【散文】懐古(1198文字)
小学校を卒業した年の春休みに、姉に連れられて遠くの公園までお花見に行きました。小学生の行動範囲には制限がありましたから、高校生の姉が教えてくれる知らない道を自転車で必死に着いていく間中、小さな私の胸はずっと高鳴っていました。
大通りから少し外れた、広いけれど車通りの少ない静かな道を駆け抜け、大きな図書館を横目に桜並木を駆け抜け、体いっぱいで遊ぶ小さな子供たちの声に押されるように住宅街の付近を駆け抜けて着いたのは、広くて静かな、山の上の自然公園でした。大きな口で深呼吸をして、狭