フクダユウコ

リッカ・コンサルティング代表 中小企業診断士 さいたまヨーロッパ野菜研究会事務局 農と…

フクダユウコ

リッカ・コンサルティング代表 中小企業診断士 さいたまヨーロッパ野菜研究会事務局 農と食でジモトを面白く。 出版業界13年→中小企業支援機関で17年。経営相談のべ1800件超。農業・食品・飲食・起業関連に興味がある人向けの内容です。

最近の記事

「Farm to Table シェフが愛する百姓・浅野悦男の365日」を読んで

リッカ・コンサルティングのフクダです。 ここ2週間ほど、私とSNSで繋がっているシェフや農家さんの間で話題になっている本があります。 平凡社「Farm to Table シェフが愛する百姓・浅野悦男の365日」 浅野悦男・成見智子著 浅野さんは、私がヨーロッパ野菜に着目するきっかけになった農家さん。「情熱大陸」や「ザ・プロフェッショナル」に取り上げられたこともあり、レストラン向け野菜を作っている農家やシェフで知らぬものはいないくらいの超有名人です。成見さんも「ヨロ研」の取材

    • 街の本屋さんが生き残るため、本当に必要なこと~後編・出版界全体の生き残り策~

      リッカ・コンサルティングのフクダです。 前回は「街の本屋さん」が置かれている出版界全体の状況についてお話しました。 今回は「じゃあ、具体的に何をすれば本屋さんを残せるの?」というお話です。 何を残したいのか? 私は今、農業や食関連のコンサルティングをメインにしているのですが、農業の世界でも「農業者の減少」や「耕作放棄地の増加」が問題となっています。そこで関係者とよく話すのが「本当の問題はなにか」「何を優先的に残したいのか?」ということ。 具体的に言うと、農地を残したい

      • 街の本屋さんが生き残るため、本当に必要なこと~前編・出版業界の裏事情~

        リッカ・コンサルティングの福田です。 ここ数日、話題になっている「経産省が街の書店の経営支援に乗り出す」というニュース。 SNSでは「役人が書店経営の指南なんてできるか」「ブックカフェなめんな」的な意見が多いようです。 さらに「10年間で書店764社が倒産・廃業」というニュース 私は1993年に当時の出版取次(卸)最大手・トーハンに就職して13年間、バイヤーや書店向けリテールサポートのお仕事をしていました。 中小企業診断士となって退職後も、業界に残る同僚や先輩たちから話を

        • 沈丁花と、樹木の寿命の話

          リッカ・コンサルティングの福田です。 仕事柄、いつもは野菜の話ばかりしていますが、植物全般が好きです。 特に沈丁花(じんちょうげ)の花は、特別に好きな庭木で、毎年咲く時期を楽しみにしています。 ところがこの沈丁花、昔はよく庭木で植えられていたのに、最近はめったに見かけなくなりました。 うちの同居人は庭師なので、よく庭木の話をします。以前、こんな話を聞きました。 沈丁花の思い出と寿命 あるお宅から「家を建て替えるから、庭木を移植したい」とのご依頼があり、伺ってみると沈丁花

        「Farm to Table シェフが愛する百姓・浅野悦男の365日」を読んで

          値段ってどうやって決めればいいの? 価格の決め方には3つの方式がある

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 今回は「価格」のお話。 先日、とある食品会社の社長さんから経営相談を受けました。材料の仕入価格も人件費も上がっていて、利益が出ない。どうしたらよいでしょうか?というご相談でした。 商品のラインナップを見ると、どれも量が多くて価格が安い。少人数の家族ではとても食べきれないような量だったので「この量と価格って、どうやって決めたんですか?」と伺いました。すると「先代の頃からこの価格と量です。まわりの会社も大体それぐらいなので、合わせなきゃ

          値段ってどうやって決めればいいの? 価格の決め方には3つの方式がある

          「自腹」で学習したことが将来の自分につながる

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 今日は「自腹」のお話。 知り合いからも、ちゃんと買っています 農業や飲食に関わる仕事をしていると、いつも「タダ」で商品をいただいたり、食事していると見られることがあります。 私は基本的に、知り合いであっても「自腹」で農産物や食品を買いますし、食事も当然、正規の代金をお支払いします。 よく、農家さんからは「言ってくれればタダであげるのに」と言われますし、ご厚意でおすそ分けをいただくこともありますが、できるだけ定価で購入します。その理

          「自腹」で学習したことが将来の自分につながる

          50代でコンサル起業1年目の収支、会社員時代とどう変わった? 

          リッカ・コンサルティングの福田です。 2023年4月に中小企業診断士として独立して、12月末で1期目を終えました。 (個人事業主なので、暦年で1期目をカウントしています) 以前の記事でも書きましたが、独立前は「独立してちゃんと食べていけるだろうか…」と不安でいっぱいでした。 こちらの記事の反響が結構ありまして、最近、独立を目指す方からご相談を受ける機会が増えました。今回は2023年の収支や気づいたことなど公開します。 総収入は会社員時代より約100万円のマイナス まず収

          50代でコンサル起業1年目の収支、会社員時代とどう変わった? 

          仕事を受ける、受けないの判断基準

          中小企業診断士のフクダです。2024年初記事です。 年末年始は毎年恒例、狂った量のおせちを作っていました。(仕事ではなく趣味です) 独立したばかりの2023年、おかげさまで何とかお仕事が繋がり、正月の餅も買うことができました。 最初は「お声掛けいただいた仕事は断りません!」的なモーレツ営業をしていたのですが、9月に仕事を受けすぎてパンクしかける失態があり、今は仕事量をセーブしています。 https://note.com/witty_peony490/n/n175534a

          仕事を受ける、受けないの判断基準

          「最近の若い人は○○だから△△すべきだ」の不毛

          中小企業診断士のフクダです。 これまで、市場が縮小している業界の関係者にお話を伺うと、共通してよく聞かれる言葉があったのです。今日はそのお話。 日本茶業界の悩み 狭山茶をご存知でしょうか。「色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす」という有名な茶摘み唄があります。 埼玉県の狭山丘陵を中心に広がるお茶の産地で、埼玉県の地域ブランド認知度ランキングでは、深谷ねぎと並んで常にトップクラス。 ところが近年、お茶の価格が低迷し、お茶の栽培をやめてしまう茶農家さんが増えています。

          「最近の若い人は○○だから△△すべきだ」の不毛

          農産物直売所オタクは、売り場のココを見ている

          中小企業診断士のフクダです。 私は今、食に関連するコンサルティングのお仕事をしていますが、元々は料理好きな消費者として30年以上、全国の農産物直売所や道の駅、朝市などでお買い物しまくってきました。 今でも仕事やプライベートで地方を訪れると、必ずその地域の農産物直売所を訪れるようにしています。長年にわたり農産物直売所に通い続けるうちに、農産物直売所をざざっと15分も見れば、その地域の農業や食文化、地域活動の特徴が分かるようになってきました。今日はそのお話。 野菜・果物売り場:

          農産物直売所オタクは、売り場のココを見ている

          コンサルティングの「瞬発力」と「持久力」

          中小企業診断士のフクダです。 先日、定期的に参加している中小企業診断士の勉強会で、先輩コンサルタントからこんなことを言われました。 「フクダさんは話を聞きながら、その場で対応策をアドバイスするのに慣れているけれど、経験の少ない方には難しいかもしれませんね」 私は中小企業支援機関で20年近く相談を受けてきたので、その場で話を整理してアドバイスするのは「当たり前」だと思ってきたのですが、考えてみるとコンサルタントの仕事や能力って「瞬発力」と「持久力」の両方が求められるのです。今

          コンサルティングの「瞬発力」と「持久力」

          田んぼでティラノサウルスレースを開催したら、めちゃくちゃ楽しかった話

          中小企業診断士のフクダです。 私、独立したら絶対やってみたいと思っていたことがありました。それは、ティラノサウルスレース。 今回は全くノウハウもないままにティラノサウルスレースを開催してみた顛末記です。 ティラノサウルスレースって? アメリカが発祥らしい、です。色とりどりのティラノサウルスの着ぐるみ(空調服みたいなモーターがついてて膨らむ)を着て走る。それだけのレースです。 私は昨年、たまたまYoutubeで鳥取・大山のティラノサウルスレース動画を見かけて、なんてバカバ

          田んぼでティラノサウルスレースを開催したら、めちゃくちゃ楽しかった話

          人材で困らない中小企業は何が違うのか調べてみたら、経営者の姿勢に明確な違いがあった話

          中小企業診断士のフクダです。 私の専門分野は食や農関連ビジネスの経営戦略やマーケティング、ブランディングですが、最近は人材関係のお悩みもよく伺います。特に飲食業やサービス業の人材不足は深刻です。 そんな中でも「特に人材には困っていません。募集すると結構な数の応募が来ます」という企業も一部にはあります。 この半年ぐらい「この違いはなんだろう」と思って詳しくお話を聞いて回りました。その結果、経営者の考え方が、同業で求人に困っている企業とは明らかに違う点がいくつかありました。 今

          人材で困らない中小企業は何が違うのか調べてみたら、経営者の姿勢に明確な違いがあった話

          コンサル独立して半年、仕事がパンクしかけて気づいたこと

          中小企業診断士のフクダです。 2023年4月に前職を退職し、中小企業診断士として独立して半年。 先日早くも「いかん、このままではパンクする・・・」と思う出来事がありました。 まだ6ヶ月、仕事の件数だって収入だって大したことはありません。 なぜこうなった。今回は反省文です。 思った以上に仕事をいただいた ありがたいことに、独立後思った以上のお仕事をいただきました。企業顧問とよろず支援拠点という継続的なお仕事に加え、スポットでのコンサルティングや講演、グループコンサル、調査研

          コンサル独立して半年、仕事がパンクしかけて気づいたこと

          デザイナーにロゴと名刺を作ってもらったら、色々と勉強になった話

          中小企業診断士のフクダユウコです。 2023年4月に独立開業して、やりたい仕事を全部引き受けていたら、名刺の種類がえらいことになっていました。 それぞれの名刺を5,6枚だけでも30枚以上になってしまうので、名刺入れは常にパンパン。先日ついにスナップがぶっ壊れました。 にも関わらず…お気づきでしょうか。 さんざん悩んで決めた「リッカ・コンサルティング」という屋号の名刺がなかったんですよ。 というわけで、今回はロゴと名刺をプロのデザイナーに作ってもらった話です。 おそれな

          デザイナーにロゴと名刺を作ってもらったら、色々と勉強になった話

          農業とブランディング~ブランディングは「ズル」じゃない

          中小企業診断士のフクダです。 だいぶ更新をサボっていたのですが、意外とブログは読まれているようなので再開します。今日は「農業とブランディング」について。 こちらの記事の続きです。 ブランディングに関する誤解 私は小規模~大規模、有機農法・慣行農法、農業団体やグループなど、さまざまなタイプの生産者から相談を受けています。 特に若い生産者や自治体、農業団体の方からは「どうやってブランド化を進めればよいですか?」というご相談が多いです。詳しく話を伺うと、自治体の予算を使ってか

          農業とブランディング~ブランディングは「ズル」じゃない