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ものがたり。

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童話と短めのはなしです。思いついたら書きます。
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チョコバナナパフェ バナナ抜きで

チョコバナナパフェ バナナ抜きで

※2分ほどで読めます。

ーーー

「チョコバナナパフェひとつ」

「はい」

「あの、バナナ抜きでお願いできますか?」

ウェイトレスは、すこし間を空けて、できますと答えた。

「じゃあ、それでお願いします」

彼は、にこやかに答え、メニューをウェイトレスに渡した。

「相変わらず、バナナは食べないんだね」

私が言うと、

「好きではないからね」

彼は、上着を脱ぎながら、静かに答えた。

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忘れられたロボット

あぁ、あのシルクハットの男のことかい。

覚えているものなにも、強烈だったからね。一生忘れないんじゃないかな。こう、なんというか脳にこびりつく感じさ。最近は、ぱったりと見かけなくなった。ある日を境にね。

朝、店の準備をしていたら、外からブツブツと声がしたんだ。私は、ほうきを持って店の外に出た。そしたら男がロボットに向かってなにやらしゃべっている。店の前に古びたロボットがあったろ。

もちろん、怪

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あなをさがしに

あなをさがしに

列の先頭は、遠くてよく見えません。

列の進みはやけに遅くて、カメのようにゆっくりと進んでいきます。

ピーターが列の最後尾から前の方をのぞくと、その顔触れは様々で、ずいぶんと個性的でした。人ばかりではなく、牛や馬、猫や犬、あっ、モグラが列を割り込んで怒られている。ちょうちょやとんぼ、コガネムシにカブトムシ、虫たちも律儀に何かの順番を待っていました。

ピーターは、まだ子どもです。たぶん年

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雨の音。

「ピチャピチャピチャ」

黄色い長靴、赤い水玉模様の傘をさしながら、女の子は雨の音を口ずさんでいました。

道路にはいくつも水たまりができています。女の子は、水に濡れるのも、汚れるのも気にせず、あえてジャブジャブと水たまりを通って歩いていました。

しばらく水たまりと遊んでいると、向かいからお母さんと手をつないだ女の子が歩いてきて

「テテンテン、テテンテン」

と雨の音をマネしながら

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星と飛行機

星と飛行機

「あっ、あぶない!」

しずくは、顔をそむけました。

しかし、しばらくしても、何も起こりません。

しずくは、おそるおそる再び夜空を見上げました。

夜空は、平和そのもので、しんと静まり返っています。

しずくの隣には、おじさんがいました。おじさんは、お母さんの弟です。

「おじさん、ずっと空見てた?」

しずくは、聞きました。

「あぁ、見てたよ」

おじさんは、夜空から目をそ

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ちいさな星と夏の夜

ちいさな星と夏の夜

キャンプに行く日が決まってから、裕翔は、ずっと有頂天だった。

はやく、明日が来ないかと、ワクワクして気が気じゃなかった。のんきに空を渡っている太陽を急かしたいくらいだ。

行く先は、静かな山奥にあるキャンプ場で、夜になると満点の星空が見えることで有名な場所だった。

裕翔は、筋金入りの星好きだった。ただ見ているだけで、落ち着いた。

幼稚園のころ、裕翔は、「星は夜が好きなんだ」と思っていた。夜に

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お風呂場エチュード

お風呂場エチュード

「お風呂洗うのうまいね」

という母の口車に乗せられ、私はいつの間にかお風呂当番になった。

お風呂洗いは、毎日の日課だ。学校から帰ると、靴下を脱ぎ捨て、まず浴室に行き、渇いた湯船にシャワーでお湯を流す。まんべんなく、浴槽全体にいきわたるように。

お墓参りで、墓石に水をかけるときの気持ちとおなじかもしれない。お疲れ様、お久しぶり、のど渇いてたでしょ、そんないたわりが私のシャワーには込められて

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キャベツ

キャベツ

スイスイと、流れる川を泳ぐ一匹のカエルがいました。

この川は、いつも泳ぐ川です。もう長いあいだ、泳いでいるので、目を閉じても、どこになにがあるかは、はっきりとわかります。カエルは、平泳ぎをしたり、バタフライをしたり、時には腹を太陽に向け、死んだふりをして、遊んでいました。

泳ぐことにも飽きてくると、近くのキャベツ畑にいって、ひと眠りします。キャベツの葉と葉の間に入って、それを布団代わりにし

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