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2021

23
依然コロナという暗雲が覆い尽くしていた。いろいろな迷走や混乱がありながらも、少しずつコロナがあるという生活に慣れていくようになる。PCR検査や抗原検査を日々やりながら、撮影の仕事… もっと読む
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記事一覧

右の耳

 目が覚めた。時計をみると四時を過ぎたところだった。外はまだ暗い。これは別に珍しいことで…

北原慶昭
1年前

初夏の匂い

 亜熱帯のような梅雨があけたら、猛暑がやってきた。午前九時すぎだというのに、少し外出した…

北原慶昭
1年前

お釣り

 おもいがけず長かったその映画をあとに、ユーロスペースがはいったビルを出たのは20時45…

北原慶昭
1年前

「へんしんっ!」

 きょうは年に一度の健康診断。秋葉原のクリニックに14時半となっている。朝からなにも食べ…

北原慶昭
1年前
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先見の明

 いろいろやめたり、なくなったりもして、ぽっかりと時間が空く日が多くなった。月のはじめに…

北原慶昭
1年前

還暦

 ぼわっとしたものがあって、それをなんとかしてカタチにしようと思ってきた。そんな六十年だ…

北原慶昭
1年前
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WHAT A WONDERFUL WORLD

 ここ数年、本来の職業である録音ミキサー以外にも、いろいろと活動の拠点をひろげている。東北芸術工科大学で非常勤講師として科目授業を受け持つようになって、四年目になる。一年生の必修にくわえて、今年から新たに三年生を対象にした選択科目もあり、前期だけとはいえ、週に二日は山形に通っている。  大学という場所が大好きなのは、早稲田に六年もいて中退した自分がよく知っている。ひろがる社会とは、どこか隔たりのようなものがあって、薄い皮膜のなかにいる居心地のよさを楽しんでいる。  学生時代

CATCH YOU AT THE PEANUTS !

 ジャカルタからバスを乗り継いで、あちこちに逗留しながら一ヶ月かけてバリ島にあがった。船…

北原慶昭
1年前

「ケリー・ライカートの映画たち」

 うっすらと名前だけしか知らず、いままでその映画を観たことがなかったケリー・ライカートの…

北原慶昭
1年前
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「東京クルド」

 こんなにも暑いときは映画館に避難だ。幸い自転車を使えば十分で行ける「吉祥寺オデヲン」で…

北原慶昭
1年前

コロナとナイフ

 普段から時事や事件に関心があるほうではないが、なんとなく今年は刃物による殺傷事件が多い…

北原慶昭
1年前

赤木ファイルとひとのいのち

麻生氏:あの、赤木さんのファイルというものは定義が難しいんですよ。赤木ファイルというのは…

北原慶昭
1年前

文化の日は暖かかった

 十月は精神的にきつい日が多かった。こんなふうに追い込まれることは滅多にないので、たまに…

北原慶昭
1年前

憲法記念日の次の朝

 ゴールデンウィークまっただなか、ガスト高崎店の朝はとても清々しいです。非常事態だの緊急事態だのというキツイことばにもすっかり慣れて、もうそんじょそこらの事変では驚かなくなっている自分に気がつきます。空爆とかにあって、目の前のビルが瓦解し、そのなかから血だらけになったひとたちが走り出してこないとね、くらいの麻痺レベルに達していて、ああ、これが非常事態なのだと気がついたときには、死ぬ直前だったりするのでしょう。 「自粛」もすっかり板についてきたといいましょうか。禁酒令まででて