見出し画像

【SLAM DUNK GI】42話「武器」



三井寿のリハビリが始まった。



「よし。今シーズン中にコートに戻ること。それが今年の目標だ。俺の活力にもなるし、まわりにも何かしらの影響が与えられるはずだ。」

「でも焦るな。焦るなよ。」三井

自身で言い聞かせながらリハビリ生活を過ごしていった。

そしてシーズン最終戦を迎えるにあたり、三井は星山監督にベンチ入りを直訴した。

チームの得点源でもあり、人気選手でもあった三井の復帰は来シーズンに向けての選手、サポーターへのメッセージにもなるという判断でベンチ入りが決定した。

そして残り1分三井はコートに立った。


「三井―― 待ってたぞーーー!」

今日一番のサポーターの声援がコートを響かせた。



三井は1本のスリーポイントシュートを決めた。

三井寿、24歳シーズン記録、3分出場3得点。



大半をリハビリにあてたシーズンオフ、

三井はシュートの打ち込みを求め安西の湘北高校に出向いた。


「三井君、お疲れ様。あの最終戦の姿に勇気をもらった人もいるはずだ。」安西


「はい。ありがとうございます。でもあれは出場させてもらったに過ぎない。本当の意味での復帰は果たしていないと思っていますから。」三井



「…何か浮かない顔をしてるね? 大方、コンディションに不安でもあるのかい?」安西



「2度目で、 今回は手術もしてますからね、、。現実的に依然と同じような動きは、、、。」三井


自身の体がわかっているからこその重い一言だ。しかし安西の表情は暗いものではなかった。



「ほっほっ 以前のように動けないならば動かなくていい。」

「ほっほっ それでも以前とは違うやり方で強くなれる方法もあるはずだ。」安西



「!? プレースタイルを変える?」三井



「私たちを苦しめた海南の神宗一郎。彼があれだけのスコアラーだったのには理由がある。」安西


「それは あいつのシュートは、まじでおちねえ。」三井

「正確性はもちろんのこと、他にも理由がある。」安西
「・・・・・・・」



「牧!? 牧紳一の存在!?」三井



「そう 牧紳一のペネトレイトだ。」

「牧君が相手を引き付けるから神君が空く。神君に気をとられれば牧君が自分で決める。牧君は3点プレーも物にする。相手にとって脅威だ。」安西


「牧ばりのペネトレイトをチームに求める、、、?」三井



「そうだね。川部製作所のPGの杉村直也君は卓越したパスセンスの持ち主だね。」

「彼を中心とした川部製作所のパス連携は目を見張るものがある。三井君も連携に参加し時には中でも得点を決めてきた。元々器用な三井君の技術も活かされ得点パターンも増えた。」

「しかし杉村君にペネトレイト力がプラスされれば」安西



「・・・・・」三井
「ほっほっ でもね もし彼にそれができなかったとしても」



「三井君自身でスペースをつくればいい ほっほっ」安西



「自分で!? 
             シュートの飛距離をのばす!?」


安西はにやりと笑った。


「そう そうしたら相手も三井君を離せなくなる。味方のスペースを作ることになり、チームを助けることにもなる。ついてこなかったら自分で決めちゃえばいいんですよ。ほっほっ」安西


「・・・・・(簡単いうなぁ苦笑)」三井



「海南監督の高頭君に聞いた話なのだが、神君は入部当初センターで得に優れた能力を持たない選手だったそうで、高頭君は非常にも高校でセンターは無理だと伝えた。」


「しかし神君はそこから一日も欠かさず500本のシューティングをこなし、海南の武器となった。」安西


「・・500本!? 武器!? 俺の新たな武器、、、、」三井



「ほっほっ それとね。インターハイ前の合宿で私と桜木君だけが残ってジャンプシュート合宿を行ったことがあるでしょう。」安西

「あっ」三井




「何本打ったと思いますか?」安西

「えっと、、、、、??」三井


「2万本です。ほっほっ」安西
「2万!!」三井

 


「飛距離1メートルでは足りませんね。ほっほ 2メートルいや3メートルいきますか。ほっほっ やりますか?」安西

「やりましょう。」三井


「桜木がやったんですよ。俺に出来ないはずがない。」三井


安西は三井をのせた。
そして三井の膝を気遣い訂正もした。




「三井君。君ならそう言うと思っていた。しかし膝に爆弾を抱えていることに変わりはない。」

「当時の桜木君の年齢やキャリア、体と今の三井君は違う。やりすぎが自己満足に終わることや致命傷につながる可能性だってある。」

「合理的な練習法をさがしましょう。三井君は元々、打てるのですから桜木君の状況とは異なるんだ。」安西



「はは(笑) ありがとうございます!」

三井は安西の助言を下に新たな武器の習得にシーズンオフの自主練に費やした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?