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だから読者は感想しか書けない。
ついに岡崎隼人の新刊が出た。こんなにうれしいことはない。生きててよかった。
以下、岡崎隼人『だから殺し屋は小説を書けない(講談社)』の感想文のようななにか。
小説小説 18年ぶりの新刊である。岡崎隼人のデビュー作を僕が読んだのは15年ほど前なのであまり内容は憶えていないが、他の作品も読んでみたいと思う作家だっただけに2作目が刊行されて嬉しい。これを機に1作目も文庫化してほしい。
物語は、
テン・ナイン・ストーリーズ(ズ)
サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』が好きだ。
新潮文庫で読んだ。だいたいみんなそうだ。
2016年、僕は神保町で講談社文庫の『九つの物語』を発見した。
2019年、僕は百万遍知恩寺の古本まつりで文建書房の『J.D.サリンジャー作品集』を発見した。
そして10冊の『ナイン・ストーリーズ』をいつの間にやら手に入れていた。
10冊と言っても、装丁が違うだけや版型が違うバージョン(基本的に
『話の終わり』の終わり
話の終わり THE END OF THE STORY
リディア・デイヴィス/岸本佐知子 訳 (白水Uブックス)
終わらない話の終わりの話。リディア・デイヴィス神も岸本佐知子さんも、歳下の恋人がいる(いた)んだろうなと思った。そうだったら素敵だ。
リディア・デイヴィスという生ける神は、超短編で有名(?)なので本作が唯一の長編である。『暗夜行路』が唯一の長編であとはほぼ短編ばかり書いていた志賀
一年の始まりはハヤカワepi文庫を読まないといけない病に罹っている
宿痾である。
書くのを忘れたけど、去年はラッタウット・ラープチャルーンサップの『観光』をよんだ。
今年は『悪童日記』である。
悪童日記 Le grand cahier
アゴタ・クリストフ/堀 茂樹 訳 (ハヤカワepi文庫)
この作品は、ハヤカワepi文庫のおすすめ本を調べているといつも名前が上がる名作だった。なのでいつか読もうと想いつつもどこか敬遠していた。戦争の話で、重たいもの
偶然の音楽、読了の感覚。
The Music of Chance / Paul Auster 1990
『偶然の音楽』(ポール・オースター/柴田元幸訳 新潮文庫)
うまくいかないのが人生。そして実質太宰。
ポール・オースターの小説を読むのは『ムーン・パレス』以来だった。
今回は贖罪の物語だと思った。
ジム・ナッシュは父親の遺産が手に入ってアメリカじゅうを旅する。そして偶然出会った行き倒れの賭博師ジャック・
『アンナ・カレーニナ』を読んだ、華麗にな。
まず初めに言いたいのは、登場人物が多すぎる!
そして長すぎる!
でも面白すぎる!
完
――と言いたいところだがそんな単純な小説ではない。
ドストエフスキーなんかもそうだけど、帝国ロシアではロシアのデカさを象徴するがごとくに長い小説を書かないといけない使命みたいなのを感じてしまうのだろうか。あるいは寒いから引きこもってやたら長い小説をひたすら書く以外にすることがないのか。しかも面白い