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考え方の道具箱(TOOLBOX)

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ヒゲリンが若い時分から、ものごとを捉えるときに使ってきた道具(TOOL)としての考え方や理屈を紹介します。中核になるのはユング心理学、シュタイナー、そして児童福祉や教育の実践者の… もっと読む
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記事一覧

違和感①

違和感①

 天神の裏通りを歩いていて、「あれっ」と思いました。イタリアンの店が閉店していたのです。あんなに繁盛していたのに、コロナ下でも持ちこたえていたのに、ちょっとショックでした。立ち止まってしばらく考えるでもなく玄関を見つめてしまいました。

 コロナになってもう何度も、「この店がなくなるのか」というのはありましたけれど、改めて背後で進んでいる世の中の変化の大きさを確認しないといけないなと思い直す出来事

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社会圧

社会圧

 ググってみましたが、いまのところ「社会圧」という言葉は見当たらないみたいです。でも今ほど「社会圧」と呼べるような事柄について考える必要があるのではないかと思います。コロナ下、国の感染防止対策の無策というか無責任が、様々な形の相互監視の同調圧力のようなものを日本国民の中にたくさん生み出してしまい、梅雨空のような暗雲が私たちの頭上に何層にも重く重く圧し掛かっていると思うからです。

 ただでさえじと

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100歳

100歳

 40代で児童養護施設をクビになった頃、漢字学者の白川静先生の存在を知りました。漢字や古代中国、万葉の世の人間のあり様や文化に関する深い洞察や知見を得て、目から鱗がポロポロ落ちるような思いをしました。

 そうしてもう一つ大きな影響を受けたのが、白川先生の生き方です。

 立命館で教職を得るまでの道のりも学ぶところが多いですし、高橋和巳先生とのエピソード(『わが解体』)も心を打たれますが、何といっ

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いつも変える努力

いつも変える努力

 テレビ東京『カンブリア宮殿:オフィスを激変させるオカムラ戦略』はとても刺激的で、本質的な学びを得ることができた番組でした。

 中村雅行社長の金言は

 【「差」ではなく「違い」で売れ】

 「創業者にいつも言われたのは、『今を破壊して新しいものをつくれ!』『今までのやり方を変えろ』でした」

 「最近つくづく思うのですが、世の中の動きがものすごく速くなっているんですね。規則とか組織とか、情報シ

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つながって流れていくものをいのちと呼ぶ

つながって流れていくものをいのちと呼ぶ

 人はある時自分のいのちの有限に気づくと、永遠に想いを馳せるようになると思います。ものすごく大雑把に言うと、そこに立ちすくんでしまうと深く悩んだり病んだりするのではないかと思うのです。

 悩んだり病んだりしているものの多くは、流れが滞っている状況だと私には感じられます。自分のいのちの中の、ある場所、ある時点に立ち止まって、その辺りをウロウロしているうちに、あっという間に光陰矢の如くいのちは終わっ

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跡地

跡地

 おそらく他の街でも同じようなことが急速に進行しているのでしょうけれど、福岡市では新しいお店がたくさん開店しています。それは、いままで営業していた店舗が閉店したり、後継ぎがいなくて店じまいしたりしたからなのでしょうが、コロナによって、それが急加速してしまったのではないかと思います。いままでだったら長年変わらなかったようなメインの場所の景色が次々に変わっています。

 そんな中で、閉店したままの店舗

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パラドックス

パラドックス

~ 社会の底の方で、吐き出される声 ~

★ 子どもの頃の教師への激しい恨みを、自分の子どもに投影して訴え続け、誰かれなく謝罪させたい人

★ 「育てられない」と言い続けて、社会に”私”を「育てて」と言い続ける人

★ 「俺は正しい」「立派だ」と思いたくて、思っているけれど、妻も子どもも全くそう思っていないしものすごく困っている、どこにでもいる男の人

★ おそらく、ダブルバインド(G・ベイトソン

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ウエストコースト

ウエストコースト

 noteブログで、佐渡島庸平(コルク代表)さんが、福岡市に転居されたことを知りました。これは福岡にとって大きなエポックだと考えます。 

 潜在的に進んでいた地殻変動のようなものが 、コロナになって一気に顕在化してくる魁のように感じられます。未来に鼻が利く佐渡島さんが福岡に来ることで、エネルギーの核のようなものがごっそり動いてくるような予感があります。

 もう20年以上前ですが、当時福岡市文化

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自分しか良いと言わないものにお金を使う!

自分しか良いと言わないものにお金を使う!

自分しか良いと言わないものにお金を使う! 落合陽一

 落合陽一さんは大学でアートの授業をするときに、学生にまず自分が好きなものを100個書てもらうそうです。そうすると、100個書くのは大変で、多くの学生が書けないらしいです。次に書いたものを1人ずつ順番に読み上げてもらって、自分が書いたものに同じものがあったら消してもらうそうです。それで残ったものが自分だけが好きなものになると思うのですが、ほとん

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