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恋の事

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優しい人

優しい人

リョウさんが仕事に行ってしまった後も、いつものたわいないお喋りをしていると不意に、ももちゃんが口を開いた。
「ねぇ、みんなって今恋人いるの?」
「私はいないよ」
別れた元彼の顔が頭をよぎったけど本当のことだ。拓也さんは私とももちゃんの顔をちらりと交互に見てから答えた。
「…僕もいないです」 

「なんだぁ…つまんないのぉ。好きな人とかもいないの?」
冷たいミルクティーの入ったグラスに刺さっているス

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こんな日も悪くない

こんな日も悪くない

結局、本屋に着くまで3人でたわいもないことをお喋りしながら歩いてきた。それはそれで楽しかったので、まぁいいかと思えた。

着くと、新しくできた大きな本屋さんということもあり見応えのありそうな広さだった。施設中にはカフェやレストランも入っており何時間でも過ごせそうでお気に入りのスポットになりそうだ。

「どうする?各自でみたいコーナーを見てから集まる?」
「そうしましょうか。」
「ねぇねぇ、それなら

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気になる男とのデートは秘密にしなさい

気になる男とのデートは秘密にしなさい

あの後、拓也さんに聞いてみたけど「僕はそんな事聞いてないです。」と言われて困ってしまったけど何とか誤魔化しておいた。
悪気はないかもしれないけどモヤモヤしてしまっている自分がいた。

それでも良い事も起きるのが人生だ。
実はリョウさんの勤務してる美容室の近くに新しく出来たオシャレな本屋があって、仕事の時間までなら時間あるからと一緒に行けることになったのだ。
デート、…ではないかもしれないけど限りな

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ひとりぼっちと孤独の違い

ひとりぼっちと孤独の違い

目が覚めるとすっかり昼間になってしまっていた。昨日は原稿で疲れてしまってぐっすり眠り込んでいたようだった。学生みたいに昼過ぎまで眠ってしまったけど週末だし休みだし、たまにはいいかなぁと思う。

溜まっていた洗濯物を干して掃除機をかけて一息つく。昨日の疲れが少し残っていて今から食事を作る気にもなれなくて一階のカフェモームに行くことにした。昼間に行くと真っ白なカーテンから柔らかい日差しが差し込んで店全

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鳴らない電話とひとりの夜

鳴らない電話とひとりの夜

2週間くらいが過ぎてようやく新しい部屋にもだいぶ慣れてきた。今日は締め切りが近い原稿に集中することにした。本当は渚さんのカフェMaugham(モーム)でお昼食べながらやりたいけど、集中し過ぎると時間を忘れてしまうし長居は迷惑になってしまうから自分で適当に作ったサンドウィッチを摘みながらパソコンに向かう。

今連載しているのは「復縁」をテーマにした話だ。ちょうど書いてるシーンは、学生の頃からくっつい

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出会いは突然やってくる

出会いは突然やってくる

あれから暫く話した後、拓也さんは会社のシステムにエラーが現れたからと呼び出されたらしく、私の分も会計してくれた後に「ごゆっくり。」とひと言残して行ってしまった。

なんとなくそのまま帰る気にもなれなくて紅茶を注文して渚さんとお喋りをしていた。渚さんが淹れてくれたのはカモミールティーで私もカモミールはお気に入りなので盛り上がっていた。

「七瀬ちゃんカモミールの花言葉って知ってる?」
「んー、知らな

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運命のいたずら

運命のいたずら

昨日は渚さんと、希美子さんと、拓也さんとリョウさんに会う事が出来て本当に良かった。
少し前まで、失恋と同時に住む場所も失ってしまい精神的にかなり苦しかった。元彼には「もし君が大丈夫なら、そのままここに住んでも良いんだよ。」と言われていたのだけれど、彼との5年間の思い出が染み付いた場所で彼なしに生活するなんて到底無理で、新しい部屋を探したのだけれど不安は付き纏っていたのだ。だけど良い人ばかりが住んで

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腹が減っては恋はできぬ

腹が減っては恋はできぬ

渚さんという優しいおじさまがオーナーをしているアパートメントの1階に入っているカフェ『Maugham( モーム )』は昼と夜はカフェだけど深夜になるとバーになるらしい。

今は夜なのでまだ夜カフェの時間だ。
拓也さんと一緒にモームに入る。
ぶっちゃけオタクっぽくてタイプじゃないけれど、せっかくのご好意だしお隣さんだから仲良くしたいしと思い晩ご飯を一緒に食べることにしたのだ。 

「お!七瀬ちゃんと

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恋はタイミングを選んでくれない

恋はタイミングを選んでくれない

希美子さんから言われたからってわけじゃないけど部屋に戻るとドレッサーの上にユリから引っ越し祝いとして貰った香水が目に入った。
…そう。それはまさに希美子さんの言っていた私が今まで使ったことのないようなタイプの香りなのだ。

でも私はもう恋には生きない女。仕事にバリバリ燃えるって気力はメラメラ燃えてる。
それでも少し気になってしまっている自分が少し癪だった。心の中で、これはユリからの贈り物で、せっか

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恋は諦めた頃にやってくる

恋は諦めた頃にやってくる

ひとしきりカフェのオーナーさんとお喋りをした後に部屋へと向かう。挨拶周りは昼後くらい行こうと思い部屋で少しだけ休む事にした。

新しい部屋でごろりと横になって少しぼんやりとする。彼と別れた痛みはまだ消えてない。思えば昔から彼氏が出来ると周りが見えないくらい夢中になり別れると何にもできないくらい落ち込んでしまう。心がぽっかりと空いてどうしたら良いのか分からなくなってしまうのだ。

もう良い年だし、新

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失恋と朝とカモミール

失恋と朝とカモミール

朝陽を受けた明るいキッチンでカモミールティーを淹れる。柔らかくて穏やかな香りが湯気に乗ってふわりと部屋に漂って爽やかな気持ちになれた。

彼と一緒に住んでいた部屋は別れた後に解約してしまい、今は一時避難として実家に帰っていた。そうなのだ…。悲しいけれど、現実は待ってくれない。毎日泣いても彼は戻って来ないし新しく住む家を見つけなければいけないのだ。

インスタや様々なアプリで住みたい部屋を探した。そ

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愛なしには生きれない女たち

愛なしには生きれない女たち

彼とふたりでいた頃は楽しかった夜もひとりっきりになるとこんなにも辛いものだと思ってなかった。失恋したことを誰にも言えなかった。だってあんなに幸せだったから。知られたくなかった。そして改めて彼と別れてしまったことを認めてしまうのが怖くて避け続けていたのだけれど、とうとうある夜に孤独に耐えきれなくなった。そんな時に私が連絡出来るのは、数々の私の失恋を隣で見てきては、良質な合コンや良い男がバーテンをして

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私を捕らえる彼の瞳

私を捕らえる彼の瞳

彼の瞳に見つめられると息が止まるような感覚になった。色素の薄い瞳は彼の性格がそのまま現れたような優しさと慈愛に満ちたかがやきを持っていた。その瞳がキラキラとするのはいつもふたりで行った伊豆でサーフィンをしていたが一番だと思う。子どもみたいな無邪気な笑顔で海へ入る彼のかっこよさは多分、世界で一番だと今でも思うよ。

太陽が反射して宝石みたいに波がきらめく。毎回、上手く波に乗れない私に怒るわけでも呆れ

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もう戻れない恋のこと

もう戻れない恋のこと

もう何時間泣いていたのだろう。時間の感覚なんてとうに消え去ってしまった鈍い頭でぼんやりと考える。起きていると、どうして彼が隣にいないのか訳がわからなくなり涙があふれて力尽きるまで泣き続け、力尽きて眠ると楽しかった時の記憶ばかりが溢れ出て、目が覚めると隣にいない彼の事と、さっきまで夢の中で傍にいてくれたはずの彼の温もりを思い出してまた泣けてくる。

どうして終わってしまったのだろう。本当にもう終わっ

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