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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」

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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」を紹介しています。こうした詩や散文詩などは、アマゾンにて電子書籍化しています。
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記事一覧

感謝ノート 12/31

たくさんすきをしていただいて感謝 大晦日があることに感謝 雪が見れて感謝

散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その30

    首を吊った太陽  ああ、どうしてなのだろう、あなたや女を含めて誰もが望んでいない…

歩く魚
3年前
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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その29

   女の生首  やっとのことで見渡すことができる。瞳を縫い閉じられて、あなたは見ること…

歩く魚
3年前
12

散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その28

    吊り下げる糸  太陽は照り輝いている、この宙に変わらずに光の色を送出している。光…

歩く魚
4年前
7

散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その27

    発せられた言葉  誰が発するのかこの音は、閊えどもりながらも言葉のようである。美…

歩く魚
4年前
7

散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その26

   光の糸が吊る  太陽が照らしている海に、青い波が揺らいでいる海に、船など一艘も浮か…

歩く魚
4年前
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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その25

第五章 首を吊った太陽     太陽は燃焼する  太陽はそのそこに在る。確かに在って光を降り注いでいるこの宙へ、柔らかに暖かみのある光が淡い朱の色をなして透過している。揺らぐこともない恵みの光が万物なる生き物や万象を形作る事物の上に、波でも粒子でもない、これらの思い告げる心の内があっちにこっちに離れていても必ず伝わるように、宙の隅々まで照らし出している。太陽は爆発も崩壊もしていない。従ってこの宙にがらんどうなる空はない。何もが消えてしまう、心も肉も物も瞬く間に消え失せてし

散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その24

   この蛇を憎む女  女はこの蛇を憎む。絡まってくるからである体に、食い込んでくるから…

歩く魚
4年前
7

散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その23

    記号の浮かぶ宙  この宙には煌びやかに満ちた記号があちこちに、音と思いと意味を込…

歩く魚
4年前
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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その22

 禁忌を破る女  消えたとしてもまだ太陽はそこに在るに違いない。穏やかな日差しが降り注い…

歩く魚
4年前
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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その21

   女は生み出すのか  女は老婆でありながら宙である、どうしてもこの宙を抱いてしまう、…

歩く魚
4年前
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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その20

 飽和した女  飽和している身も心もお腹さえ満腹であって、決して飢えているわけではない。…

歩く魚
4年前
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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その19

第四章 女や老婆やこの日     ミイラの女が抱かれる  どうしても抱かれてしまう、ミイ…

歩く魚
4年前
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散文詩「首を吊った太陽に蛇や女」その18

   蕩ける蛇と女  溶ける体が、柔らかく蕩けすぎたためにか、液状となって滴っている。雫となって雨のようにこの宙に降り注いでいる。むしろゆっくりと粒状に飛散していると言う方が正しいかもしれない。あまりにも女が蛇を愛しすぎたために、愛しさのあまりに蛇に体を絡ませてどこの部位であっても舐めすぎたためであろう。すると蕩けた蛇の粘液が粘性の糸を曳いて女の体を覆い始めて、しならせた首から下へと白く露わにされた女の肉がもはや粘液に包まれて、肌の肉の中へとゆったりと液質が浸透していき、蛇