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Loloの風変わりな旅行のお話
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アレクサンドリアの「眺めのいい部屋」〜A Room with A View in Alexandria〜

アレクサンドリアの「眺めのいい部屋」〜A Room with A View in Alexandria〜

 1915 年 11 月、アレクサンドリアに到着。

 イギリス人作家のEMフォスターは 36 歳でした。すでに『眺めのいい部屋』や『ハワーズ・エンド』など 4 冊の小説を出版しています。

 蒸気船で地中海を超えてこの地にやって来たのは、第一次世界大戦で兵役から逃れるために赤十字に志願し、アレクサンドリ赴任が決まったからです。与えられた任務は、只今勃発中の悲惨なガリポリの戦いで行方不明になってい

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ローローDoing! - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? 🈡 (イギリス)

ローローDoing! - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? 🈡 (イギリス)

「ビルマは大変だね、ビルマは大丈夫かい?」

ホームステイ中、ホストファミリーのスミス夫妻に連れられて、頻繁に誰かのホームパーティーや晩餐のお呼ばれに出かけていたのだけど、いろいろなイギリス人にやたらとビルマのことを尋ねられたの。

この年はビルマでは、8888民主化運動と呼ばれる国民的な民主化要求運動が巻き起こっていて、大勢の僧侶や一般人がビルマでは軍に殺され、世界的ニュースになっていた。

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ローローDoing! - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? ③ (イギリス)

ローローDoing! - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? ③ (イギリス)

私の朝食を寝室ドア前まで運んでくるのは、執事さんの役目だった。

だけどね私の寝室ドアの真ん前で、そのトレーは女性のメイドさん(スタッフさんて呼ぶべきかな)にバトンタッチ。

そう、中に入って来て寝室の中のベッドまで、朝食を持ってくるのは女性スタッフさんだったの。

朝食の中身はコーンフレークとベーコン、ゆで卵、そしてヨーグルトにジュースと紅茶が定番だったのだけど、毎朝ね、ベッドでのんびりいただい

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ローローDoing! - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? ② (イギリス)

ローローDoing! - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? ② (イギリス)

198○年の7月20日④

「ええと、1イギリスポンド約230円っと...」

八年ほど前までは1イギリスポンド約530円もしたんですって。その頃だったら、十万円のお小遣いもあっという間に消えたでしょうし、今回のイギリスホームステイツアー参加費用ももっとかかったかもね。

そもそも198○年の今だって、JALの格安航空券なんてないでしょ。

海外旅行や留学ってどの時代のどのタイミングで行くか、によ

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ローローDoing!  - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? ① (イギリス)

ローローDoing! - ホームスティ先は貴族のお屋敷!? ① (イギリス)

高校一年生だったローローの日記:

198○年の7月20日①

ロンドン行きのJALのジャンボ機!

興奮して飛行機の窓から翼の写真を十枚以上も撮っちゃった!

フィルムは10本しか持って来ていないけど、足りるかな。でもイギリスにも富士フイルムもサクラ(コニカ)フィルムもきっと売っているよね。

あ、なんで高校一年生の夏休みにロンドンに行くことになったかといえばね、

全学年の英語成績優秀生徒11

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"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)終 -そして砂漠の国から森の国(東欧)へ

"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)終 -そして砂漠の国から森の国(東欧)へ

【ゲイの徴兵君カップルの横で】

"夜"深き 隣は何を する人ぞ

イチャイチャ、イチャイチャイチャ...

どうしてもちらほら見ずにはいられない。

通路を挟んだ横の徴兵君二人組だ。腰を滑らせ深く座り、背もたれで後ろからは一切何も見えないようにしながら、ずっとイチャイチャしている。

時折、私の耳に入ってくる彼らの忍び声が、情熱的でなかなか赤面もの...。二人は瞳をうるわせ見つめ合いや囁き、手を

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"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)⑤ -死海に現れた、透視能力者!

"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)⑤ -死海に現れた、透視能力者!



【死海は塩湖】

「死海では身体が浮くから、『人魚姫』の話はこの水では成立しないね」

私が笑ってそう言うと、ヒロミさんは

「はぁ? 何言っているの。もともと人魚姫なんて実在しないじゃない」

と小バカにするように笑った。

...

あーあ、この前にイスラエル側の死海に行った時が懐かしい。だってヒロミさんが一緒ではなかったから!

イスラエルとヨルダンの国境にまたがる死海は、ヘブライ語で塩

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"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)④ - ペトラ遺跡のローマ時代遺物商売!

"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)④ - ペトラ遺跡のローマ時代遺物商売!



【ローマ時代のコイン(お金)はいらんかい?】

「ローマ時代のコインはいらんか?」

ペトラ遺跡を歩いていると、赤白チェック色ターバンのベドウィンの老人に声をかけられた。

老人に見せられた巾着袋の中には、ローマ時代(紀元前63年以降のはず) のお金のコインがじゃらじゃら入っていた。

エジプトでは、"博物館"で展示させているローマ時代のコインを百回以上は見ている。だから何となく分かるのだが、

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"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)③ -赤いシリーズ: 赤い激流/迷路/絆/衝撃

"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)③ -赤いシリーズ: 赤い激流/迷路/絆/衝撃



窓口になっているエジプト側パスポートコントロール。

【赤い激流】エジプト出国手続きを済ませると(←簡単過ぎるほどあっさりだった、何も聞かれず何も質問されず、スタンプだけぞんざいに押され「次、Next!」でおしまい...)、

今度はバスごと船に乗って紅海を渡った。

その時の興奮といったら!

大変なのは分かっていたけれども、やっぱり飛行機ではなく陸路でエジプトからヨルダンに入ってよかった

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"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)② -長距離バスの個性的な顔ぶれ

"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)② -長距離バスの個性的な顔ぶれ



【タイムトラベラー】

テトリスでもやって時間潰しをしよう...

一回目の休憩を終え、またバスが動き出した時だった。ゲーム機をかばんから出そうしていると、

「ねえ、君たち日本人だろう?」

私の真ん前に座っていた白人の青年が突然振り返って、話しかけてきた。

「君たち日本人は、イタリアやスペイン人のような時間を守らない人種をどう思う?

あいつら、出発の時も大幅に遅刻して、休憩の後もまた大

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"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)① -気が合わない旅友、「しまった!」

"危険"な女ふたりの旅(ヨルダン)① -気が合わない旅友、「しまった!」



↑こんなところで突然降ろされました

「降りてくれ、バスが壊れた」。

は?

それはヨルダン旅行の帰りだった。

ヨルダンでは物理的には何ごともトラブルは起きず、国境を越えてエジプト側のシナイ半島に戻った後だった。

長距離バスに乗っていたのは、わずか3人の外国人だけで、私と友人のヒロミさん(仮名)と見知らぬイギリスの青年だった。

「バスが動かなくなったから、全員ここで降りてくれ」。

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美味しいマルタ島、優しいマルタ人

美味しいマルタ島、優しいマルタ人



「メルハバ!」

日曜日...

マルサシロクという港町の市場に出かけると、売り子たちだけではなく、通行人たちもニッコリ微笑んで挨拶をしてくれた。

メルハバはマルタ語で"ウェルカム"。

シリア・レバノンのアラビア語でウェルカムはマルハバといった。結構、おそろしいくらいにマルタ語とアラビア語は似ているかも。

マルタのマルサシロクの日曜市場には1000以上のテントが並び、食料品をはじめ電化製

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マルチーズキャット(マルタ島の猫)② 『Cat😺Villageってなに?』

マルチーズキャット(マルタ島の猫)② 『Cat😺Villageってなに?』



猫天国に見えるマルタにも、やはり様々な気の毒な猫問題がありました。

そこで一匹でも猫を助けたい、と日々頑張っておられた個人保護ボランティアのローサさんが運営するCat Villageと、

国が運営する猫愛同志が集まったNational Cat Societyそれぞれに、猫保護奮闘についてお伺いしたお話です。

【観光客も地元民も支えるローサお婆ちゃんの猫愛 - Cat Village😻】

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マルチーズキャット(マルタ島の猫)① 『一体何回...!』😽

マルチーズキャット(マルタ島の猫)① 『一体何回...!』😽



朝七時

アパート前の港に行くと、漁を終える漁師達を待ち侘びる猫達の姿が必ずそこにはあった。

漁舟が戻って来るのが分かると、一斉にもっと猫達が集まって来る。

そして漁師らが網にかかった魚の仕分けを始め、売り物にならない魚を猫達に投げて行く。

ちゃんと見ているようで、後ろに追いやられ自力で魚をキャッチできない弱虫猫達には、手で直接渡してやっている。

猫達がどのくらい魚のおこぼれを貰えるか

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