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福島で3.11の日を迎える(後編)

前編はこちら 4 東京電力廃炉資料館富岡町を訪れたもう一つの目的は、「東京電力廃炉資料館」に行くこと。元々は原発のPR施設だったというその場所は、ヨーロッパ風のレンガ造りで、屋根には風見鶏が回っていてお洒落な建物の中にある。館内ツアーの冒頭で流れる動画はこんな風に始まる。 「私たち東京電力は、福島県の皆様に、大きな負担とご迷惑をおかけしました」 「安全に万全を期していたと思い込んでいました」 「私たち東京電力は、深く反省致します」 その他の災害伝承館や資料館とは根本的に

    • 福島で3.11の日を迎える(前編)

      1 夜ノ森へ「ふたば、ふたたびツアー」の翌日は、2024年の3月11日。バスガイドさんに紹介され、興味を持った富岡町の夜ノ森へ向かう。 夜ノ森地区への帰還が始まったのは昨年の四月で、それからまだ一年も経っていない。駅前を出ると、引用した文章が「見るべき」だと訴えた理由が伝わってくる。風化しつつある家や建物は、私たちの街にもある空き家とは質が違う。十三年という時間の停止、その堆積が閉じ込められたものだからだ。 十三年前の雑誌の背が窓の向こうに覗いている。こたつの上に出された

      • ふたば、ふたたびツアー(後編)

        前編はこちら 4 震災遺構・請戸小学校次の目的地は浪江町立請戸小学校。浪江町は双葉町の北隣で、西の山側はかのDASH村がある場所として有名。500メートル先はすぐ海で、校舎は津波の直撃を受けた。その破壊の爪痕を保存して、津波の恐ろしさを語り伝えようという「震災遺構」の一つになる。 ケーブルが引きちぎられ倒れかけた配電盤。剥き出しになって折れ曲がった鉄骨。給食室の調理器具が押し流され、扉の前で詰まって天井まで積み重なっている。そこには津波の巨大な力が可視化されている。最近は

        • ふたば、ふたたびツアー(前編)

          1 中間貯蔵施設3月10日、環境省とLove For Nippon等が主催する「ふたば、ふたたびツアー」に参加してきました。ツアーの目玉は普通は中々入れない福島第一原発の周辺に広がる「中間貯蔵施設」=除染で出た土や焼却灰が溜めてある場所。その他にも、震災遺構の請戸小学校や双葉町の原子力災害伝承館などを巡るもの。気になるお値段は……なんと0円!(抽選制) ほんとにいいの? 当日になるまでちゃんと参加出来るのか若干疑っていた。 集合場所である「Jヴィレッジ」はサッカーのトレーニ

        福島で3.11の日を迎える(後編)

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        • 本と旅と
          8本

        記事

          続・指輪を買った話

          ルーチンが出来た前回、指輪を依り代に、書くことを「儀礼」として習慣づけてみよう、という話を書いたのですが、そこから約一ヶ月。これがものすごい効果をあげてるのでご報告。といっても、最近では指輪を嵌めるの忘れたり、呪文を忘れたりしてるんですが、ともあれ「毎日書く」はすっかり身につきました。 時間のある時には、二時間、時に三時間ぶっ続けで書けて、ふっと時計を見ると時間が吹き飛んでた、というのも普通。その間、資料を見たりはあるけれど、スマホ・ネットに一秒も触っていない。経験からして

          続・指輪を買った話

          指輪を買った話

          ルーチンの力 達成したい目標とか、日々の努力を継続させたいとき、「ルーチン」を作るといいよ、というのが自己啓発本でよく出てきます。スポーツの方が有名かもしれない。イチローがバットを回すあれ。 掌に「人」を書いて飲む、というのもその一種。やり慣れてる行動をトリガーに頭をリセットする方法論で、心理学的にも適っているらしい。啓発本でよく紹介されるのは「P」と刻まれたボタンを服に縫いつける方法。「プレジデント」の意味で、仕事の前にそれに触れ「いつか社長になるぞ」と意気を高める。(

          指輪を買った話

          ニシオギ短歌部に参加した話

          お休みの夜、ビール片手に短歌を詠んだり読んだりする贅沢。 これ以上なんか言う必要がありましょうや? いや、無い。 無いのだけど、それだと話が終わってしまうし、こうした会に参加するのが初めてで、何もかも新しく、面白く、気付きが多かったので、感動が薄れないうちに、ちょっとまとめて置こう、と思ってペンを執る。 ニシオギ短歌部 西荻窪の本屋、BREWBOOKSで定期開催されてる「ニシオギ短歌部」に参加してきました。毎回大人気らしい。短歌の集まりのイメージが全然ないので、みんな立

          ニシオギ短歌部に参加した話

          頑張って映画が見られるようになった話

          情熱の衰え とうとう来たか、と思った。アニメや映画が好きだった人たちが、歳を重ねる中で、突然それらを楽しめなくなる、という話はネットでよく聞く。「以前なら睡眠時間を削ってでも貪っていたのに、今では好きだった作品の新作が出ても興味を抱けない……」 私にとってそれは映画で、昔はTSUTAYAに通い、映画館にも通い、数年前まではサブスクも使い、多い年では年間90本くらい観ていた(年に300とかを見る本物のファンには及ぶべくもないが…)その本数が、2020年頃から激減する。原因は

          頑張って映画が見られるようになった話

          エッセイ書籍・作家リスト

          ここ数か月、様々なエッセイを横断的に読書していましたが、その際に作成したエッセイの書籍、作家のリストです。1700項目程度。あくまで個人的に、自分のために作成したものなので、間違いあちこちにあると思いますがご容赦ください。何らかのお役に立てば幸いです。 参照した資料は以下 - 『文學界』エッセイ特集 - 日本大百科全書「随筆」の項目から - 現代日本のエッセイストシリーズ(近代文芸社) - 現代日本のエッセイ(講談社) - 現代日本のエッセイ(毎日新聞社) - 日本エッセイ

          エッセイ書籍・作家リスト

          2023年 買ってよかったもの

          「買ってよかったもの」を書こうとして、Amazon, メルカリ, ヤフオクの購入履歴を見渡してみるも、そもそも買ったものがほとんどなくて驚く。あまりものを増やしたくない性格というのもそうなんですが、その分厳選されているということで! 1位 パワーブロック sp50 :可変式ダンベル もともとダンベルは持っていたのですが買い替え。何より追い込みが出来るようになって効率爆上がり。場所も取らず片づけるのも楽。結構高いですが、ヘビーデューティーなので一生使えるものなので、迷ったらぜ

          2023年 買ってよかったもの

          GR3の簡易雨対策

          GR3の雨対策、あれこれと試してましたが、良いのが出来たのでシェアします。まずはこちらの動画をば。 材料は以下 ❶ レンズアダプター+フィルター NISIのものなら2750円。フィルターは1000円強 ❷ 無印良品のTPUケース 400円 ❸ 薄いゴム板 ホームセンター等で150円程度 ❹ 100均の下敷き・瞬間接着剤・アクリルフォーム両面テープ 計300円程度 レンズアダプターとフィルターの価格がどうしてもかさみますが、これは雨対策だけでなく各種フィルターとか、ワイコン

          GR3の簡易雨対策

          イベント「短歌文化祭」から

          1 朗読の音とテクスト音読 アメリカで住んでいた町は人口十万人の田舎町だったにも関わらず、毎週末どこかのカフェやイベントスペースで、オープンマイクのイベントが行われていた。通っていた高校では、授業の余った時間に、先生が発表の場を設けて、弾き語りもあったけれど詩の朗読も普通にあった。それはまあ、文化的背景もそうだけど、シェイクスピアのソネットなんかを一つでも朗読すれば分かるように、英語の韻の踏みやすさ、声に出したときの気持ちよさも要因だと思う。リズムに乗せて読んでいるだけでラ

          イベント「短歌文化祭」から

          47都道府県, 残り3県

          先日四国旅行に出かけ四県を回って、これで日本で訪れていないのが残り三県、和歌山、島根、大分だけになったので、ここで一度まとめておきましょう。それぞれ色々な思い出もあるんですが、とりあえずはリスト形式で 2 青森 親戚がいて小さいころ何度か行ってるはず……だけど写真無し。リンゴは死ぬほど食べてます。 5 秋田  青森同様、小さい頃に行った。きりたんぽ鍋美味しいです。 6 山形 仕事で行ってあちこち行ったはずなのに写真が消えてしまった……悲しい。さくらんぼ狩りとかした。 7

          47都道府県, 残り3県

          短篇小説書きました

          短篇小説「かぐや姫・ミーツ・トムクルーズ・オンザムーン」を書きました。上記リンクから無料でPDFをダウンロードできます。自家製本、そのうちやろうと思ってるんですが、製本方法・表紙の紙を吟味中なのと、八月はネットの諸々をおやすみする予定なので、早くても九月になると思います。ファイルはスマホ閲覧向けのフォーマットになっております。 内容は、月でかぐや姫がお散歩してたら、トムクルーズに出会う……という話になっております(タイトル通りですね)。アポロ12号とか『暇と退屈の倫理学』と

          短篇小説書きました

          古田徹也さん講演会

           『はじめてのウィトゲンシュタイン』著者の古田徹也さんの講演会へ。ずいぶん前だれど、ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』の読書会をやったことがあり、その興味から参加。  私が読んでたのはいわゆる「前期」ウィトゲンシュタインで、それは哲学とか倫理学の問題としては面白かった。で、今回の講義は後期ウィトゲンシュタインについてだったのだけど、これが「小説を書く」ということと大きく関わっていると思えて、けっこう、とても──いや、すごく感動したし、元気が出た。  言葉が「魂」を持つ

          古田徹也さん講演会

          私的安眠法

          ❶概要「安眠法」というタイトルですが、実は元々寝つきはかなり良い方でした。仕事や執筆が立て込んできて、頭を使う割合が多くなると、ちょっと就寝・起床が乱れることもあり、という程度。それがここ数年は、眠れなくなることはほとんど無くなりました。そこに至った幾つかのルールと習慣作りについてちょっと書いてみます。 1. 寝る前は気持ちをリラックスさせる 2. 就寝時間を本気で厳守する 3. [メイン1] デバイス制限を工夫する 4. 就寝前は光を弱める→朝は光を浴びる 5. [メ