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或る若者の思索

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私が日常生活の中で感じた何気ないことを、日記よりちょっとだけ推敲して書いてます。
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#人生哲学

無欲であれ

無欲であれ

 欲しいものがない、やりたいことがない。

 そういう若者ははたしてタイマンなのだろうか。娯楽が多様化しすぎた今、逆に無欲がブームになったっていいはずである。勝つまで欲しがらないその姿勢は、かつてお前たちが賛美した"うつくしい”日本人の理想像ではないのかと問いたい

 若者はけっして"無欲"ではない。確かに野心的ではないが、決して無欲ではない。なんなら、アンタら世代よりよっぽど論理的であるし、水面

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ちょっと無理をして

ちょっと無理をして

 人は皆、その程度に大小あれど、絶対に「無理をしている」と思うんですよ。希死念慮を抑えながら学校に行っている子供だって居るし、生活のため社会の畜生と化したオトナもいる。
 私が嘆きたいのは、そんな無理をしてまで頑張らなくても(😭)ということではなく、無理をしなければ生きられないということである。

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 転職活動をしたとき、私はかなり"無理を"していた。言うまでもないが、就活生側はまるで地を這

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ひとりで大体できるもん

ひとりで大体できるもん

 『おひとり様』という言葉がなんの弾みか流行語大賞に選出された輝かしい時代があった。伝説の少女こと観月ありさが同名のドラマに出ていたのを覚えている。今のこの息苦しい時代ならば、ネットの片隅でボヤ騒ぎが起きそうだ。

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 「ひとり」というのは恥ずかしいことか、否か。
 ひとりというのは安易に孤独に直結しかねない不安定な状態なのか。それとも、何者からも束縛されず自分の生きたいように生きられる解放的

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ニートになれない

ニートになれない

 なにをするにしても、"向き不向き"というものがある。内向的な人間に飛び込み営業は出来ないし、陣内智則に漫才はできないし、太刀使いにヘビィボウガンは使えない。生まれ持った才能や資質というものは概して人生の選択肢を狭めることが多い。

 ニートになるということもまた、資質を伴うものだとここ2か月で感じた。

 誰にでもできそうで誰にでもできないのがニートである。何故ならニートをするためにはある程度の

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我が生涯に一片の

我が生涯に一片の

 「恥の多い生涯を送ってきました」で有名な『人間失格』の葉蔵は作中で26歳だとされている。20半ばの分際で恥の多い生涯だと自称できるなんて、どれほど放蕩無頼な人生を送ったのだろう(私自身は人間失格を未読なので詳しくは知らない)。

 恥の多い生涯だと決めつけるには、あまりにもまだ私たちは若い。恥ずべき生涯であったかどうかなんてことは、地獄で閻魔大王が謁見なされるその時に初めて決定することで、むしろ

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