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寂しさと隣り合わせの四半世紀

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寂しさと隣り合わせの四半世紀~あとがき~

寂しさと隣り合わせの四半世紀~あとがき~

ふつうの家族ってなんだろう。
人生の節々で、そんなことを考えていた。

社会人になって一年、ほんの僅かな休職期間中の暇つぶしにと思って始めたこの企画、予想以上に色んなことを思い出す時間となった。

正直、保育園や小学生の頃のことなんて曖昧な記憶だし、大学生の時に家出していたこともつい最近まで忘れていた。そういう性格なのだ、昔から。嫌なこと苦しいことはすぐに忘れてしまう。

それでも正体不明の寂しさ

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寂しさと隣り合わせの四半世紀~大学生~

寂しさと隣り合わせの四半世紀~大学生~

ふつうの家族ってなんだろう。
人生の節々で、そんなことを考えていた。

大学二年生の終わりに差し掛かった頃、前代未聞の未知のウイルスが全世界を脅かした。

『ステイホーム』

毎日テレビでもSNSでもその単語ばかり見た。くそくらえ、と思っていた。

学校も会社もフルリモートになって家族全員が24時間同じ空間にいる状況は、じわじわと私の心をむしばみ、気づけば私は家を飛び出して、近所の図書館→WiFi

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寂しさと隣り合わせの四半世紀~中高生~

寂しさと隣り合わせの四半世紀~中高生~

ふつうの家族ってなんだろう。
人生の節々で、そんなことを考えていた。

高校生の頃、同い年の友人(と呼べるのかも微妙だが)が一人亡くなった。
自殺だった。

▼友人についての記事はこちらもどうぞ

彼女とは『School of Lock』というラジオ番組が運営する掲示板サイトで出会った。「未来の鍵を握るラジオの中の学校」として、お笑い芸人が校長、副校長に扮してリスナーに電話をつないだり、様々なアー

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寂しさと隣り合わせの四半世紀〜小学生〜

寂しさと隣り合わせの四半世紀〜小学生〜

ふつうの家族ってなんだろう。
人生の節々でそんなことを考えていた。

小学校低学年の頃、ピンポンダッシュが流行った。
インターホンのチャイムを鳴らし、その家の人がドアを開ける前に死角に隠れる、性質の悪いいたずら。
学童で一緒だった気の強いKちゃんの言うことに逆らえず、陽が落ちた通学路に並ぶ友人宅をピンポンしてまわっていた。

ある日、同じクラスのSちゃんの家をピンポンした際、隠れるのが間に合わずS

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寂しさと隣り合わせの四半世紀~幼少期〜

寂しさと隣り合わせの四半世紀~幼少期〜

ふつうの家族ってなんだろう。
人生の節々でそんなことを考えていた。

24の小娘が「人生」だなんて鼻で笑われそうだけど、確かに私が選び歩んできた道とそこにあった思考の形跡は、誰にも渡したくないし侵されたくもない。
社会人1年目を終えようとしている今、私は1か月仕事を休むことにした。
これを機に自分の足跡を辿ってみた。

ふつうの家族ってなんだろう。

そう最初に思ったのは物心ついてすぐの、保育園に

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