【金魚譚】小咄

漆「美嘉…?何そんな難しい顔して…」

美嘉「みかはうゆしさんにはなせないことなんて、ないはずなの…」

漆「うん」

美嘉「だかやね、はなすのよ」

漆「うん。じゃあおいで」

ソファーで美嘉を膝に乗せる漆。

漆「で、俺に何を話したいんだ?」

美嘉「あのね、あのね、きょう…こくはくさえちゃったの」

漆「ふぅん。何て返したの?」

美嘉「ごめんなさいって」

漆「何で断ったの?」

美嘉「え

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ありがとう٩( 'ω' )و
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『ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!』

新井は心の中で叫んでいた。毎晩、毎晩。
「自分のシノギ」は手に入れた。だけど思ったように利益が上がらない。初期費用はかからなかった。営業だって毎晩遅くまでやっている。毎日の893務めが終わってから自分の時間を全て捧げてこのラーメン屋台をやってる。寝る時間は以前の半分になったし、ギリギリまで頑張っている。味の研究だってヒマがあればやってるし、出来る限りの事

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最高!L('ω' L )フゥー!!✨
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芳恵にとって今日は特別な日になった。

憧れていた彼にとうとう告白したのだ。
いつも誰かを笑わせて楽しくてクラスでも1番の人気者。自分のやりたいことをやりたいようにやる性格。見ているだけで、ふわふわと幸せな気持ちになれる彼に、いつしか憧れていた。
告白してから帰るあいだ、彼の言葉を何度も思い出しては喜びに包まれた。
「うん、俺も好き」
中学校から家までの帰り道、ずっとふわふわと幸せな気持ちだった。

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うひょー!😍😍😍
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アラさんは、いま所属しているウチの組織に来る前は別の組織に所属していた。
その組織は昔から主なシノギをテキ屋稼業にして、この世界を渡ってきた組織だった。
しかし近年の景気の悪化と「暴力団」に対する法の抑圧で徐々に組の運営が難しくなり、ついに組は一時解散。子分達が路頭に迷わないようにと悩んだ親分が頼ったのが兄弟分のK。
K組に「預かり」という形で、アラさんはいまの組織に身を置くことになった。

「や

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わぁーいᐠ( ᐛ )ᐟ✨
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「シノギを見つけないと…」缶ビールを2口流し込むとすぐに横になった。金を作らにゃいかんのはわかっている。だが、893らしい事は不得手、ネットワークも資金も無い…
「ふぅ〜…」眠くて回らない頭で考えるが何も浮かんで来ない。シノギの事を考えてるつもりだが、いつの間にか娘の顔ばかりが浮かんで来る。そうしてる内に、だんだん気持ち良くなり彼はまた知らぬ間に眠りについた。
ぬるくなった缶ビールが中身を半分残し

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嬉しいです✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。
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「今まで貧乏839なりに何とかやってこれたが…こればっかりは先延ばしに出来ねぇからなぁ…」
いつもの帰り道。
睡眠不足で重い身体。散らかった車内。この時間はまぶたも重く、眼のピントが合うのも遅いから、いつもゆっくりと運転するようにしている。いつもの赤信号で目を閉じて、もう一度考えた…ボーッとして頭は回らないがこれだけは間違いない。家族のために金を作らないといけない。
疲れて火照った顔に生ぬるい風が

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事務所と自宅の往復で睡眠時間も少ないであろうアラさんにはコレといったシノギがなかった。
同期の893にはやれ金貸しだ、野球賭博だとみるみる力をつけて出世した者も少なくない。だが生来気が弱く、楽しい事が好きで、どちらかと言うと平和主義者の彼はなかなかシノギを任される機会に恵まれてこなかった。
『新井なぁ…アイツええ男やねんけど、アイツにはこのシノギはでけへんやろ…気ぃ弱いでなぁ…ワシらも舐められたら

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うひょー!😍😍😍
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初投稿で小説書いてみた

『おい!〇〇が死んだぞ!』焦った事務所幹部はまるでお前のせいだ!と言わんばかりの口調で怒鳴った。おそらく事態が飲み込めず心の底で沸き上がる不安となんとかして戦っていたのかもしれない。

〇〇に入る名前は、新井
『アラさん!アラさん!』と読んで親しくしていた。細長い一重の目は笑うと消えてしまうほど小さくなり、体型はずんぐりむっくり、893のくせに気が弱く、オマケに包茎のため銭湯に(この世界ではよく仲

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【金魚譚】真夜中の来訪者

午前三時。
 蜷川邸の寝室に、ベッドのスプリングが激しく軋む音は響いている。

 暫くして、事を終えた夫婦がそのまま寝息をたて始めた。

 その一時間後。
 夫の漆が眼を覚ます。

 程なくして、ぐっすり眠っている妻の美嘉を一瞥し、冷え切った部屋から漆は出て行った。

 漆は喉が渇いたのだろう、一階のキッチンへ下り、冷蔵庫から麦茶の入ったガラスポッドを取り出し、それをコップに注ぎ、一気に飲み干した

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