本格ミステリ

英国に新本格の波来たる! ヤバいポケミス『名探偵の密室』

今月のポケミスは、正直ヤバいヤツです。
ミステリの本場英国から、まるでかつて英国をはじめとする黄金期ミステリへの愛から新本格派の潮流をつくった日本へのアンサー、あるいは挑戦状ともいうべき作品が登場しました。クリス・マクジョージ『名探偵の密室』(不二淑子訳)です。

『名探偵の密室』
クリス・マクジョージ/不二淑子訳
8月6日発売/定価1800円(税抜)/ハヤカワ・ミステリ

かつて少年探偵として名

もっとみる
ありがとうございます!今後共どうぞよろしくお願いいたします。
21

十角館の殺人

ミステリー好きなら誰でも知っている定番なタイトルだろう。新本格ミステリーの綾辻行人のデビュー作である。

そもそも「本格」ってなんだろう。またその本格に新がついて「新本格ミステリー」である。駅名でよくありがちな「新」をつけるというそれと一緒だろう。まあこれらはミステリー界の概念らしい。

初めて読んだのはだいぶ昔の話である。

それまでミステリー系は、赤川次郎などの比較的軽いタッチのものしか読んだ

もっとみる

笠井潔著『探偵小説と二〇世紀精神』

笠井潔の『探偵小説と二〇世紀精神~ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つか?』は、前半が「1 形式体系と探偵小説ロジック」、後半が「第三の波とポストモダニズム」となっている。
前半は法月綸太郎の言う<後期クイーン的問題>に呼応した内容を扱っており、エラリー・クイーンの『ギリシア棺の謎』と『シャム双生児の謎』が標的にされている。
これに対し、後半は巽昌章の「論理の雲の巣の中で」にインスパイアされており、

もっとみる

「わくわくミステリーワールド第10シーズン」は新訳・新装の黄金時代本格ミステリ!

【わくわくミステリーワールド第10シーズン開幕!】

 2017年4月にスタートした「冴沢鐘己のかしこTV」内コーナー「わくわくミステリーワールド」も、ついに第10シーズン突入となりました。

 トータル100週ですよ。毎週1冊でも100冊のところ、最低でも週2冊は紹介してたので、200冊以上を語ってきたわけです。となると、最初の頃のは忘れてるよねえ。

 てなわけで、ここでひとまわり。ちょうど、

もっとみる

電子辞書のことを「電気辞書」といっている老人がいた

〇月〇日

 妻くんが2017年の超話題作、今村昌弘「屍人荘の殺人」(東京創元社)を読んでいる。本格ミステリが好きなのだ。
「屍人荘とはね……********」
 とネタバレしてくるので、困る。
 私は、まだ読んでいないのだ。

〇月〇日

 公立図書館にて。
 電子辞書のことを「電気辞書」といっている老人がいた。

〇月〇日

 実家に帰ると、CDの棚を見まわす。
 テクノレーベル、フロッグマン

もっとみる
美しい夏の闇に包まれながら、炎の川を歩いていく(「よろこびのなか…」)
113

【インタヴュー】華文ミステリに花開く〈新本格〉の遺伝子 ――『元年春之祭』著者、陸秋槎氏大いに語る

(書影は『元年春之祭』ポケミス版にリンクしています)

 この秋、ポケミス65周年記念作品として、いま勢いを強める華文ミステリの新たなる傑作『元年春之祭(がんねんはるのまつり)』が翻訳刊行された。日本の新本格に影響を受け、その他海外の様々なミステリを吸収して、漢文学の素地から独自の本格ミステリに昇華した、著者の陸秋槎氏が、その思いを語る。(編集部)

インタヴュアー・文/杉江松恋(書評家・ライター

もっとみる

作者との頭脳バトル。本格ミステリこそ最高のエンタメ

突然ですが、大好きな「本格ミステリ小説」について紹介したいと思います!!!!!!!!!!!!!!

本格ミステリ小説とは…ミステリの中でも「謎解きやトリックを重視した作品」を指します。代表的な作品は「シャーロック・ホームズ」シリーズです。

▼本格ミステリの楽しいところ
①「犯人誰だろう~」と推理しながら読み進めるのがまず楽しい
②最終章で探偵によって謎が明らかにされ「犯人間違えた~」な瞬間も楽し

もっとみる

『ミステリー・シーン』掲載記事「密室シーン」

島田荘司先生の『本格からHONKAKUへ 21世紀本格宣言Ⅱ』を読んでいたときのことでした。この著作には歴代の「本格ミステリー・ワールド」の巻頭言が収録されているのですが、「本格ミステリー・ワールド2011」の巻頭言「2011年の転換点」の中に、個人的に興味を惹かれる記述がありました。その箇所を以下に引用してみると――。

 そのパグマイア氏が、「ミステリー・シーン」七月号掲載の「密室シーン」

もっとみる

ミステリーがすきな理由/『屍人荘の殺人』今村昌弘

「本格ミステリ」の定義ってなんだろう。

難しいトリックがあって、人も死んじゃったりなんかして、終盤に差し掛かる頃に「どうぞあなたも考えてみてください」とそれを提示されて。

あとは探偵が「さあ」とか「それでは」とか言いだして、鮮やかに解決したりなんかして。

そんなふうにぼんやりと思っていたけれど、もしかしたらちょっと違うかもしれない。

さらには「新本格ミステリ」というものもあって、なんかちょ

もっとみる

綾辻行人『十角館の殺人』ワシントン・ポスト掲載レビュー

綾辻行人さんの代表作『十角館の殺人』の英訳版である The Decagon House Murders の出版を受けて、ワシントン・ポスト紙にレビューが掲載されました。それが2015年7月15日ということで、もう3年ほど前のことになるのですが、最近ふと思い立ち、探してみたところレビューの完訳が存在しなかった(あったらすみません)ので、訳してみることにしました。個人の趣味での翻訳なので、お読みになる

もっとみる