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Ep19 リチャードと甘い汁
その昔、ロシアがかつてUSSR(あるいはCCCP)と呼ばれていた時代。アイツらときたら低級もいいところのワイン、それこそ皮や絞りカスが混ざった、そんな粗悪品をルーマニアからタダ当然で仕入れては、ベトナムに米と交換させていたんだ。まぁ、ベトナムの農夫たちはワインなんて飲んだことなかっただろうから、そんなものでも美味いもんだと、ありがたく頂戴していたんだろうけどな。搾取とはそういうことだ、ワインだけに
もっとみるEp18 リチャードのBoxing Day
ドイツ人の友人宅でビールを飲んで過ごすんだ。クリスマスの身の振り方はいつもそうだ、とリチャードは笑う。
ケンの家にはサンタは来るのか?だったら、水と草を用意するべきだ。娘さん、まだ小さいだろう?「善いことしか」まだ信じない、そんな年齢だからな。彼の言わんとすることが分からず、どういうこと?と聞いてみる。「トナカイさ」。ベランダに水と草を置いておくだろう。すると次の日それが消えている、そういうこと
Ep17 リチャードとハロウィーン
ハロウィーン?!・・・アメリカの祭りなんて!カボチャとか、お化けとか、素朴なことはいいことだ。だがな、因縁や執念に満ちたイギリスの祭りにはかなわないぞ。そうやって祖国の弟分の文化を一笑に付すリチャードなのである。
1605年、ガイ・フォークスという男があることをした。イギリスでは、今も彼にちなんで、秋深くなると、その祭りを催すのだそうだ。「何をした人のお祭りなの?」えっ、ほんとっ?!「テロリスト
Ep16 リチャードと紅茶
カテキンに抗酸化作用があり、さらに細胞のマクロファージが活性化されるから免疫系に効いて健康に良いのだとか、煎茶、抹茶、ほうじ茶、玉露茶、はたまた十六茶といった豊富な種類があったりだとか、茶室で正座をし、手びねりの茶碗、それを回して頂いたのち、飲み口を指で拭き取って結構なお手前でしたと謝辞を述べるといったお作法だとか。日本人と日本茶には、並々ならぬ深い関係がある。では、イギリス人にとっての紅茶はどう
もっとみるEp15 リチャードと難民話
寿司にキムチをのっけて食べられるのを、キミは良しとできるか?冗談めかしてリチャードが問いかける。北朝鮮からの戦争難民がドッと日本に押し寄せてくるとする。そんな時、日本はどうするんだろうな?即答できない。きっと、法律が整ってないからとか、場所がないからとか様々な理由をつけて、受け入れることはないんだろうなと思う。
昨今のヨーロッパでのシリア難民受け入れ問題。ニュースを見ていて胸が痛くなる。治安、受
Ep14 リチャード 神風が吹く
次会った時にDVDを貸してあげるよ。そう言われていたので、朝玄関ホールで会った時、リチャードの手元に置いてあったビニール袋が何なのかを瞬時に察した。中身を取り出そうとする彼に、thank you、と先にお礼を告げる。けど、なんのDVDなのかは皆目見当がつかない。
ごそごそと取り出された3枚のDVD。白ディスクにマジックでタイトルが書いてある。想像と違った。既製品を貸してくれるものとばかり思ってい
Ep13 リチャードとキャラ設定
シャーロックホームズは、コカイン中毒だ。しかも、情けもへったくれもない。ワトソンがホームズを懸命にサポートしてくれていることも意に介さない、実に自分勝手な男なんだ。大好きだという「ハリーポッター」の著者が、普通の主婦からいかにしてスターダムにのし上がったのかなど、そんな話をしているうちに、リチャードは、物語を奥深くしてくれるものは何だと思う?それは、キャラ設定だよ!と冒頭のたとえを例にだし、持論を
もっとみるEp12 リチャードと農耕祭
ユットチョイチョイ。イギリス人のリチャードにタイ語を教わるのも妙な気分だが、今日は「農耕祭」という祝日。それをユットチョイチョイと言うんだよと御大。
直訳すると、stop so so ということだそうで、和訳すれば、ぼちぼち止まる、という感じの意味になるが、いわく今日の祝日とは「止まりたい人だけが止まる日」なのだそうだ。うーん、よく分からないけど?と僕が聞くと、そうだな、optional hol
Ep11 リチャードと時刻表
リチャードに指摘されるまで気がつかなかったことの方が、むしろ驚きである。タイの電車(BTSと呼ばれる高架モノレール)には「時刻表がない」ということに。そんなことだから、タイには国としての真の成長がいつまでたっても訪れないんだ!と御大、いつになく手厳しい。
僕も通勤に使っているその「時刻表のないBTS」だが、遅くても10分に1本のペースで、実はそこそこコンスタントに発着してくれる。なので、時刻表は