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記事一覧

初めてのSAJ参加レポート。これからの10年はまだまだ見えない…のでみんなで作ってこ。

初めてのSAJ参加レポート。これからの10年はまだまだ見えない…のでみんなで作ってこ。

はじめに はい、行ってきました「SAJ2020」。2019年に開催レポートを見て存在を知って来年こそはと思ってましたが、2020年は参加することができました。
 「Sports Analytics Japan」は今年で6回目を迎え、成熟してきた感じですかね。スポーツアナリティクスを中心にしつつ、その周縁領域も巻き込んだ多くのセッションを楽しむことができました。
 イベントレポートは多分後日出る?と

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Jリーグが情報公開してるってさ

Jリーグが情報公開してるってさ

 昨年末に『J.LEAGUE PUB Report 2019』が公開されました。「Jリーグに関わる全ての方が参加して(Participate)理解して(Understand)共につくる(Build)リーグ」を目的とした情報公開なので、参加してみませんか?

サッカーの自己完結性 ざっくりと要約する前に1つだけ取り上げたいのが「スポーツ・インテグリティー・マネジメント」。初めて目にした言葉でしたが、

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footballista(web版)でユベントスのユニフォーム変更について書きました

footballista(web版)でユベントスのユニフォーム変更について書きました

 footballistaのweb版に拙稿が掲載されましたのでぜひ!

 こちらの記事は以前noteで書いた「ユベントスとCI戦略」の続編なので、そちらもあわせて読んでいただけるとより分かりやすいと思います。ユニフォームに関しては前編で触れてますのでぜひとも。

もっと知りたい方へ 以上宣伝でした。もっと知りたい方向けに参考文献を紹介しておきます。まずはブランディングにする本を2冊、どちらもユベン

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サッカー選手にも芸名が必要ではないか

サッカー選手にも芸名が必要ではないか

人間には、いくつもの顔がある。 さっそくサッカーから離れるが、オードリーの若林さんは芸名を付けなかったことを後悔している。

ぼくは、芸人としての自分に対して後悔していることがある。
それは、芸名を付けなかったことだ。
別の名前が欲しかった。
若林正恭という本名の名残もないほどにかけ離れた芸名〝X〟を名乗っていれば、テレビでの発言もその〝X〟のコメントとしてよりハッキリと分人化できたのではないか、

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【後編】ユベントスのクラブ経営をCI戦略の観点から考えてみた〜中身は外見にあらわれる〜

※すべて無料でお読みいただけます。
前編はこちらからどうぞ。

前編のおさらい 前編ではユベントスの試みとかつて(いまだとブランディングという言葉になるのか)日本企業が採用していたCI戦略との間に通底するものを確認した。そしてロゴという目に見える領域だけでなく、企業文化のような哲学的領域における分析の必要性を提示した。そこでもう少し踏み込んで、ユベントスの試みを分析していく。

単なる視覚的変更で

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【前編】ユベントスのクラブ経営をCI戦略の観点から考えてみた〜ロゴ変更は美容整形ではない〜

※すべて無料でお読みいただけます。

はじめに 2017年にユベントスがエンブレムを変えたことは記憶に新しい。日本でも2019年から東京ヴェルディの変更など、クラブの顔であるエンブレムの刷新がサッカー界における大きな動きの一つであろう。
 しかしこの動きが全く新しいかというと疑問である。たしかにサッカークラブの常識を覆したかもしれないが、少なくともかつての日本企業にとってはエンブレムやロゴの変更は

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フォーメーションは星座、概念があるから言葉がある。

※すべて無料でお読みいただけます。

フォーメーションは星座 グアルディオラは「フォーメーションの数字なんて単なる番号に過ぎない」と言った。名監督の言葉を文字通り受け止めるつもりはないが、単なる番号にも意味はあるだろう。なぜなら「フォーメーションは星座」だからだ。どちらも多数のものの配置に名前を付けるという点で共通している。星座は複数の恒星の配置をなんらかの連想されたものの名前で呼び、フォーメーシ

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【書評】「経営管理者は指揮者」(山岸淳子『ドラッカーとオーケストラの組織論』PHP研究所,2013)

【書評】「経営管理者は指揮者」(山岸淳子『ドラッカーとオーケストラの組織論』PHP研究所,2013)

はじめに 実は私は文化政策とかメセナを研究しているのですが、チェックする学会の一つに「アートマネジメント学会」というのがありまして、その中で紹介されていたのが今回取り上げる本です。私自身ビッグバンドオーケストラが趣味で、本書の題材であるクラシック音楽のオーケストラとは異なるものの、大人数の組織による実演音楽には関心があり、研究もそうした実演音楽の活動基盤の確保について考えてきました。
 そんなわけ

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専門化した指揮者と専門化しつつあるサッカー監督:サッカーがオーケストラから盗めるものは何か。

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はじめに 以前に読んだ『ドラッカーとオーケストラの組織論』の中に、サッカーを考えるヒントがいくつかあった。この本の中では組織、特に情報化組織としてのオーケストラに焦点が当てられているが、サッカーについても同様に考えることが出来るだろう。
 オーケストラは古くから存在し、交響曲の誕生から数えても200年以上の歴史がある。長い間絶えず演奏されたということは、それだ

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