【マネジメントTips】「成長」を促す良いFBとはー経験学習における内省との関わりー
職場において、他者(上司/同僚/部下)からのFBを受ける機会はどれくらいあるだろうか。
最近は、1on1 MTGなどが流行っていることもあり、上司との時間も増えているのではないだろうか。
前回の記事でも言及したが、
社会人となってからの成長を左右するのは、
職場における経験の「量と質」及び内省である。
※経営コンサルタントであるマイケル・ロンバルドとロバート・アイチンガーによると、社会人になってからの成長に関する調査では、
学習の70%は「実際の仕事経験」によって、20%は「他者との社会的なかかわり」によって、10%は「公的な学習機会」によって起こるとする「70:20:10フレームワーク」がある。上記を踏まえると、学習の70%を占める仕事経験から上手に学べるかどうかが、成長の角度を大きく変えていく。
とある。
上記のような中で、経験の質を高めるための「他者からのFB」は、非常に重要な役割を果たす。
今回は、どのような他者からのFBが、経験の質を高め、成長を促進するのかを整理してみたい。
▽他者からのFBの重要性
まずは、他者からのFBの重要性について。
この他者からのFBの重要性を示す主張は、様々な方面からされている。
たとえば、
かの有名な※1万時間の法則についても、以下のようなことが言及されている。
一万時間の法則には、前提条件がある。その一つに、以下のように適切なFBを受け続ける事があげられています。
Ericsson教授の研究チームは、最も効果的な練習方法として「計画的訓練」を掲げています。習得しようとしている重要なスキルに集中し、知的なフィードバックを受けながら何度もそれに取り組むという方法です。このアプローチはさまざまな分野で効果を発揮します。※lifehackerより抜粋
結論としては、
ただやみくもに訓練(業務をこなす)するのではなく、
「他者からの知的なFBがあることで物事は上達する」ということである。
※上達したい事柄に1万時間の訓練を積めば一流になることができるという理論
また、人材育成においてよく参照される「経験学習理論」においても、
成長サイクルの一つである「内省」を促す手段として、他者からのFBは非常に重要な一つとしてあげられている。
▽良いFBとは、どのようなFBなのか
では、良いFBとはどのようなFBだろうか。
私自身が受けたFBやこれまでの経験、読書から整理した良いFBを整理してみた。
◯タイミングが適切である事
同じFBにおいても行為の1週間後では効果が薄い。行為を行った直後に直接FBをしてあげることが大事。
◯次につながる学びを得られる問いがある事
・次に類似事象が発生したときになにが準備できるか、なにに気をつけるか
・上記は理想論ではなく、現実的に可能か。
・可能でないとすればなにが足りなかったか。
※ただのダメだしでなく、あくまで次に繋がることが大事。
◯バランスの良いFBである事
お互いが不完全な人間同士であることを改めて認識しておく事。
ネガティブなFBばかりだと、正論であっても聞きたくないのが本音。
ポジティブな部分もしっかり伝えて、ネガティブなFBについても伝える事が大事。
◯FBを終えた後に期待を伝える事
FBが終わった後に次回に向けて前向きな姿勢になっている事がゴール。次回への期待をしっかり伝えること。
◯内省を促す質問がある事
行為の主体者が「考える事」が大事。ティーチング(正解と思われる事を教え込む)のではなく、コーチング(相手から引き出す、考えてもらう)メインでの質問がある事が大事。
◯「再現性がある学び」として言語化を促す事
自己の経験を振り返る中で、経験の言語化/構造化を促し、再現性のある成功体験/失敗体験として学びを得られる事。
再現性が従事される理由は、言語化を行い、再現性が担保される事で、「仕組み化や型化が可能になり、他組織への展開が可能」となる。
▽参考書籍
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