マガジンのカバー画像

私の語る物語

69
詩や掌編小説をまとめます。 【自己お題シリーズ】は、16歳の時からファンだったTM NETWORKの曲から歌詞を一部お題にして作品にしています。 中学の時に書いた古いものや、新し… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

桜の花びらより春を待てなかった

桜の花びらより春を待てなかった

僕らは今年は桜を見れなかったね
赤いツツジが通り道を飾ってるよ

僕らは今年ずっと冷たい白い壁の
病室にまるで閉じ込められていた
窓から見えるの国道に飾るライト
それだけが生きている証だったね

冬が春に追い越されて緑が芽吹く
それにつられるように僕は回復し
君は氷の女神に愛されてしまった

二人で過ごした病室を去った日に
灰色がにじんだ壁にカーテンの影
どこにも君はいなかったんだもう

生きてる

もっとみる
春の懺悔はこぼれていく

春の懺悔はこぼれていく

遅い春にひとりたたずむ
握りしめた手に見えない
花弁が消えないようにと
爪が食い込むほど力こめ

僕の失ったものはなんだ
手に入れたのものすべて
価値がないと嘯いていた
そんな時間がむなしいよ

見えない奇跡だけ追って
隣にあった愛を無視した
誰にも僕を止められない
肩をそびやかしていたが

人はひとりで生きれない
それを教えてくれた君と
歩いてきた道をまた僕は
見失ったいなくなった君

君の優し

もっとみる
新刊発売開始!

新刊発売開始!

4ヶ月ぶりに新刊出しました。

https://amzn.to/3WcB9g7

新刊発売記念で27日まで99円。

本日17時から26日16時59分まで既刊オール0円キャンペーンもはじめます。

今回は杉川薫名義の詩集。

死ぬまでに何をしたい?

そう自分に問いかけて、この本を出版したいと強く思いました。

やれやれ、飲ます食わずなので、少しなにかつまむかな。

【自己お題シリーズ】想いが伝えられなかった

【自己お題シリーズ】想いが伝えられなかった

走り出した君がここから
逃げ出したのだと笑う人

嘲笑の影に僕は身を隠し
何も伝えられなかったよ

春は出会いと別れ交差し
波のように僕を連れ回す

本当に大切な人との時間
それだけは持てないまま

価値観の違いで傷つける
それならばいっそここで

全部壊せる勇気出したい

誰にも交わらない君の色
原色の世界で淡く儚くて

消えそうで壊れるように
ガラスの光で僕を乱した

みんなの顔色を伺ってる

もっとみる
雨

悔やんだ過去を変える言葉はない
傷ついた胸を癒すには時間がない

誰かの正義が別の誰かを傷つける
僕の正義は誰かに針のように降る

君が世界から隠れるための場所で
だけど痛みの叫びは止む事はない

僕の憎しみを君の血溜まり落とし
壊れてしまえばいいのにねこの星

けれどまだ期待しているから泣く
君の横顔に僕は惹かれていくんだ

窓を打ち付ける暗い雨を見つめる

許せないならそのままでいいんだ
全て

もっとみる
女は香りを纏うように嘘をつく

女は香りを纏うように嘘をつく

恋なんて不純なものは捨てていくの

恋なんて自分だけを守る為のものよ

誰も幸せに出来なかった私に孤独と
二度と誰にも愛されない呪い欲しい

愛はなんだろうか、愛はなにかしら

愛は束縛と執着とそして強い痛みと

正しさと憎しみと矛盾を与え続けた

愛という言葉のもとにどれほど私は
傷つけられてはそれ見ない振りして

だから私があなたに抱くのは泡沫の
恋だけだったの、いつか消えていく
約束された破

もっとみる
残り香

残り香

君の残り香が
空虚な僕の胸
満たすけれど

誕生日僕から
贈った香水が
いつの日から
香らなくなり

最後の日君が
纏った香水は

彼と同じもの

甘やかな笑顔
消えてしまう

張りつめた頬

これが最後と
吐き出した声

君はこの手を
抜け出してる

振り返る事も
二度とないと

思い出も既に
重荷なのだと

僕のすべてを
否定した瞳に

なすすべなく
言葉なくした

席を立った君
追いかける事

もっとみる
抜け殻

抜け殻

抱かないでお願い
伸ばさないで腕を

もう恋じゃないと
もう夢を見れない

気がついたこの朝

他の誰かと過ごす
あなたを憎んだ時

もう今は懐かしい

何も感じないのよ
何も何も何ももう

あなたの腕の中で
いつも感じた片恋

重ねた唇慣れた夜
だけど震えていた

窓から見える木々
しなるほどの強風

それが冷ましたの

私の永遠の片思い

覗き込まないで瞳
暴かないで胸の奥

覚めきった私すら

もっとみる
「君を離さない」 #シロクマ文芸部 【自己お題シリーズ】

「君を離さない」 #シロクマ文芸部 【自己お題シリーズ】

最後の日君を抱いた
誰にも見せない儚い
唇の色も褪せていく
そんなやるせない夜
ただ抱きしめ合って

幼いころからふたり
いつも一緒にいたね
君は負けん気の瞳で
僕をいつも追い越す
明るい眩しい笑顔を
まだ忘れられないよ

いつからだろう君が
僕と距離を取り出す

幼なじみのさなぎを
脱ぎ捨てた君はもう
僕の知らない人へと

時が過ぎ僕の住む町
そこで君と再会した

向日葵のようだった
笑顔は消え

もっとみる
鳥の声のさえずりは「メリークリスマス」

鳥の声のさえずりは「メリークリスマス」

君と手つないで
歩くよ雪の夜に

雲の切れ目から
溶けそうな月を

手の平で何度も
すくうんだ僕ら

言葉をなくした
鳥たちのように

君が奴と別れた
噂話に胸騒いだ

それが正義感で
ないことは一番

僕が分かってる
君だって不安げ

君の中に眠る命
本当に愛せるか

嘘が真実になる
その日がくるか

そんなこと今夜
誰もわからない

吐く息が白い程
吹雪が道塞ぐ程

ためらわない力
幻じみて沸

もっとみる
すきだから

すきだから

好きだから
君を捨てる

わがままは
わかってる

どうしても
許せない事

君の瞳の奥
見つけたよ

罵り蔑んで
僕を忘れて

駆け引きに
負けた君に

いつか帰る
彼がきっと

『恋心』

君とはじめてキスした
雨交じりの公園で二人
行き先を忘れてもがき
立ちすくむ旅人のよう
お互いだけ全てだった

君を好きだと信じたい
君も僕を好きなのだと

けれど寄りそう僕らは
「恋」という幻だけを
追って疲れていただけ

誰にも理解されない事
誰からも許されない事

それが世界と共存する
歪な僕たちの生き方だ

ルールと正しさの意味
わからないまま従うの

分からず屋の顔でいた
卑怯な手段と知

もっとみる