  真実の解明に動く妻のマヤ。追う警察のサミ。  その妻の周りでは、夫のみならず姉も銃で…

怒られて伸びる人と、そうでない人の違い

 厳しく指導されたり、厳しい環境にいて嫌になる人と、厳しさに成長を見出す人の違いはなんだろうか。  少し厳しいことを言われただけで辞めてしまう人がいる反面で、早…

誰も言わない投資において本当の大切なこと

 新NISAを切っ掛けに投資を始めてみたが何にどう投資すればよいのか分からないという声が多いようだ。多くはYoutubeなどで学んでいるという。  年配世代にはあまりそうい…

300

映画『すばらしき世界』

 十代の頃から入ったり出たりを繰り返し、人生の大半を塀の中で暮らしてきた元ヤクザ者の三上が、娑婆で真っ当に生きようと足掻く姿を描く。  幼い頃に母親と別れ施設で…

あなたは料理人ですか

 大の大人があんなに熱心に読んでいるのだから、新聞に書いてあることは真実なのだろうと子供の頃は疑わなかった。しかし、嘘か本当かギリギリのラインのものも沢山あって…

その話にオチはありますか?

 あなたは言葉を使わずに考えることが出来るだろうか。あるいは、頭の中から言葉を排除することが出来るだろうか。  言葉を使わずに考えることは出来ないかも知れないが…

映画『Winny』

 P2Pファイル共有ソフトウェアのWinnyを開発した47氏(金子勇)の逮捕・裁判を題材にした映画だ。  Winnyが登場した当時、専ら違法にコンピュータソフトウェアや映画な…

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』

 耳は聞こえているが喋ることが出来ない元孤児の女性が主人公。  舞台はアメリカ、時代は60年代だろうか。  映画館の2階にあるアパートに住み、政府系研究機関建物の…

映画『ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

 シリーズ7作目のミッション・インポッシブル。  第一印象は、流石にトム・クルーズが老けたなということだった。それでもとてつもないアクションをこなすのだから人間の域を超えている。それだけ映画愛があるということなのか。どれだけお金を手に出来るからといって、出来ることではない。これじゃあ、命がいくつあっても足りない。  それ(entity)と呼ばれる暴走したAIを止めるために必要な鍵を探し出すのが今回のミッション。その鍵が何に役立つのかは知る必要が無い、とにかく鍵を探し出せとい

映画『花腐し』

 『春されば卯の花腐し我が越えし妹が垣間は荒れにけるかも』  「春になると、あの子の家の生垣に卯の花が咲く。それを傷付けつつ、垣根を乗り越えて逢いに行ったものだ。しかし今や、その生垣もすっかり荒れ果てているなぁ。」という万葉集の歌。  6年間同棲していた彼女が家を出ていって3日後、海岸で打ち上げられているのが見つかった。別の男との心中だった。なぜそんなことになったのか、主人公の男は茫然自失の日々を過ごしている。気力を失った彼には世界がモノクロームに見えるのだった。    ど

ぬるま湯がちょうどいい?

 ぬるま湯ですね、日本は。   海外在住が長い日本人がそう言った。  もちろん風呂の温度の話では無く、社会や経済の話だ。  海外諸国との金利差が生み出している円安なのに政治家に忖度して金利を上げることを躊躇する。  企業は客に忖度して原価高騰を価格に転嫁しない。  その結果、円安はさらに進む。企業は倒産する。輸出企業だけが莫大な為替利益を独占する。  そんなことをしたら国民や顧客の理解が得られないと言いながら、外国に対しては苦しいから為替介入するけど許してと甘えた態度を平

あなたの労働価値はいくら?

 過労死が多い産業であるとして労働時間の制限が設けられた運輸業界。労働環境の改善が目的であるが、これによって様々な問題が起きるとされている。いわゆる2024年問題だ。  運輸業界は、収入を維持するためには多少辛くても労働時間を伸ばす他ないとして、時間あたりの平均賃金が低いと言われてきた。  多重下請け構造とコストアップを価格に転嫁しにくい構造の要因は、1990年代の運輸自由化によって起きた過当競争、すなわち中小事業者の増大にあったとする見方がある。  仕事を取るためのダンピ

平和のために〜虐待の記憶

 安っぽい正義感を振りかざすのは、自分が空虚だからだ。理屈で武装するのも、物で満たされようとするのも、人を信じることが出来ないからだ。周囲がおかしく感じるのは、自分が歪んでいるからだ。  世の中というものと何とか折り合いをつけてやってきた。そう思っていたが、全く折り合ってなどいなかった。表向きと違って、私の存在は社会とは噛み合わない世界に生きている。  この社会は決められた手続きさえ守れば生きていける。でもそれは、人として生きることとは別だ。社会に生きられたとしても、受け入

映画『愚行録』

 週刊誌の記者が1年前の殺人事件を追う。郊外の住宅地に建つ一軒家で、サラリーマンの夫とその妻と娘が惨殺された事件だ。しかしまだ犯人は捕まっていない。  上司は今更そんな記事書いてどうすると取り合わないが、意外にも編集長がゴーサインを出す。  記者の妹が育児放棄の子ども虐待容疑で逮捕されたところだった。編集長はそれを知って、彼の好きなようにさせようとしたのだ。  この兄妹、父親から虐待を受けた過去があった。  この世には格差があるんじゃない、階級があるんだよ。  いみじく

セレブレティ

 唐突ですが、あなたはセレブレティでしょうか。  そう聞かれた時、どんな人物像を思い浮かべたでしょうか。あなたが純粋な日本人か日本語に詳しい方なら、紛れもなく金持ちをイメージしたことでしょう。高級車に乗って見るからに金を持ってそうな身なりで高級ファッションブランド店をハシゴするイメージでしょうか。  日本語として、それはそれで良いのですが、海外では気をつけましょう。金を持っているだけではセレブレティにはなれないからです。  欧米でセレブレティと言えば、それは有名人を指しま

映画『ゴジラ-1.0』

 ゴジラマイナスワン。  終戦直後の日本を未知の巨大生物が襲う。  銃も砲撃も効かないその生物の名前はゴジラ。  撃退作戦に動かない国や世界をよそに、国民の有志が立ち上がるのだが。。。    事前情報によるミスリードかも知れないが、低予算におけるCGとVFXのPVだと感じてしまった。  映画に何を求めるのかによると言えばそれまでだが、CGを除けば駄作だと思ってしまったのだ。俳優たちは頑張っていたが、個人的にはセリフが受け付けなかった。CGやVFXにしても、技術そのものに目新

Netflixドラマ『偽りの銃弾』

 見始めたらやめられないサスペンス。  夫のジョーを殺した犯人は誰なのか。  真実の解明に動く妻のマヤ。追う警察のサミ。  その妻の周りでは、夫のみならず姉も銃で殺害されていた。二つの殺人に関連性があるのか。    言葉にすれば陳腐なサスペンス紹介にしかならないが、それしか明かせない事情もある。サスペンスならではだ。  主人公のマヤは元軍のヘリコプターパイロット。民間の乗用車を誤射したとネットで拡散されて軍を追いやられた。姉の殺害事件はその従軍中に起き、軍を辞めたら今度は夫

怒られて伸びる人と、そうでない人の違い

 厳しく指導されたり、厳しい環境にいて嫌になる人と、厳しさに成長を見出す人の違いはなんだろうか。  少し厳しいことを言われただけで辞めてしまう人がいる反面で、早く戦力になりたい、怒られることはむしろ有り難い、若い人でもそう言う人がいる。  思うに視線が何処に向いているかということではないか。  遠くに実現したい大きな目標を持っていて、今はそのための途上にあると考えているのか、それとも遠い将来のことは分からないが取り敢えず目の前のことを片付けようと思っているのか。  前者の

誰も言わない投資において本当の大切なこと

 新NISAを切っ掛けに投資を始めてみたが何にどう投資すればよいのか分からないという声が多いようだ。多くはYoutubeなどで学んでいるという。  年配世代にはあまりそういう感覚が無いかも知れないが、学びの道具としてYoutubeは優れているから、それ自体は問題ではない。ただし、選ぶチャンネルを間違えると投資を学ぶどころか思いっ切りギャンブルになってしまうから気を付けたい。  もっとも、あまり専門家からは聞かれないが、どんな投資でもギャンブル要素が多分にある。投資はギャンブル

有料
300

映画『すばらしき世界』

 十代の頃から入ったり出たりを繰り返し、人生の大半を塀の中で暮らしてきた元ヤクザ者の三上が、娑婆で真っ当に生きようと足掻く姿を描く。  幼い頃に母親と別れ施設で育った彼は、老いた今でも捨てられたと認めたく無い一心で、現れない母の行方を気にかけている。  真っ直ぐ過ぎるがゆえに許せず、直ぐにカッとなって暴力に出るのは、組で教わった人としての道なのだろうか。それとも幼い頃に抱いた母親への想いからだろうか。損得勘定よりも正義感に駆られて動いた結果が人を殺めることになった過去を知ら

あなたは料理人ですか

 大の大人があんなに熱心に読んでいるのだから、新聞に書いてあることは真実なのだろうと子供の頃は疑わなかった。しかし、嘘か本当かギリギリのラインのものも沢山あって、新聞によって書いてあることが真逆だったりするのだから、真実など分からない。  一次情報をコピペするだけではネットを超えられないから報道各社も悩ましいのだろう。とはいえ、SNSに上げられたネタを切り貼りしている番組はいただけないし、いわゆるコタツ記事が横行しているのも残念だ。  既存の報道機関は半ば諦めてしまったのだ

その話にオチはありますか?

 あなたは言葉を使わずに考えることが出来るだろうか。あるいは、頭の中から言葉を排除することが出来るだろうか。  言葉を使わずに考えることは出来ないかも知れないが、頭の中から言葉を排除することは日常的にやっているはずだ。  例えば夢中で映画を観ている時。映画の中に入り込んだあなたは映画と完全に一体化して言葉とは無縁の世界に佇んでいることだろう。もちろん、出演者のセリフを聞いてはいるが、それに応えるでもなく、淡々と受容しているはずだ。つまり、そこにはあなたの中で生成される言葉は

映画『Winny』

 P2Pファイル共有ソフトウェアのWinnyを開発した47氏(金子勇)の逮捕・裁判を題材にした映画だ。  Winnyが登場した当時、専ら違法にコンピュータソフトウェアや映画などのデータを入手する用途で普及していた印象がある。そうしたデータに対する著作権意識が全般的に低かったとも言える。  そうした中、違法にデータをアップロードした人のみならず、そうしたプラットフォームを作成したソフトウェア開発者が有罪になるというのはある種の衝撃だった(後に無罪になる)。  もっとも現在では、

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』

 耳は聞こえているが喋ることが出来ない元孤児の女性が主人公。  舞台はアメリカ、時代は60年代だろうか。  映画館の2階にあるアパートに住み、政府系研究機関建物の清掃係をしている。  ある日、彼女の勤務先研究所に危険な生物が持ち込まれる。それは人間のような形をして二足歩行をすることが出来、しかし全身を鱗で覆われた半魚人のような水生生物だった。時に人間を襲うその生物は機密の研究対象として解剖されようとしていたのだった。。。。  人の心の機微はもっぱら役者の演技によって表現さ