記事一覧
春の懺悔はこぼれていく
遅い春にひとりたたずむ
握りしめた手に見えない
花弁が消えないようにと
爪が食い込むほど力こめ
僕の失ったものはなんだ
手に入れたのものすべて
価値がないと嘯いていた
そんな時間がむなしいよ
見えない奇跡だけ追って
隣にあった愛を無視した
誰にも僕を止められない
肩をそびやかしていたが
人はひとりで生きれない
それを教えてくれた君と
歩いてきた道をまた僕は
見失ったいなくなった君
君の優し
【自己お題シリーズ】想いが伝えられなかった
走り出した君がここから
逃げ出したのだと笑う人
嘲笑の影に僕は身を隠し
何も伝えられなかったよ
春は出会いと別れ交差し
波のように僕を連れ回す
本当に大切な人との時間
それだけは持てないまま
価値観の違いで傷つける
それならばいっそここで
全部壊せる勇気出したい
誰にも交わらない君の色
原色の世界で淡く儚くて
消えそうで壊れるように
ガラスの光で僕を乱した
みんなの顔色を伺ってる
女は香りを纏うように嘘をつく
恋なんて不純なものは捨てていくの
恋なんて自分だけを守る為のものよ
誰も幸せに出来なかった私に孤独と
二度と誰にも愛されない呪い欲しい
愛はなんだろうか、愛はなにかしら
愛は束縛と執着とそして強い痛みと
正しさと憎しみと矛盾を与え続けた
愛という言葉のもとにどれほど私は
傷つけられてはそれ見ない振りして
だから私があなたに抱くのは泡沫の
恋だけだったの、いつか消えていく
約束された破
「君を離さない」 #シロクマ文芸部 【自己お題シリーズ】
最後の日君を抱いた
誰にも見せない儚い
唇の色も褪せていく
そんなやるせない夜
ただ抱きしめ合って
幼いころからふたり
いつも一緒にいたね
君は負けん気の瞳で
僕をいつも追い越す
明るい眩しい笑顔を
まだ忘れられないよ
いつからだろう君が
僕と距離を取り出す
幼なじみのさなぎを
脱ぎ捨てた君はもう
僕の知らない人へと
時が過ぎ僕の住む町
そこで君と再会した
向日葵のようだった
笑顔は消え
鳥の声のさえずりは「メリークリスマス」
君と手つないで
歩くよ雪の夜に
雲の切れ目から
溶けそうな月を
手の平で何度も
すくうんだ僕ら
言葉をなくした
鳥たちのように
君が奴と別れた
噂話に胸騒いだ
それが正義感で
ないことは一番
僕が分かってる
君だって不安げ
君の中に眠る命
本当に愛せるか
嘘が真実になる
その日がくるか
そんなこと今夜
誰もわからない
吐く息が白い程
吹雪が道塞ぐ程
ためらわない力
幻じみて沸