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トルストイの国 愛すべき隣人たち ①

 ロシアの文豪トルストイについて、
誰もがその名を一度は耳にしたことがあるだろう。

トルストイの肖像画 2018年 モスクワ トレチャコフ美術館にて

 彼は徹底した平和主義者で、
当時の日露戦争にも反対し、ガンジーは彼の説く「愛の原則」に感銘を受けてインドの指導者として非暴力の道を歩んだという。

 皆さんは彼の国の人たちについてどれだけご存知だろうか。

今のウクライナ戦争からは良いイメージは浮かばないかもしれない。

しかし直接対話することもなく、テレビを見ただけでレッテルを貼るのもどうだろうか。

 昔、「鉄のカーテン」と言われた時代もあったが、今はこちらが心にを作っているようにも見て取れる。

 自分も以前は何も知らなかったし、
現在は世界のどこに住もうと洗脳からは逃れられない。


 
 そこから自由になる唯一の鍵はだけだ。


 自分には仲の良いロシアや東欧の友だちがたくさんいる。

それはウクライナ戦争が始まってからも変わらない。

 なぜなら彼らがみな愛すべき隣人であることを体験を通して知っているからだ。


 
 会社員時代、平凡過ぎる日常を変えたい一心でロシア語を習い始めた事から全ては始まった。

 なぜロシアなのかと問われれば、子供の頃に見た椎名誠の「シベリア大紀行」と言う特番を見て以来ずっと知りたいと思っていたからだ。


 さて、いざロシア語を学ぶにしても独学だけでは心許ない。 


が、巷に溢れる英会話教室と違い、それを教えている場所は極限られていた。


しかし、情報弱者の自分でもあれこれネット検索していると、語学を教えたい人と習いたい人のマッチングサイトがあるのを見つけた。
 
そこには様々な国から来た外国人が登録していて、意外にもたくさんのロシア人をみつけることができた。
 
 諦めモードから一転、これならいつかロシアへ行けるかもと言う期待と予感に心が踊った。

 とはいえ外国に行ったのはかれこれ30年前のカナダ北米へ一度きり、ましてやロシア人にはこれまで全く会った事はない。

 数少ない情報を漁って見てもいわゆる「おそロシア」なイメージを植え付ける犯罪情報などが目を引くばかりだ。

おまけに言葉も難しそうだし…


まあそれでもおっかなびっくり、とりあえず先生候補の中から二人選んでコンタクトをとってみることにした。

しかし最初の一人目からはなんの反応もなくて少々不安になってきた。

ところが、二人目の留学生からはあっさり「いいですよ」と返事があったので、ビビった割にはちょっと拍子抜けしたのだった。

 

 こうして2013年11月10日、八王子駅近くのスターバックスにて、ロシア語の「駅前留学」がはじまったのだ。

 まさかそれが毎週末の2時間、雪でも台風でも殆ど休むことなく4年以上続くことになろうとは、この時思いもしなかった。

同時にそれは、隣人を理解する事を学ぶための新たな旅の始まりでもあった。

ロシアからの贈り物
 

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