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セントビンセント日記

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カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
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#エッセイ

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

先週行われたJICA関西主催の協力隊トークライブでぼくが話したことを例によって、noteで文字起こし的に置いておきます。(思い出しながらなので当日とは多少違ったことを書いてます)

Microsoft Teamsを使ってやったのですが、画面にカメラオンの人が見えず、反応が探れなくて自分の話がウケてるのか、スベってるのかわからないのがしんどかったですが、その前に行われたリハーサルで、JICAの推進員

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悔しいけれど、ぼくの協力隊活動は負けが確定しました…

悔しいけれど、ぼくの協力隊活動は負けが確定しました…

青年海外協力隊で待機延長組でリモート支援をがんばってます、yukiです。

一時退避してからリモートでできることをやるのと、青年海外協力隊の広報活動や、可能であれば国内で地域活性化なり産業支援に取り組んでいます。

それで、ぼくの派遣先であるセントビンセントの人たちと日々連絡を取り合っているんですが (これは何気にすごいことです)、先日ボソッとこんなメッセージをもらいました。

送り主は盲目の人な

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若い人に持ち上げられて良い気分になった

若い人に持ち上げられて良い気分になった

久しぶりに若い人と話をした。

ポッドキャストという言い訳を使って、協力隊の人たちの任地のことや課題とかいろんなこと聞いてるアレ。情報収集でもあり、青年海外協力隊の活動の紹介という大義もあるけれど、単にあいつ暇なんじゃないかと表に裏に言われてるアレ。

(テレビ番組でいうところの、世界ふしぎ発見!やクレイジージャーニー的な番組をイメージしてつくってます!)

そのゲストに同期隊員の若い人を迎えて収

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Yukiが帰ってからね、こっちの状況も慌ただしくなってきたよ

Yukiが帰ってからね、こっちの状況も慌ただしくなってきたよ

ぼくはセントビンセントで1人目の感染者がでた翌週に退避した。セントビンセントにはJICA事務所がなく、調整員を始めJICAのスタッフもおらず何かあったときの対応がとれないのと、現地の医療事情が他国と比べてもあまりにも脆弱だからだ。本営はプライオリティ高めに設定していたらしい。

だから、ぼくがセントビンセントを離れるとき、理解はしてもらえていたけれど「まだここじゃそんなに問題になっていないのにな」

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ぼくが6月のニューヨーク旅行でやりたかったこと

ぼくが6月のニューヨーク旅行でやりたかったこと

ぼくの記憶が正しければ、セントビンセントから日本への一時退避が決まる前は感染者は数十人くらいで、気にするほどのことじゃない的な談話をだしていたのに、気づけばニューヨークだけで感染者2万人超えてるし、死者数もがんがん増えてるし、医療崩壊も起こり始めているらしい。

テスト数を増やしてるのもあるけれど、すごい勢いで増えてる。今週中には中国やイタリアを抜いて世界一の感染者数の国になる。

指数関数的な増

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国際協力なんて誰でもできる世界一簡単な職業なんだから、誰だってできるよ

国際協力なんて誰でもできる世界一簡単な職業なんだから、誰だってできるよ

しばらく前に、高校生から質問をもらった。

自分は昨夏に交流プログラムでアフリカにいって児童と触れ合ってきました。国際協力に興味があるものの、日本国内にも問題がたくさんある中で、その人たちのことをおいて、海外の知らない人を支援するするのは正しいことでしょうか。また、交流プログラムは個人的には楽しかったですが、これは何の意味があるのか、役に立ってるのか、自分なんかが何ができるんだという思いもあります

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実家に帰ってきたが、良くも悪くもなにも変わってない

実家に帰ってきたが、良くも悪くもなにも変わってない

この1年、ぼくなりに異国でがんばったつもりであるし、現地ではテレビにもでたし外国人だったからそれなりに有名人だったし、少しばかり成果もだしたし、JICAの世界日記に寄稿してるし、JICA発行のクロスロードにも少し寄稿した。

クロスロードは紙媒体なのでネットに疎い両親にもウケると思ったけれど、しょせんボランティアだし、そんなことはなかった。

両親が知らない国に行き、両親が経験したことのない「海外

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アメリカの短いイミグレの列を抜けるとイエロールームに通された

アメリカの短いイミグレの列を抜けるとイエロールームに通された

国境の長いトンネルを抜けると雪国であったような、パッとした鮮やかな情景ではなかった。

黄色に縁取ったファイルに入れられた私のパスポートとともに、背後から現れた職員に「こちらにどうぞ」と丁重に案内を受けた先はイエロールームという慇懃な場所だった。

ガラス張りの部屋の中には7〜8人の人たちがいた。ここがどういう場所なのかはよくわからない。彼らはずいぶんと長くここにいるように見えた。横になっ

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最後の晩餐シリーズ。この街で最後に何を食べたい?

最後の晩餐シリーズ。この街で最後に何を食べたい?

着々と日本に近づいている。ちゃんと飛行機が飛んでくれればあと1日で日本。現在地がどこかいつ日本に着くのか、もう着いているのかは安全管理上教えることができない。しかし、町中でコーンロウに派手なシャツを着た小太りのマスク姿の男を見かけたら、ぼくかプロレスラーだ。

そんなわけで、伏線の回収。あのとき、あの場所で、あの人たちと最後に何食べたシリーズ。

職場の人たちと。これが定番のランチパック。ぼくの職

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経由地でコーンロウにして気合い入れて帰る

経由地でコーンロウにして気合い入れて帰る

派遣されてから両サイドと後ろを刈り上げるだけで、上の髪の毛はずっと伸ばし続けてきた。理由は差別化。その一点。もう1年以上切ってない。

それで、日本に帰国途上の経由地で思いのほか時間を持て余した。

どういうわけか、気合い入れて日本に帰らないといけない、カリブから来た男たちを気取らないといけないという話になり、よし、じゃあ美容院に行こうじゃないかとカリブっぽい髪型にしに行ってきた。

ぼくは肩ぐら

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我々は刎頸の交わりだから!友よ、しばしの別れだ

我々は刎頸の交わりだから!友よ、しばしの別れだ

協力隊の一時帰国がようやく公開情報になったので。

ぼくは今、日本に着くまでの全行程5日間の内の途中にいる。もうセントビンセントはでた。

1週間ほど前はのほほんと生活していたのだから、なんだか不思議な気さえする。セントビンセント初の感染者が確認されてから、調整員さんからはセントルシアに一時退避になる可能性がある旨を翌日には伝えられ、その次の日には3日後のフライトで退避が決まった。

急だけれど、

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祝日は働かないんだよ、たとえ自分の朝食のためであってもね

祝日は働かないんだよ、たとえ自分の朝食のためであってもね

ー 週末の祭りにデュカナがでると思うから食べに行かないかい?

そんな誘いを大家のマルコムから受けた。デュカナは味のない「ういろう」のようなもの。大して好きでもないのだけど、それを食べるとマルコムがとても喜ぶので食べてる。すっかり彼はそれがぼくの好物だと思ってしまっている。

この嘘はつき通して付き合ってあげないといけない。昼から行くというので午前中に買い物を済ませてしまおうと、ダウンタウンに下り

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こいつはセントビンセントがほんとに好きなんだよ!

こいつはセントビンセントがほんとに好きなんだよ!

セントビンセント国内で初の感染者がでてから3日目。

ちょうど金曜日発売の新聞にも「ついにビンセントにもコロナがやってきた!」的な一面記事がでたこともあって、町中でマスクをしてる人をちらほら見るようになったり、レストランや雑貨屋の店員さんさんも薄手のゴム手袋をするようになったりと警戒感が伝わってくる。

セントビンセント初の感染者はイギリスからの帰国者で30代女性。余談かもしれないけれど、ここ数日

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現場を知らない人の善意の意見ってろくなことがないよね

現場を知らない人の善意の意見ってろくなことがないよね

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている、のは坊ちゃんだけど、そういう世間知らずのお坊ちゃんって全てを水の泡にしかねないパワーを秘めているんだなと思った話。

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兵役のある某国の友人から最近聞いた話。

兵役のあるSK国では一定の年齢になると健康な男子は兵役がある。

けれど、大学での成績優秀者は代替措置として援助機関で海外プロジェクトのサポート業務に従事することができる。

ぼく

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