見出し画像

【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】「キャベツ」は食べる薬!?

三寒四温で少しづつ春が近づいてきています。
お店でも、菜の花や新じゃがいも、新玉ねぎなど春の野菜が目立ち始めましたね。
冬の野菜に比べると緑が鮮やかで、見た目にも柔らかい印象があります。
一年中手に入るキャベツも、この時期になると薄緑でふんわりと丸い春キャベツが並びます。

今回は、そんな「キャベツ 」をとりあげ、そのヒミツ、「キャベツ 」のすごさをご紹介していきます。
『4.キャベツ の簡単レシピ』では、やわらかい春キャベツを使ったこの時期におすすめの『キャベツのかつお節炒め』をとりあげています。
では、最後までお楽しみください。

1.キャベツの由来

「キャベツ 」はアブラナ科の野菜で、中国名の「甘藍(かんらん)」は「キャベツ 」の葉を指します。
古代イベリア人が紀元前6世紀ごろから栽培していた「ケール」から派生したものですが、日本で食べられている「キャベツ 」は13世紀頃のヨーロッパで誕生したものと考えられています。
日本に最初に入ってきたのは18世紀頃で、その後幕末から明治にかけて今のような球状になったものが広まりました。

最近では「キャベツ 」は一年中手に入りますが、年に2回(冬と春)に旬があり、それぞれの品種が異なります。
「春キャベツ」は、丸みがあって葉の巻きがゆるく、内部は黄緑色をしています。
葉がやわらかめで、水分量が多いので、サラダなどの生食に適しています。

一方、「冬キャベツ」は全体の形が扁平で、内部は白く、葉はかたく巻かれています。
葉の一枚一枚がしっかりしていて、加熱しても煮崩れしにくいことから、ロールキャベツ、ポトフなど煮込み料理に適しています。

筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市内千葉駅すぐに所在しています。
千葉県は春キャベツの生産量が日本一で、特に銚子近郊が有名ですが、千葉市内の農家でも生産されており、中には収穫体験ができるところもあります。
過去には『春キャベツ収穫&農家直伝の本格もつ鍋作り 』なんていうイベントも開催されたようですので、キャベツ畑で春を楽しみことができるかもしれませんね!

2.栄養学としての効能

「キャベツ 」には、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンU、カリウム、葉酸、食物繊維など、体にうれしい栄養素がたくさん含まれています。
なかでも「キャベツ 」に特有のビタミンUは別名キャベジンとも呼ばれています。
みなさんがよく目にする市販の胃腸薬の重要な成分で、胃酸を抑えたり、胃腸の粘膜の粘膜の再生を助ける働きがあり、胃・十二指腸潰瘍の予防に役立ちます。不足すると潰瘍になりやすくなります。
また、ビタミンKはビタミンDとともにカルシウムの吸収を促し、骨粗しょう症の予防に役立ちます。

これら栄養素の上手な取り方です。
ビタミンUやビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いため、サラダなど生のまま食べたり、スープとして飲むとよいでしょう。
ビタミンKは油と一緒に摂ることで吸収されやすくなりますので、 ドレッシングやソースに油を使ったり、炒め物などの調理方法がおすすめです。また、ビタミンDを多く含むきのこ類をあわせると、より効果的に摂取できるのでおすすめです。

3.東洋医学的な効能

東洋医学的には、「キャベツ 」は以下のような属性と効能をもちます。
【性質と味】 甘・辛
【関連する臓腑経絡】 肝・胃経

①清熱
身体の余分な熱を冷ますとともに、体内に溜まった湿(身体にたまった余分な水分)を取り除きます。
慢性胆のう炎、胃、および十二指腸潰瘍に効果的です。

②理気
気のめぐりを整え、気の停滞によりおこる痛みを取り除き、胃腸の働きを整えます。
甲状腺機能亢進症、甲状腺腫大、胃痛、胃弱による食欲不振、消化不良などの症状に効果的です。

③瀉下
排便を促して病邪(病気の原因)を排出し、解毒をします。
便秘の解消に効果的です。

上記の①~③の効能により、全体としては、五臓六腑の機能を調子する働きをもち、消化吸収を助ける作用を持ちます。

4.「キャベツ 」の簡単レシピ

春キャベツは水分が多く柔らかいので生でも食べられますが、軽く火を通すことでより柔らかくなり、甘みも感じられます。

調理時間5分で、お箸が止まらなくなる『キャベツのかつお節炒め』のレシピをご紹介します。

①キャベツは食べやすい大きさに切り、芯のかたい部分は薄く切る。
②フライパンにごま油を入れて火にかけて、炒める。
③しんなりしたらしょうゆを加えて、軽く混ぜる。
④火を止めてかつお節を加えたら、軽く混ぜてできあがり。
⑤お好みで焼きのりをちぎって混ぜてもおいしいですよ!

アレンジ1)
しょうゆを加える前にゆでたパスタを加えて絡め、キャベツパスタの出来上がり!

アレンジ2)
炒めたキャベツに水を加え、お好みでコンソメを。しょうゆで味を調えたら器に入れ、かつお節を浮かせたら、キャベツスープの出来上がり!

そのほか、インターネット上には、春キャベツを使ったたくさんのレシピが出回っています。
特にこの時期はしらすやさくらえびなどキャベツにあう旬の食材が豊富です。
春キャベツは6月ごろまで楽しめますので、いろいろな食べ方に挑戦してみてください。

いかがでしたでしょうか?
『「キャベツ」は食べる薬!?』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?