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知識の都、本棚。

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諸君!忌々しきクリスマスは焼き討ちじゃ! 知識の都、本棚。#10

「四畳半タイムマシンブルース」で話題の森見登美彦さん。

今回は、森見登美彦さんのデビュー作ともいえる作品、「太陽の塔」を紹介する。

〈プロフィール〉#1で紹介した「太陽と乙女」を買った時に、隣にあった本。

森見さんの処女作だということは知っていたので、この機会にと手に取った。

最初の一文を見た瞬間、購入を決意した。

〈解説〉「何かしらの点で、彼らは間違っている。なぜなら、私が間違っている

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彼らから、目を離せない。いや、離してはいけない。 知識の都、本棚。#9

このシリーズのトップバッターである「太陽と乙女」に続き、森見登美彦さんの本を紹介する時がやってきた。

今回は、新作である「四畳半タイムマシーンブルース」を紹介する。

〈プロフィール〉先月、発売はまだかまだかと待ちわび、書店に並んだ途端に購入した新刊。

森見登美彦さん著で、他に持っている本に「熱帯」「夜行」「太陽と乙女」「夜は短し歩けよ乙女」「ペンギンハイウェイ」「四畳半神話大系」「四畳半王国

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夕暮れ時の夏の庭で、僕らは。 知識の都、本棚。#8

※学校で本を推薦する機会があり、その時に書いた文章です。一部加筆・修正があります。

僕が紹介するのは、湯本香樹実さんの「夏の庭」です。

「夏に読みたい本」と聞いて、まずピンときたのがこの本でした。

6月のある日。主人公で小学生6年生の木山は、クラスメイトの山下が祖母の葬式に出席した、という話を聞き、「死」について考えるようになります。

そこにやってきたのは、眼鏡がトレードマークの友達、河辺

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二重ミステリ構造 知識の都、本棚#7

今回は、前回の続きです。

前回を見ていない方はそちらを先に見ておくと、より楽しめます。

前回「都会のトム&ソーヤ」に出てくる愉快な敵や仲間たちを見てきましたが、今回はそんな個性豊かなキャラクターが溢れる本書の魅力を紹介します。

それでは!Are you ready?

〈解説〉彼らは冒険をしすぎている。

創也の「究極のゲーム」RRG=リアルロールプレイングゲーム(リアル脱出ゲームのようなも

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彼らの辞書に「平凡」の二文字はない。 知識の都、本棚#6

今回でこのシリーズも6回目。

今まで最近読んだ本や深い小説について語ってきたが、今回は中学生に人気で、現在進行形のシリーズ、「都会のトム&ソーヤ」を紹介する。

時間の都合上、今回は登場人物とあらすじを僕なりに書く。

自分の感想などは明日に回すので、そちらも是非見ていただきたい。

〈プロフィール〉小6から読み始めて、16.5巻まで進んでいる。(2020年7月15日現在)

あまりにも好きなの

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Be kind,Be brave! 知識の都、本棚。#5

第五回を迎えた今回は、悩みに悩んだ末、出すことを惜しみつつ、辻村深月さんの「かがみの孤城」を紹介する。

〈プロフィール〉「本屋大賞」という存在に気づき、それ以降本屋大賞に興味を持つようになったきっかけの作品。

辻村さんの本で他に持っているものに「島はぼくらと」がある。

〈解説〉学校に行かない人たち。

それは社会から常に遠ざけられてきた。

「不登校」という三文字が足枷になり、行動を制限され

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小説家。時々コックと異星人。 知識の都、本棚。#4

このシリーズも早くも第4回となった。

マンネリ化しないようにと、今回選んできた本は三浦しをんさんの「舟を編む」。

〈プロフィール〉中学生になったか、なってないかくらいの時に購入した本。

この時期からたくさんの小説を読み始めた。

読んでいた時のドキドキは今でも忘れられない。

〈解説〉馬締という人間の、これほどまでに面白い生き様を見ることができる私たちは、なんと幸せなのだろうか。

まずは、

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だから数字は美しい。 知識の都、本棚。#3

第三回となる今回は、小川洋子さんの「博士の愛した数式」を紹介する。

〈プロフィール〉中学1年の初学期に購入し、僕の小説好きに火をつけた本。

小説の意義について考えるようになったきっかけであり、今でもふと本書のことを思い出したりする。

〈解説〉時は進む。

博士の記憶を奪いながら…

これほどまでに美しく、切ない小説に巡り合えたことに僕は感謝している。

僕は数学が中学生になってから少し嫌いに

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向上心のカタマリになれ! 知識の都、本棚。#2

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ

今回は、ブレイディみかこさんの「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を紹介する。

〈プロフィール〉今年の3月ごろに図書カードを使って入手した。

現在は本棚の中央段に鎮座している。

〈解説〉この話は「ぼく」の中学校生活を「母ちゃん」目線で語っているノンフィクションだ。

中学校といえば、僕は中学受験をした。

しかし僕はいわ

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妄想と封印 知識の都、本棚#1

作品…「太陽と乙女」森見登美彦

今回から始まるこのシリーズでは、僕の本棚に鎮座している本たちを紹介する。

記念すべき第一回の作品は、森見登美彦さんの「太陽と乙女」。

〈プロフィール〉今月入ってきた新入りのエッセイ集。

骨折をし整形外科に行った帰りに、思わず立ち寄った本屋で入手。

僕の本棚の中央を占拠している「熱帯」や文庫本で手に入れた「夜は短し歩けよ乙女」の森見登美彦さんということで、即

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