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シュガーラッシュオンラインに見る、自分の本音に気づくとき

シュガーラッシュオンラインを観た。
オンラインでない方を観ていないから、その前にどんなことがあったのかは知らないけれど。
インターネットの世界を舞台にしたその物語はどこかサマーウォーズのようで、異世界をのぞき見したような感じだ。

CMで流れていた部屋着プリンセスのシーンでプリンセスが見られることを期待して観た本作で、そのシーンはとても大きな役割を果たしていた。
プリンセスが夢を語るとき、スポットライトが当たり音楽が流れるという。
それをきっかけに「自分の本当にやりたいこと」を訊ねられて、初めてそんなことを考えたみたいに困惑する主人公ヴァネロペ。
ここには自立のストーリーと"自分の人生を生きる"ことがテーマとして描かれているように感じた。

大きな男のラルフとは、親友ながら親子みたいな関係を持つ。
ラルフと一緒にいることと自分のやりたいことの間で揺れるヴァネロペは、親離れの物語のように見受けられ、またラルフから見たヴァネロペに近くにいてほしい・変わることへの抵抗感は子離れしきれない親からみた視点のようだ。

きっと人は、ある地点まで「自分がどうしたいか」とかそんなに考えなくて、それを問われたときに初めてその概念や視点・考え方に気が付くのだと思う。
その段階に遅い・早いはとってもあって、誰かの願いを優先し続けるのが当たり前になっていると、「自分がどうしたいか」なんてずっとわからないまま過ごしてしまう。
問われたこともないし、考える必要があることともあまり思えない。
生きてきた中でずっと求められてこなかった要素を急に問いかけられても、なんだか困ってしまうから。

意識して考えないと、誰かの願いは自分の願いかのように錯覚してしまう。
それは悪いことではないし、もしかしたらそれも本当に自分の願いの一部かもしれないけれど、一度本当にそうなのか考えて納得した上で進むのと、なんとなくお願いされたことをそのままやりつくすのとでは、生じる満足度が違ってくるのだと思う。

問いを与えられたことで初めて気が付くことって、きっとある。
これまで蔑ろにしてきたその視点に気が付くことで、一時的に苦しくなってしまうことはあるかもしれない。
だけどその視点を考え優先してみたその先に、心から納得できる未来が待っている。

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