記事一覧
"やりたいことをやる"という罠
人生で最初に買ったCDアルバムはなんですか?
そんなことを聞けば「今更CDなんて」とぶつぶつとこぼしたくなる人もいるかもしれない。されど30代以上の皆様。きっと人ぞれにCDアルバムにまつわる思い出を一つや二つは少なくともお持ちという人もいるはずだ。ある人はレッド・ツェッペリンの、ある人はHi-STANDARDの、またある人はプッチモニ (つんく♂プロデュース) の思い出と共にあるかもしれない。い
バンクーバー旅行記 -癒しがすぎるビーチに台湾まぜそば-
前回に引き続いてバンクーバーお散歩記録。
朝起きてダウンタウンの街を彷徨う。雲の切れ間からちらっと青い空が見える。こういう時は「なんとなく午後に晴れるんだろうな」ということが感覚的に分かる。シアトルのような基本曇りみたいな場所で生きているとこういうことが直感で分かるようになるみたい。嬉しいんだかなんだか。
グランビール・アイランド (Granville Island)ダウンタウンを突き抜けて向
バンクーバー旅行記 - "シアトルの兄弟"と呼んでいいかしら -
バンクーバーはずっと行きたかった。ぼくが住んでいるシアトルから飛行機で1時間、もしくは車で3時間ほどの距離。陸続きなので車でさっと行けてしまう。それもあってかシアトルに住んでいる多くの人がちょっとしたお出かけでバンクーバーを訪れるという話をよく耳にしていた。近いとはいえシアトルはアメリカの、そしてバンクーバーはカナダの街なので国境をまたぐことになる。でも感覚としては"隣町"のようだ。
バンクーバ
Noteの文章がすべて自動で書かれる未来が来るか?
ロアルド・ダールの『あなたに似た人』という短編 (I・II)がとても面白い。ロアルド・ダールと言えば『チャーリーとチョコレート工場』という映画の(あのファンシーな格好に身を包んだジョニー・デップが主演の映画ですね)原作者と言えば伝わる人もいるかもしれない。この有名過ぎる短編集はただの"面白い"、もしくは"上手い"小説ではない。もちろん短編の名手というだけあって、ストーリー展開も巧みだし紡ぐ言葉はす
もっとみるクニさんから学んだこと -そのミスだけはしちゃだめよ-
ぼくが高校一年生のときの話。当時ぼくは神奈川県は横浜市の中高一貫校に通っていた。よりにもよって男子校だ。"中高一貫"で"男子校"ともなると世も末だ。だらけきっていて目も当てられない。ティーンネージャー真っ盛りのガキンチョがほぼパンツ丸出しで腰パンをしていた。踏み潰した黒い革靴をパカパカと鳴らしながらオラウータンのようなオラオラ歩きをしていた (くだらないですね)。あるものはバンドに目覚め、あるもの
もっとみるその封筒を開けてはならぬ
あれはもう7年前の話だ。ぼくは当時アマゾンジャパンという会社で働いていた。ぼくはAmazonの商品の中でもギターやピアノ、はたまたスピーカーなどを取り扱う楽器・音響機器の事業部に属していた。いわゆる営業っぽい仕事で、メーカーさんに商品を登録してもらってそれをAmazonのWebサイト上でどのように売り出すか考えて施策を実行する。そもそもが音楽が大好きなこともあってこの仕事はとても性に合っていた。取
もっとみるトイプードルを預かったら人生変わった件
どうしたものか。2匹のトイ・プードルがなんでぼくの部屋にいるのか。この独身アラサーの寂しい男(つまりぼくのこと)を健気に見つめるこの4つの瞳は一体なんだ?
話は2020年に遡る。当時の日本は(というか世界はというべきかもしれないけれど)コロナ真っ只中だった。
ぼくはその頃アマゾンジャパンという会社で働いていて(Amazonの日本支社)日本で開催するプライムデーの全体を統括するプロジェクトマネー
レゴの贈り物 -ぼくの仕事の原点-
みなさん習い事ってしてましたか?ぼくはしてました、人並みに。プールや公文 (KUMON) に精を出していた…とは言わないまでもそれなりにやっていた記憶がある。小さい頃ってなんだか大人になる通過儀礼のようなものとして習い事が存在していた気がする。そんな習い事の一つにとても思い出深いものがある。
小学校1年生だったか2年生だったときのこと。ぼくはエレクトーンを習っていた。エレクトーンとは電子オルガン
好きになるとは、嫌いになることだ
石を投げれば飲み屋に当たる。
そんな言い回しがしっくり来るのが中目黒という街だ。改札を一歩出れば、ありとあらゆる飲み屋が目に飛び込んでくる。立ち飲み屋でひとり生ビールをくいっと飲み干すくたびれたサラリーマン、おでんをつつきながら日本酒を味わう若い女性たち、はたまた暗がりのバーで肩を寄せ合いながらシェリー酒に口をつける大人のカップル。訪れる人々が皆思い思いの形でグラスを、もしくはおちょこを傾ける。
Noteを書く意味 -名もないブログがあるから-
人生でほんとうに悲しかった時期が何度かある。もちろん生きていればすべての人がなんらかの壁にぶつかるわけであって、誰だって打ちひしがれたり涙で枕を濡らしたりすることはあるだろう。だから取り立てて「ぼくは不幸でした」なんて主張するつもりはない。言いたいのはぼくも人並みに苦しかったことがあるということだけで。
20代前半はそんな悲しさがピークに達した時期の一つだった。「なんでそんなに悲しかったのか?」
シアトルでアウトドア -アイスフィッシング編-
シアトルで冬の釣りといえば(少なくともぼくにとっては)イカ釣りだ。ただ2月にもなると流石にイカも釣れなくなってくる。するといよいよ釣るものもなくなってくるので「春が来るまでは釣りは一休みするか」となる。こたつに入ってぬくぬくしながら冬を過ごそうじゃないか。そんな気分になるのだ。
…でもまだあった。冬に出来る釣りがまだあった。しかも「これぞ冬の釣り」と呼んでしまいたくなるような釣りが。ポップで刺激
サンアントニオ旅行記 -世界遺産と微妙なラーメン-
サンアントニオを訪れた初日にNBA観戦をした (それについてはこちらの記事に書いた)。観客席でじっと試合を見ていると隣のおっさんがフランクな感じで話しかけてくる。地元に住む人で小さい子供のいるお父さんらしい。タプタプとしたお腹と優しくもたくましく生えたヒゲがトレードマークといった輩だ。まあよくいる中年アメリカ人男性といえばそれまでだが。ヒゲの奥に隠れた小さな口から発する言葉はこうだった。
「ふむ
サンアントニオ旅行記 -コーラといえばメキシコでしょ-
サンアントニオの旅は続く。天気に恵まれたこの日はひたすら散歩をすることにした。
街並みはどこかカラッとしていてそれでいて親しみやすい温もりがある。行き交う人々は気が抜けているようにも見えてリラックスしている。ちょっとよそよそしい感じのするシアトルの人々とはこんなところにも違いがある。当てつけかもしれないがアメリカでは南に行けば行くほど、そして気候が暖かくなればなるほど、人当たりはいいように思える
サンアントニオ旅行記 -224cmの怪物-
なんでバスケが好きか。そう考えたところで答えは出ない。
だけどなぜかは分からないけれど、物心ついた時からバスケだけは好きだった。小学生の頃にスラムダンクにハマったことはもちろん重要な体験だけれど、それと同じくらいNBA (National Bastketball Association - アメリカの男子バスケのプロリーグ) にハマったこともぼくにとっては大事な事件だった。マイケル・ジョーダンが