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#小説

アーモンド・スウィート

アーモンド・スウィート

ぞくぞく登校 人志と玲央
 倉岳人志(くらたけひとし)はスマホでリスニングアプリを起動して、英語を聞きながら歩いています。人志は小説や雑誌も朗読アプリを使っています。電子書籍を開きながら歩くのは危ないし、教科書や問題集以外の物をプライベートの時間に見ている暇は自分のはないと思っているので、リスニングできる文章は聞くのが一番楽と考え、毎日何かしら聞きながら登校しています。
「How's everyt

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小説 桜ノ宮⑤

小説 桜ノ宮⑤

紗雪のスマホにピュアフルスタッフの初芝から連絡があったのは、初出勤の前日、花冷えのする夕方だった。
「市川さん、今いいですか」
母親が入居している施設への支払いの件で、今夜、紗雪は久しぶりに父親と会う約束をしていた。梅田で夕食をともにするため、何を着ていくかクローゼットの中からワンピースを選んでいる最中に電話がかかってきた。
「はい、大丈夫ですけど」
黒いスリップにストッキング姿で、鏡台の前にある

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第13話 遭遇と出会いはハラハラドキドキ?

第13話 遭遇と出会いはハラハラドキドキ?

 その日、立花は見慣れない研究所へと足を運んでいた……
 母親に言われてやってきたその場所は、診療所という名目で紹介されたのとはまったく違う、生理物理学研究所だった。
「生理・物理学研究所?診療所じゃないの?」
「うちのかあさん。なぜここに、私を来させたの?」
 数時間前。立花の母、彩花はこんなことを言っていた。
「あなたの、特殊な体質のために診療所へ行ってほしいんだけど……」
「えぇっ。今までの

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短編小説「バレリーナたちの青春―中編」(使い捨てコンテンツと芸術の狭間で)

短編小説「バレリーナたちの青春―中編」(使い捨てコンテンツと芸術の狭間で)

(前回までのあらすじ)東京神田のバレリーナ養成学校に通う理沙は一番できる練習生裕美を励みにしていたが、辞めたい気持ちも半分くらいある。練習後、理沙は控え室で美亜たちとぶっちゃけばなしで盛り上がる。
(リンクはこちら)

(本文)
3日経ったある日、マネージャーの春日部が駆け込んでくる。

「大変だ、今度の公演が中止になったんだ。前売りの売れ行きが悪すぎるんだ」
突然…(というわけでも実はないのだが

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【読書感想文】ナナメの夕暮れ

【読書感想文】ナナメの夕暮れ

ナナメの夕暮れ 若林正恭さん

オードリー若林さんのエッセイ集。

タイトルの意味は、「ナナメが、物事をナナメから見てる感じ、ちょっと冷めた目線とか、冷笑文化」「夕暮れが、日が沈んでいく様子≒終わりが来ている事」という事らしい。若林さんっぽさでもあった(?)熱いものを冷めて見ていることを卒業して、新しい方法で世界を見ていこうとしている、自分との向き合い方についての短いエッセイがいっぱい入っている本

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小説「銀河列車、大阪行き。」

小説「銀河列車、大阪行き。」

 神戸のバーにて。今日も呑みまくった。
 「やれやれ、終電逃しちゃったな」
 世の終電を逃して悲しむサラリーマンたちへ。僕たちの時代になると、もう心配は要らない。自家用車は環境保護の観点から禁止されてしまったが、“闇の銀河列車”が夜明けまで運行されている。銀河列車は呼び出せばいつでも来てくれるし、タクシーのように運賃の上昇を気にする必要もない。

 「銀河列車、召喚っと」
 しかし、面倒なのは、こ

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