フラワー・オブ・ライフ③
二十歳の時、祖母が脳梗塞で倒れた。
そのまま祖母が特養ホームに行ってから、だんだんと記憶を失って亡くなるまでの十数年、母はたったの一度も祖母を見舞いに行かなかった。
祖母が亡くなったお葬式で、「嫁」として機敏に動きながら、時に泣き、時に父に寄り添う母を見ながら
「人が死んだ時、こんなに喜びを隠しきらんくてもええんやなぁ」
と、ぼんやり思った。
母のかぶる能面からは、噛み殺した笑いが溢れ出していた。
でもやっぱり家族だもの。忍び笑いだなんて、私の穿った見方かもしれない。
そんな