本気の度合い
会社が正しい判断をくだせたことは大きな収穫だった。
まだ自分を必要とするのであれば、その期待に応えようと思う。
教務主任という今の立場は、神経をすり減らすことが多い。
それにしても、なんと自利利他の知らぬ者の多いことだろうか。
いや、理解できなくもない。
誰だってそうだ。
楽な仕事で給料が貰えるなら、わざわざ自己を犠牲にまでして働こうなんて漢は居ないのが常だろう。
我儘を通そうとする人が居れば居るほど、組織という器にヒビが入り、やがては割れて粉々になってしまう。
だが、そういう私だってエゴイストだ。
そして、欲の塊みたいなもんだ。
けれども、「人から頼られる」というのは悪いもんじゃない。
むしろ、「心地良さ」さえ感じられる。
我儘を言う人間が居れば、我儘を聞く人間も居なければならない。
その我儘をまともに聞くか、聞き流すか、いくつかの選択肢から適当な解を選んで、それを次の大問の記述試験に繋げるための良い材料にまで持っていけるかが、上に立つ者の腕の見せどころに違いない。
いずれにしても、「我儘が聞ける人間」は組織に必要であるということは相違ない。
それで「心地良さ」が手に入るなら、継続して職務を全うすることも吝かではない。
『為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の為さぬなりけり』【葉隠】
何だってやればできる。
良い学校にしたいという想い、本気の度合いが会社に伝わり、信頼を掴んだ。
もっと私に委ねてもいい。
私ならやれる。
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