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ワイン知らずのワイン談義

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ワイン知らずのワイン談義:最終回 ワインと所得とキリストの奇跡

ワイン知らずのワイン談義:最終回 ワインと所得とキリストの奇跡

耳を肥やすとか目を肥やすといいますよね?良い音楽を聴いて音楽に対する感性をみがく。あるいはルーヴルやオルセーに行き古今の質の良い絵画や彫刻を見て美的教養を高める。

同じことはスポーツや劇などにしても同じこと。陶磁器や書でも同じ。

となるとワインでも良いワインに馴れないといけない。でなければ本当に良いものは分からない、という論法がなりたつ。だけど、これは誰にでもやれるものじゃない。

音楽は複製

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ワイン知らずのワイン談義:鴨料理とワイン

ワイン知らずのワイン談義:鴨料理とワイン

今日は鴨料理を作ってみました。作り方は簡単。鴨のもも肉にバターを一切れ乗せ、まず肉側を上にして20分ほど焼く。温度は高くて190℃です。20分を過ぎたところで一度取り出し(火傷をしないように)もも肉をひっくり返して皮の部分を上に。ここでハチミツを少し表に塗り、水で薄めたハチミツをもも肉周りに注ぎます。量はほんの少し。容器の底に満遍なく回ればオーケー。ブドウの果汁もでるので液が多すぎると面白くないこ

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狂歌・ワイン知らずのワイン談義:カエルと言う名のワイン

狂歌・ワイン知らずのワイン談義:カエルと言う名のワイン

昔々その昔、まだ日本の景気が上向きで少々日本人が傲慢になっていた時代、、、そう、リーマンショック前の話です。日本の大手飲料メーカーが日本人にボージョレヌーヴォーを鯨飲させようとやっきになってコマーシャルやマーケティングをやり、営業も大動員。結果、安ワインは高級ワインに姿を変えて日本中で大いに売れました。で、「よくやった営業員!」とばかりに、成績の良かった社員を大勢ブルゴーニュに送り込んだことがあっ

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狂歌・ワイン:ニースの食べ物

狂歌・ワイン:ニースの食べ物

白ワインのことでいろいろ思い出すことがありました。特にニースでの話です。ニースにはデリケートな料理がいくつかあって、そのうちの一つがオリーブオイルとレモンで〆たイワシとかカタクチイワシ。市場で安く買える料理だったのを覚えています。あとは有名なクルジェット(ズッキーニ)の花のベニエ(天ぷら)。それと生のパット・フレッシュ(生パスタ)とかピザも美味しかった。ニースのピザはソフィア・ローレンが自分で書い

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映画・聴読・ワイン

映画・聴読・ワイン

写真のワインはシャトーヌフ・ドゥ・パプです。ヴォクリューズ県の産地だからジゴンダスと同じ県ですね。瓶に浮彫が入っているのも、フランスのワインとしてはこの二つだけかと思います。産地は南仏と言っていいのか、ま、南のアヴィニヨンとかオレンジ、ニームとかに近いところです。で、これをね、映画Zuluを見ながら飲んでいました。ソシソン(と書くんですか?フレンチのソーセージ)を食べながら。このズールーという映画

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ワイン知らずのワイン談義:シャブリを買ってみた

ワイン知らずのワイン談義:シャブリを買ってみた

クラブ・デ・ソムリエのワイン
今日はシャブリを買ってみた。カジノといういつも行くスーパーのワイン売り場で見つけたもの。Le club des sommeliersのおすすめ。このクラブ・デ・ソムリエというのは大規模店舗であるカジノのワイン部門であるらしい。ワイン専門家の集団でワインの評価や買い付けをしている。そこのおすすめということ。ちょっと疑い深くなるけど、どうなんだろう?買ってしまった。16ユ

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ワイン知らずのワイン談義:ソッカでもどう?

ワイン知らずのワイン談義:ソッカでもどう?

前回はワイン業界の裏話だったけれど、どうも後味が悪い。要は高価なワインはうまいし安全。安ければ、もう合成品としか言いようのないしろもの。そこそこの品質でそこそこの価格をそこそこの所得者が飲むという、きわめて寂しい状況がワイン業界。あまりにも悲しい。これなら日本の焼酎でも飲んでいたほうがよほど賢明だ。フランスでもワインの消費量が落ちて夏はビールということらしいし、ワインを飲むにしてもフルーティなわか

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ワイン知らずのワイン談義:ワインの中に毒!

ワイン知らずのワイン談義:ワインの中に毒!

こないだボルドー系の赤で、あまりにも卵白の味が強いのでちょっと検索をかけたら、赤ワインの製造工程で卵白清澄と呼ばれる工程があり、澱を取り除くことを学んだ(そんなことも知らないシロートです)。しかし17ユーロほどを払ったのにこの味はないよと腹が立つので、さらに検索続行。すると『ワインの中の毒』("Le goût des pesticides dans le vin" 直訳すると『ワインの中の殺虫剤の

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ワイン知らずのワイン談義:モンラシェ Montrachet

ワイン知らずのワイン談義:モンラシェ Montrachet

モンラシェという白をとつぜん思い出す。ニースにいたころ近くのセルジュの店でよく買っていた。そうだ、白を飲んだ時代もあったんだ。忘れるところだった。セルジュはがっちりした体格の、背は低く腹の出た、いかにも商売人風の男だった。年は私と同じくらいであったはずだ。私には笑顔を絶やさなかったが、業務用のワインを扱っていたのか、あまり個人客には興味がないという風だった。ウナギの寝床と言うにふさわしい奥の深い長

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ワイン知らずのワイン談義:ウルグアイの赤

ワイン知らずのワイン談義:ウルグアイの赤

(上の写真:左からボルドー、ブザ、シャトーヌフ・デュ・パップ)

恵白さんが魚には赤を取るというコメントを書いてくれ、いささか元気づけられた素人ワイン批評家、いよいよ調子に乗って・・・

ワインの話ばかりして実際に飲まないのはまずいんじゃないかと台所の物入れからボルドーらしいのをひょいと取り出して栓を抜く。ン?待てよ、これはボルドーじゃない。似てるけど瓶の形が少し違う。よくよく見ると・・・ウルグア

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フランスに住んでワインを知らない日本人のワイン談義(生意気にも)

フランスに住んでワインを知らない日本人のワイン談義(生意気にも)

フランスというとワインが思い浮かぶくらいだからスーパーやハイパーでピンからキリまで簡単に買えます。秋口だとワインのバーゲンなんかをよくやってますね。二コラみたいな専門店もプロモーションをやるし。私はアルコールには弱いのでワインもそれほど飲みません。一度にワイングラス三杯が限界。いつも食事と一緒です。

ワインはそうですね、ボルドー、ブルゴーニュを主に。あくまで個人の経験値ですけどボルドーは当たりは

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ワイン知らずのワイン談義:革ジャンの初老男

ワイン知らずのワイン談義:革ジャンの初老男

確かパリのレストラン、いや違ったか、ニースとか南仏だったのかな。そうそう、男性がその感じだったからニースに違いない。かなり流行っているポピュラーなブラッスリで飯を食っていたら革ジャンを着た初老の男が若く派手な美人といっしょに入ってきた。どうやら常連客らしく店の奥のテーブルに案内されるまでもなく腰を落ち着ける。他の客はそれとなく二人を観察しているのがわかる。若く派手な美人と初老の男の組み合わせは南仏

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