血が付かなかった『悪童日記』の話。
日付は、一昨日まで遡る。
ぼくは湯舟に浸かっていて、パートナーは実家(自宅から近い)に用があるので戻っていた。ので、その時間、ぼくはひとりだった。
しばらくして、物音がした。
物音自体は、よくあること。アパートの壁が薄いので、声や、引き戸を閉じる音は、いつものこと。
ただ、そのときは、台所の方から、床が軋むのが聞こえた。音が、浴室の前を通るのも。まるで、誰かが歩いているような。何度か聞こえたあとに、音は止んだ。
一応、声をかけてみる。返事はない。パートナーは、帰って