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湧き上がる言葉を綴っていけたら。

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記事一覧

久しぶりに開いてみると2年が経っていました。過去の作品を読むとその時のことを鮮明に思い出して、また自分の傷が癒えるようです。書いていてよかったなと思いました。書いてこなかった日々を残念に思います。誰のためでなく、自分のために書いているのだな、と実感します。

Kei
7か月前
2

Favorite Song

君に会えない夜は、 君の好きな歌を聴いて眠る。 想い馳せる夜空は永遠に広がって、 宇宙の広大ないとなみの一部。 巡り巡って行き着いた先で、 君も僕を想っているとい…

Kei
1年前
6

恋しい海

海が恋しくなったことは、 人生で1度だけある。 東京には海がない。 海のすぐそばで生まれ育った。 中学の時海のないところに引っ越したけど、 海が恋しいとは感じなかっ…

Kei
1年前
5

君が呼ぶ 名前掻き消す 花火かな

Kei
1年前
3

夕立に 左側だけ 濡れた肩

Kei
1年前
5

引かれた手で 祖母の手を引く 夏祭り

Kei
1年前
4

人混みに あがる花火が 照らす頬

Kei
1年前
4

7月18日。実家

三連休。実家に帰っていた。 家のいたるところで、愛犬を感じた。 愛犬は私たちが庭に出ると、一緒に庭に出たがった。 通りかかりの猫を見つけては興味深そうに注視し、自…

Kei
1年前
6

今まで「自立」という言葉を
履き違えていたことに気づいた。

ひとりでいても平気なことじゃなくて、集団の中でも自分を確立できていることをいうんじゃないかな。

Kei
1年前
9

6月30日。入道雲

今年初めての入道雲を見た。 もわっと暑い部屋が何となく好きだ。 その空気を感じると私は小学生になって実家にいる。夕方、蒸し暑さを感じながら帰宅して、もわっとした…

Kei
1年前
5

6月28日。選択肢

今日会社で高校受験の話になった。 私にとっての高校は義務教育の延長で 絶対に行かなければいけないものだった。 誰かに強制されたわけではないけど、親からも学校から…

Kei
1年前
6

ただ美しいもの3

青い青い空の先に たしかに君の声を聞いた 僕はただ空を見上げて、 がむしゃらに走り出す 追いかけるものもわからないまま ただ君の声がする方へ おかしいな、もう君の…

Kei
1年前
5

6月20日。マラソン

今日隣の席の人が、 大学くらいからやり直したい と言っていた。 もっとちゃんと勉強すればよかったって。 そういわれて振り返ると、 人生のやり直したいポイントって …

Kei
1年前
5

父の日

父は昔はすごく怖い人だった。 よく叱られたし、よく怒っていた。 父が家にいると、息苦しく感じてた時もあった。 お父さんみたいな男の人ばかりだったら、 結婚なんてし…

Kei
1年前
8

6月11日。そのまま

最近ほとんど1人で外出しない。 会社に行く時くらい。 日用品の買い物も会社帰りに済ませるし、 何にもない日、外に出たい気持ちがあっても、 なんとなく怖くて家から出な…

Kei
1年前
9

6月10日。焦り

先輩や同期から 「いつも仕事が早いね」 と言ってもらえる。 上司からも 「求めることはできてる」 と言ってもらえた。 でも私は他の部署で どれだけのことができるんだ…

Kei
1年前
6

久しぶりに開いてみると2年が経っていました。過去の作品を読むとその時のことを鮮明に思い出して、また自分の傷が癒えるようです。書いていてよかったなと思いました。書いてこなかった日々を残念に思います。誰のためでなく、自分のために書いているのだな、と実感します。

Favorite Song

Favorite Song

君に会えない夜は、
君の好きな歌を聴いて眠る。

想い馳せる夜空は永遠に広がって、
宇宙の広大ないとなみの一部。

巡り巡って行き着いた先で、
君も僕を想っているといい。

恋しい海

恋しい海

海が恋しくなったことは、
人生で1度だけある。

東京には海がない。

海のすぐそばで生まれ育った。
中学の時海のないところに引っ越したけど、
海が恋しいとは感じなかった。

感じたのは1度だけ。東京で。

初めての一人暮らしだった。
恋しかったのは海か家族か。
わからないけど、静けさの中のあの音が
嫌に恋しかったことを覚えてる。

私の中の海はいつだって夜だ。
実家にはいつも夜に帰るせいだろうか

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君が呼ぶ 名前掻き消す 花火かな

夕立に 左側だけ 濡れた肩

引かれた手で 祖母の手を引く 夏祭り

人混みに あがる花火が 照らす頬

7月18日。実家

7月18日。実家

三連休。実家に帰っていた。
家のいたるところで、愛犬を感じた。

愛犬は私たちが庭に出ると、一緒に庭に出たがった。
通りかかりの猫を見つけては興味深そうに注視し、自分の縄張りを主張するようにマーキングして回った。

駐車場から庭へのフェンスには、お手製の入口をつけた。愛犬が庭で走り回れるように。1回隙間から出てきちゃったこともあったっけ。庭から誰かが帰ってくるのを見つけては、フェンスの穴から鼻を突

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今まで「自立」という言葉を
履き違えていたことに気づいた。

ひとりでいても平気なことじゃなくて、集団の中でも自分を確立できていることをいうんじゃないかな。

6月30日。入道雲

6月30日。入道雲

今年初めての入道雲を見た。

もわっと暑い部屋が何となく好きだ。

その空気を感じると私は小学生になって実家にいる。夕方、蒸し暑さを感じながら帰宅して、もわっとした廊下を通る。母の姿は見えないが、家にいることは感じている。開け放たれたリビングでは扇風機が回っている。

「お母さん、アイスー」

小さい私はそう言って、小さい弟とさらに小さい妹とリビングで過ごす。

夏の小さな記憶をもわっとした暑い部

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6月28日。選択肢

6月28日。選択肢

今日会社で高校受験の話になった。

私にとっての高校は義務教育の延長で
絶対に行かなければいけないものだった。

誰かに強制されたわけではないけど、親からも学校からも世間からも、高校には行って当たり前、という雰囲気を感じていた。

今日会社で話した人には中学生の娘さんがいるらしい。

「中学を出て働こうと思ってたけど、
最近は受験しようと思ってるんだって。」

びっくりした。
高校に行かない選択肢

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ただ美しいもの3

ただ美しいもの3

青い青い空の先に
たしかに君の声を聞いた

僕はただ空を見上げて、
がむしゃらに走り出す

追いかけるものもわからないまま
ただ君の声がする方へ

おかしいな、もう君の声なんて思い出せないのに
たしかにこれは君だってわかるんだ

見上げた空は何故だかぼやけて
僕の耳には何かが叫ぶ声が聞こえた

足は止まって
ただ僕は慟哭する

ただ ただ ただ

どこにいったの
おいてかないで
かえってきて
つれ

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6月20日。マラソン

6月20日。マラソン

今日隣の席の人が、

大学くらいからやり直したい

と言っていた。

もっとちゃんと勉強すればよかったって。

そういわれて振り返ると、
人生のやり直したいポイントって
2つくらいしかない。

それだけ全部思い通りになったわけじゃなくて、
あれ以上は無理だったなって思えるくらい
当時やりきったから。

思う道に進めなくても
その先で出会った人たちを愛してるから。

でもそれじゃあ今は?

私、未来

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父の日

父の日

父は昔はすごく怖い人だった。
よく叱られたし、よく怒っていた。
父が家にいると、息苦しく感じてた時もあった。

お父さんみたいな男の人ばかりだったら、
結婚なんてしたくない、とも思っていた。

年始に父が倒れて、心臓の手術をした。
そこから人が変わったように優しくなった。

歳をとるにつれ
丸くなっていったのは事実だけど、
術後の父は、別人のように優しくなった。

母との関係もより良くなって、

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6月11日。そのまま

6月11日。そのまま

最近ほとんど1人で外出しない。
会社に行く時くらい。

日用品の買い物も会社帰りに済ませるし、
何にもない日、外に出たい気持ちがあっても、
なんとなく怖くて家から出ない。

だから美容院に行くことは
1人で出かけることの貴重な機会だ。

美容院は3年ほど同じところへ通っている。
ずっと同じ人が担当してくれていて、
安心できる。

最近1人で新しいことはほとんどしない。
映画も昔に見たことがあるもの

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6月10日。焦り

6月10日。焦り

先輩や同期から
「いつも仕事が早いね」
と言ってもらえる。

上司からも
「求めることはできてる」
と言ってもらえた。

でも私は他の部署で
どれだけのことができるんだろうか。

私って井の中の蛙なんじゃないだろうか。

抜きん出たいわけじゃないけど、
年次に見合った仕事をしたいと思うし、
年次に見合った実力が欲しい。

仕事ができる先輩を見ていると、
いろんなことに興味を持って
やっていることが

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