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あんまりないと思うけど、こんなことがありました

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あんまり体験することがないんじゃないかと思われることの体験談
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命日だけど誕生日おめでとう

命日だけど誕生日おめでとう

父の命日だけど「天国でのお誕生日おめでとう!」。

毎年、命日には、お誕生日会を地上で祝っております。

彼の大好物だった豚の生姜焼きと共に。

父の最期の記録↓

電話予約、今どき

電話予約、今どき

【567禍での登山】

山小屋を予約しようと電話をかけた。
…話し中で、繋がらない。

登山客数を限定しているから、
予約が難しいとは聞いていた。

そして、すぐに電話しなおす。
…話し中で、繋がらない。

これにも懲りずに、

すぐに電話しなおす…をひたすら繰り返し、
ようやく35分後に繋がった。

山小屋まで登るよりも、
電話がつながる方がハードル高いと思った。

今どき、ネット予約ができない

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ナオト作品展「湖畔にて」

ナオト作品展「湖畔にて」

2020年の夏。ナオトさんという男性がボランティアとして我が家に滞在し、農作業を手伝ってくれました。

彼は絵描きさんで、2週間ほど我が家に滞在した後、いつの間にか尼崎のアパートを引き払って、諏訪に拠点を移して活動されています(よっぽど我が家で長野が気に入ったみたい❤)。

彼の個展が、諏訪(長野)のマスヤゲストハウスで開催中です。

Naotoさんの優しい筆遣いから長野の美しさを感じてくださいね

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映画恐怖症だけど映画を観てしまった正月

映画恐怖症だけど映画を観てしまった正月

映画を観るのが怖い…。

なぜなら、悲しくなったり、笑い転げたり、感動に浸ったり、恐怖に襲われたりと、感情を大きく揺さぶられるから。ジェットコースター並みの感情のアップダウンがあるためです。

戦争モノ映画を観たら、実際に自分が殺されているような気分になるし、恋愛モノ映画を観たら、実際に自分も恋に溺れているような気分になってしまいます。スクリーンの中の世界に留まらず、自分の世界も侵食されて行くよう

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「ロバート・ツルッパゲとの対話」はギフトに最高!ということをワタナベアニさんとの怪しい出会いから書いてみた。

「ロバート・ツルッパゲとの対話」はギフトに最高!ということをワタナベアニさんとの怪しい出会いから書いてみた。

2019年11月24日。見ず知らずの男性から一通のメールを受け取りました。

「はじめまして。写真家のワタナベアニと申します。ケイタさんがもしよろしければ、料理の勉強をしているところを撮影させてもらうことは可能でしょうか。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。」

要約すると、私の息子ケイタの写真を撮りたいというメッセージ。

見知らぬ男性から「写真を撮りたい」とのメールを人生で受け取ったことが

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平和のための子育て

平和のための子育て

自己紹介を。

ハヤシヨーコです。基本的には、私は農家のヨメです。長野の山奥にある限界集落で暮らしています。旦那がバイオダイナミックという有機農業をやっています。そのおかげでボランティアが世界中から集まり(と言っても、ほとんどが欧米人)、おなじ屋根の下で暮らしています。(ほぼ鎖国状態の今年は、外国からのボランティアは皆無)ですから、日常は旅館の女将状態。ボランティアが居心地よく過ごせるように、慣れ

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行ってらっしゃい帰っておいで

行ってらっしゃい帰っておいで

第三子として生まれてきたわたしは、幼い頃から孤独でした。それもそのはず、わたしが生まれる前から兄と姉がいて、二人は年齢が近くすでに仲良しでした。人間関係が出来上がっているところに、歳の離れたわたしが生まれてきても、兄と姉の世界には入ることができませんでした。

きっと二人はわたしを仲間はずれにしようと意地悪なことをしていたのではなく、ただ、歳の離れた兄と姉の中には入れなかったのです。遊びも違うし、

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犬を土葬した8月2日のこと

犬を土葬した8月2日のこと

犬が死んで4日目。朝から私は丘の上で穴を掘った。死んだ犬を埋めるために。

土葬するには広く深く穴を掘らなければならない。狭い穴だと犬が窮屈そうな体勢になるし、浅い穴だと野生動物が犬の匂いを嗅ぎつけて、穴を掘りおこして犬を食べてしまうからだ。今朝は梅雨が明けたばかりの青空が広がっていたけれど、直射日光はさほど強くなく、穴を掘るには最高の天気だった。

2ヶ月ほど異常に長く続いた雨のおかげで土は柔ら

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犬と走馬灯

犬と走馬灯

いつか昔、おじいちゃんが「人が死んだら、生きていた時の一瞬一瞬の記憶がよみがえる」って言ってた。犬が死んでからの3日間、私の頭の中では、すっかり忘れていた犬との出来事が走馬灯のように駆け巡っている。私は死んではいなけれどね。

北海道のボロい青い家で鹿の足をひたすら食べていたこと。京都のマンションのベランダで赤くなったばかりのイチゴを食べられたこと。長野の里山で小さな子どもの歩調に合わせて歩いてく

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失ってからよくわかる、その存在の大きさ

失ってからよくわかる、その存在の大きさ

何をするにも「あとで後悔したくないから」って思いながら生きているタイプなんだけれど、大好きな犬のクリが死んでしまって、後悔ばっかりしている。

家族が家にいる時間は、ご飯を作ったり洗濯したり、子どもの世話をして何とか自分自身を保ってはいるけれど、みんな仕事や学校や保育園に行って、静まりかえった家でクリの遺体と二人きりになると、泣けて泣けて仕方がない。

「あとで後悔したくないから」って思いながら1

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あえて馬で耕す〜農と馬で人々をつなぐ〜

あえて馬で耕す〜農と馬で人々をつなぐ〜

5年前から田んぼを馬で耕している。私は長野の小さな集落に暮らしているが、この地域は木曽に近く、働く木曽馬と共に生活する人たちが多かったと聞いている。古い家には馬が飼われていた形跡がたくさん残されているから、一家に一頭ぐらいはいたんじゃないかなと思う。馬は特別に扱われいてた。家のなかで南側の日当たりの良い空間は必ず馬が住んでいて、人間は北側の小さなスペースに身を寄せて暮らしていたそうだ。

現在、日

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山が美しい理由

山が美しい理由

色々整理していたら、父が投稿した記事が出てきた。18歳で富士山を初めて登った時のこと。そして一緒に登った友人が25歳で南アルプスで亡くなったことなどが書かれている。そして父は68歳で中央アルプスで亡くなった。

山は、多くの人たちが死んだ場所でもある。だから山は美しいのかな? だから山は語りかけてくるのかな?

雪崩に遭遇した父と高級カメラは無事だったのか? 家族が語る遭難後の3日間

雪崩に遭遇した父と高級カメラは無事だったのか? 家族が語る遭難後の3日間

「お父さんが山から滑落したんだって。警察から電話がかかってきた」

2月のある日、姉から電話があった。父が長野のアルプスを登山中に、滑落したという連絡を受けたらしい。それ以外のことは何もわからないと言う。当時、私は妊娠5ヶ月。北海道で暮らしていたが、3日後には父と母のもとへ里帰りする予定だった。

一睡もすることができずに朝を迎え、旦那とともに千歳空港へ向かった。ところが、全国的な大雪のため、ほと

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