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蒼い恋

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記事一覧

獏だった。

獏だった。

もう駄目?
うん……無理

何故かな 何が無理なの?
結局言わないんだね

もう駄目?
もう駄目なんだよ
判れよ
好きとか嫌いなんて
今更……

言い訳為る気なんてない
俺は俺
お前はお前

お前にはお前の夢があったよな

俺もだよ

その夢の話ししながら
眠りにつく
すげぇ幸せだった

語るエネルギーってさ
凄いだろう

その後お前と燃えるのが
堪らなく良いんだよ

それがある日消えた
甲斐甲斐

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マジックタイム

ありふれた一日が
その時だけ震える
マジックタイム

すれ違う その一瞬
眩しくて
嬉しくて
触れたくて

囀るように
歌うように
誰に話しかけているの?

見送る後ろ姿
視界から消えていく後ろ姿

ありふれた一日が
その時だけ震える
マジックタイム

いつも通り 
すれ違うはずだった

囀るように
歌うように

その声が
鼓膜に響く

モノクロから
カラーへかわった瞬間

立ち止まる君の
ふり返

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お題&タイトル バラ園未解決事件 2000文字以内。 

お題&タイトル バラ園未解決事件 2000文字以内。 

「どうしてこうなったか? そんなの決まってるよ。蒼が変な事言うからさ。俺は弱虫じゃないからな! 笑うなよ」
「バカだなぁ。怖いなら怖いって言えば良いのに。佐久は意地張りすぎ」
俺は憮然として遥を睨むと、
「でっ、結局辿り着けなかったと言う訳か」
黙っている俺の肩を叩き、遥が笑う。
「じゃぁ! ふたりで行くぞ!」
俺がキョトンとしていると
「何? 俺とでも怖い?」
「だから、怖くないって!」
遥は俺

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俺たちの春風 四

俺たちの春風 四

 式を終え教室に戻り、一限目は
自己紹介で終わった。
「あのぉ、あの宮下信也君いますか」
「宮下君! お友達来てますぅ」
入り口を見ると優弥! 俺は思いっ切り前のめりで飛んでいった。
「どうした?」
俯く優弥が、
「あのね……ライン」
「そうだ! 来てくれて有難う!」
交換しながら、
「委員会一緒のにしない? 多分残るのは、美化委員か園芸委員だから。美化委員立候補しよう?
良い?」
「任せろ!」

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俺だけの春風 三

俺だけの春風 三

 学校が見えて安心した俺たちは立止まり息を整えた。
「ハアハアハア早いね、優弥は」
「ハアハア、信也だって速くて驚いたよ」
 俺たちは汗を拭きながら校門を通り抜け、一年の受付を済ませると、クラス分け表を見に行った。
 なんと同じクラス! なんてドラマみたいなことは無く、優弥は隣のクラスだった。
「あの……信也……良かったらライン交換しない?」
「えっ!」
嘘っ! 嬉しい優弥!
「ダメ?」
「駄目な

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俺たちの春風 ニ

俺たちの春風 ニ

 あれからとんとん拍子に事は進み、俺は晴れて「私立霞山大付属霞山高校」に入学、勿論男子高だ。
 いよいよ入学式当日。
昨夜から興奮気味の俺は、足取りも軽く駅に向かった。
 電車に乗り周りを見回すと、同じ学ランを着たピッカピカな奴や、先輩男子がウヨウヨいる。
お~やった!女がいないってほっとしていた矢先、突然前の女性が立ち上り、凄い勢いで降りて行った。その時俺の手は、彼女に弾かれスマホを落としてしま

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俺たちの春風 一  お題BL小説初心者 3000字以内

俺たちの春風 一  お題BL小説初心者 3000字以内

 俺の中にあった違和感が少しずつはっきりしてきたのは中学二年の終わり頃からだった。
それは、特に一対一で女子と関わると顕著に現れた。
酷い疲労感を覚える事なんだ。
救いは、よく連んでいる奴らが、必ず助けてくれる。
俺は男子といると安心? 変な表現だけどね。
 そんなある日、家の女性陣が賑や過ぎるなんて話しを父親としていて、俺はそれとなくこの話しを為てみた。
父親は、驚くほど普通に聞いてくれて、

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約束 

約束 

お題……空が落ちてくる。

黒髪が、優しい風に吹かれている。
君はそれがちょっと鬱陶しいんだね? きっと、君は眉をひそめているに違いない。 
そして黒縁の眼鏡を押し上げるんだよ。
少しだけ重そうに見えるのは、
君が華奢なせいなんだって思っているよ。
フレーム変えないのは、あれだろう? 俺が好きだって言ったからだよな?
でもな、どんな君でも好きだから安心しろ。
 ところで何を真剣読んでいる? 
そっ

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親友か?兄弟か?それとも……

親友か?兄弟か?それとも……

お題待ち合わせの階段 2000字以内。
 お前はどうして俺を置いて行った?
「直也!下りてきなさい!危ないんだから」
「判ってる!もう降りるから」
母親は、今だに心配いてるんだよ。お前を追って飛ぶんじゃないかってさ。流石にそりゃしないでしょう。
お前が逝って暫くは、無意識に登っていたからな。
もの干し場を乗り越えて、屋根に寝そべる俺を見るたび心臓止まるかと思ったとさ。
お袋、本当ごめんな。
いやぁ

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唯一無二の涙

唯一無二の涙

 がらんとした部屋で、俺は昨日別れた恋人のことを想い、あれだけ話し合ったのに納得出来ないでいる。あいつの前じゃそんな素振りしなかった。辛い気持ちは同じなんだ。いや、別れを告げたあいつの方が俺より辛いんだ。
判っている……判っている……
でも寂しいよ。何故今俺ひとりなんだ? なあ一真……逢いたい。
お前を想うだけで、体中が疼くんだ。あの熱量が恋しい。
ああ~死ぬほど愛されていた事実に、今更ながら追い

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