前平秀志 | 長期経営計画/新規事業@副業コンサルファーム

◆DXコンサルティング会社/経営戦略・コンサル(在籍6年):コンサルプラットフォーム会…

前平秀志 | 長期経営計画/新規事業@副業コンサルファーム

◆DXコンサルティング会社/経営戦略・コンサル(在籍6年):コンサルプラットフォーム会社(副業)/社長 ← 情報通信会社/社長(11年) ← 経営コンサル会社/コンサル(6年) ← 保険会社/営業(6年) ◆著書『新規事業のセオリー』◆MBA・中小企業診断士

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新規事業のセオリー_はじめに

 「新規事業を創ること」はとても難しいことであり、同時に、とてもとても楽しいことです。このnoteが新規事業を創る楽しさを、皆さんと共有できる場になることを期待しています。 1. 自己紹介1972年生まれ。生命保険会社の営業職から社会人をスタートし、2001年に国内系の上場コンサルティング会社に転職しました。2007年に医療機関向けのデジタルサイネージを運営する会社に転職し、2010年代表取締役社長に就任しました。2017年に社長交代し退職、総合人材会社のコンサルティング部

    • 長期経営計画のすすめ Ⅲ.事業戦略_現状分析 1. 事業業績を分析する

      1.事業戦略の計画策定ステップ ここから事業戦略の現状分析フェーズに入ります。ここで改めて長期経営計画策定フレームワークを確認します。 まず初めに計画の方針を策定し、次に企業戦略の現状分析を行なってきました。ここから事業戦略の現状分析を実施していきます。事業戦略は企業戦略の現状分析にも関わってきた事業部長(管掌役員)がリードしながら、経営企画がサポートする進め方が、企業戦略からの流れを踏まえて進められますのでお勧めです。計画策定の進捗次第で、スケジュールが押している場

      • 長期経営計画のすすめ column_長期経営計画は企業戦略でつくる

        1. 4つの戦略 企業経営においては「戦略」という言葉がたびたび使われます。長期経営計画に関わる言葉としては、「経営戦略」「企業戦略」「事業戦略」「機能戦略」があり、体系的には下記のようになります。 企業戦略とは「企業としての未来の方向性を決定し、その実現に向けて経営資源を配分すること」です。つまり「将来、こんな社会を実現したい」「社会の中でわが社はこうありたい」という思いが未来の方向性を決定し、それを実現できている時にわが社の事業構成はどのようになっているかを描き、

        • 長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_現状分析 7. 現状分析のまとめ

          1. チェックポイント 「Ⅱ 企業戦略 _ 現状分析」では、これまで6つのテーマにて記述してきました。 1. MVVを振り返る 2. 事業構成を分析する 3. コア能力を再認識する 4. メガトレンドを調査する 5. 成長市場を調査する 6. 企業会計を分析する 上記の 1 . 2 . 3 . 6 が企業の内部環境分析、4 , 5 が企業を取り巻く外部環境分析になります。ここから内部と外部に分けて、テーマごとのチェックポイントを紹介していきます。 ①内部環境分析

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          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_6. 企業会計を分析する

          1.安定性を分析する 企業を存続させることは経営において重要なテーマです。よって企業会計の分析では、まず初めに企業の安定性を分析していきます。 経営者には「借入金は適正水準にしたい」という思いはあるでしょうし、連帯保証がついている経営者はなおさらでしょう。事業特性上、多くの設備投資が必要であったり、過去の大型投資がうまくいかなかったことなどが原因で借入金が膨らみ、その結果、支払い利息が多くなり、元本の返済が進まない状況に陥る企業もあると思います。 安全性を示す代表的

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_6. 企業会計を分析する

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_5. 成長市場を調査する

          1.市場動向を把握してる? 「機会を捉えて自社を成長させる」企業経営にとってこの当たり前と思われる取り組みが、私はビジネス現場において意外に実践されていないと思っています。 年度予算策定のタイミングで、市場動向を調査せずに昨対ベースだけで予算の妥当性を検討している会社が意外に多いと感じています。市場が伸びている時はそれでも辻褄が合うかもしれませんが、市場が停滞すると競合との価格競争が激しくなり、現場の努力が足りないと社員を追い込み、予算が達成できずに事業が衰退していき

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_5. 成長市場を調査する

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_4. メガトレンドを調査する

          1. 企業戦略における市場調査とは? 自社に複数の事業が存在する場合、企業戦略における市場調査は自社にある全ての事業に関わるような大きな社会の変化を対象として調査します。 市場調査の中にマクロ市場分析とミクロ市場分析という分析手法があります。マクロ市場分析は社会や経済など市場全体を広く俯瞰する分析です。分析するフレームワークの一つにPEST分析があります。政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの要素

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_4. メガトレンドを調査する

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_3.コア能力を再確認する

          1. コア能力とは何か? 「わが社のコア能力(コア・コンピタンス)は●●です!」と明確に表現できる企業は非常に少ないと思われます。私はコア能力を「複数の事業に適応できる企業としての能力であり、他社との競争優位をもたらす可能性が高い能力」と定義しています。競争優位をもたらすということは、つまり競合他社が模倣しようとしても、簡単には模倣出来ない能力ということになります。 企業が保有するコア能力は様々あると思いますが、私は長期経営計画を策定する上で、企業戦略としてのコア能力

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_3.コア能力を再確認する

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_2.事業構成を分析する

          ①事業ポートフォリオ分析とは何か? 事業構成の分析といえばプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)をイメージする方が多いと思います。中でもよく知られているのはボストンコンサルティンググループ (BCG)が開発したBCGマトリクスです。相対的な市場シェアと業界の成長率を使用したフレームワークであり、各プロダクトをプロットし、「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4象限に分類することで全体像を把握し、経営資源の分配に役立てることができます。(とてもわかりやす

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_2.事業構成を分析する

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_1.MVVを振り返る

          ①どんなタイトルを使っているのか? 長期経営計画の策定にあたり方針を定めた後は、企業戦略パートに入っていきます。私は『長期経営計画とは、わが社が長期的に実現したい未来、およびその時の事業構成を明らかにし、それを実現するための計画である』と定義しています。ここで記載している「実現したい未来」をミッション(Mission)やビジョン(Vision)にて表現していきます。 皆さんが所属する企業では、MVVと略される、ミッション、ビジョン、バリュー(Value)として表現され

          長期経営計画のすすめ Ⅱ.企業戦略_1.MVVを振り返る

          長期経営計画のすすめ column_他社を調査する

          ①何を調査するのか? 私は『長期経営計画とは、わが社が長期的に実現したい未来、およびその時の事業構成を明らかにし、それを実現するための計画である』と定義しています。長期経営計画の策定において最も重要なことは、「実現したい未来および、その時の事業構成」です。 よって最も調査してほしい内容は『実現したい未来と事業ポートフォリオの関係性』です。同じ業種や競合企業などがあるとイメージがつきやすいですが、関係性を理解することが重要ですので、インターネットで公開されている情報を幅

          長期経営計画のすすめ column_他社を調査する

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_5.体制を決める

          ①どんな体制をつくるのか? 長期経営計画の策定は企業規模や策定経験等によりますが、おおよそ9ヶ月間に渡る長期のプロジェクトになると「 Ⅰ.方針_4.スケジュールを決める 」にて記述しました。 よってテーマに応じて、必要なタイミングで適宜メンバーを参画させるのではなく、取り組みのはじめに方針として体制を構築しておくことをお勧めします。 企業特性に左右されるのですが4つの事業がある会社の場合における体制図の例を紹介します。 「 Ⅰ.方針_3.アウトラインを決める 」で

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_5.体制を決める

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_4.スケジュールを決める

          ①いつ社内外へ発表するのか? 長期経営計画においては、どこかのタイミングで社外や社内に発表することになり、この発表する時期から逆算でスケジュールを決めていくことになります。 まず社外に向けた発表をいつ行うか、特に上場企業で長期経営計画に携わる方は情報開示の観点からも気になるテーマの一つでしょう。事例からみていきましょう。ちょうど先日、2023年11月15日に株式会社デンソーが2030年や2035年に向けた長期経営計画を発表しました。 内容も大変参考になりましたが、今

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_4.スケジュールを決める

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_3.アウトラインを決める

          ①アウトラインとは? アウトラインとは概要や要約などの意味があり、長期経営計画においては「全体像を簡潔にまとめたもの」になります。 長期経営計画をはじめて策定する企業にとっては、計画を構成する項目にはどのようなものがあり、どこまで策定すれば完成するのか? どの項目がどの項目に影響を及ぼし、連動させないといけないのか? など解らないことが多いと思います。 経営陣含め多くの人が関わり、時間と費用をかけて取り組むプロジェクトです。初めの段階でアウトラインを策定し、全体像を

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_3.アウトラインを決める

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_2.期間・更新を決める

          ①長期とは何年なのか? はじめに多くの企業が策定している中期経営計画の期間を確認してみます。2021年に発表された論文「中期経営計画の特性と目標達成」において下記の記載がありました。 やはり中期経営計画は一般的なイメージの3年間が最も多く、公表企業の約 76%にあたります。 では長期経営計画はどうでしょうか。いくつかの論文を確認しましたが、上記の中期経営計画ような調査結果は見つけられませんでした。長期経営計画の策定自体が少ないことが影響していると思われます。中期経営計

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_2.期間・更新を決める

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_1.目的を決める

          ①長期経営計画は なに? で、なぜつくるのか? 中期経営計画の定義においては関連する多くの論文があり、そこで様々な定義がされています。しかし長期経営計画の定義は学術的な観点含め少ない印象です。そこで私なりの定義は以下となります。 『長期経営計画とは、わが社が長期的に実現したい未来、およびその時の事業構成を明らかにし、それを実現するための計画である』 そして長期経営計画を構成する要素については、このnoteの最後に記載している目次であり、今後、その内容を連載していきま

          長期経営計画のすすめ Ⅰ.方針_1.目的を決める