hisahisa67

山形県鶴岡市在住。1955年生。森有正、茨木のり子がテーマ。

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マガジン

  • 新編 木漏れ日の下で

    1999年に発表した電子ブック『木漏れ日の下で』(FDに収められたttzファイル。2001年には増補改訂版を『ひとりの夜の愉しみは』として発表)の新版を編もうとする試み。今日まで書き散らしてきたテキストを取捨選択し、再編集します。

  • 茨木のり子ノート

    詩人・茨木のり子について今まで書いてきたテキストのまとめです。 かなり以前のものもありますが、ご容赦。

  • 森有正資料室

  • 藤沢周平について

最近の記事

卒業式

 良い卒業式になりました。卒業式の後に開かれた謝恩会で同窓会長がおっしゃっていた「県下一の卒業式」という賛辞も、あながち大げさではなかったかもしれません。  卒業式、それも高等学校ともなると、子どもたちに義務教育過程のときのようなあどけなさが残っているわけでもなく、また進学や就職が決まっていない子などは感慨を抱く余裕もない。どこか乾いた雰囲気になりがちです。  事実、わが子の卒業式も次第にそって淡々と進みました。ところが、式の終わり近く、卒業生代表の読み上げた答辞が、みん

    • 図書室にて

       娘の受験に付き添い、ある看護学校に行って来ました。父兄の待合室は特に用意されていなかったものの、職員から図書室での待機を許され、父兄は看護・医療関係の書籍に囲まれて数時間を過ごすことに。  図書の閲覧も自由。持参の書物も読み終えてしまったし、何か面白そうな本はないかな。……手に取ったのは、看護学生たちの卒業論文集。なかなかの力作揃いです。  時代を反映したものか、昨年の文集には終末期看護をテーマにした論文が多かったようですね。専門用語も多いけど、そこはそれ、いちおうは看

      • 文明は野蛮である

         パウエル米国務長官はこう言い放ったそうだ。「アフガニスタンの子どもたち、貧しい人々、米国を憎む連中に対して戦争を仕掛けてもかまわない。なぜならわれわれは文明人であり、やつらはそうでないのだから」と。(ジョン・ゲラッシ「泣くのは誰のため?」、『非戦』所収、27頁)  ぼくは文明の野蛮を思う。何十年も、何百年も、いや何千年も昔から、文明人は野蛮だった。「未開」な人々と「文明」社会の人々の出会いは友好的なものではありえなかったし、文明は未開を野蛮に駆逐してきたのだ。  先日あ

        • ステージ101ベスト

           な、なんと! 「ステージ101ベスト」(CD二枚組)が発売された、ですと!? 「MAC POWER」誌(2002年1月号)で見つけた貴重な情報に狂喜乱舞(ちと大げさだが)。即座に注文しました。  ただしこのCD、一般のCDショップには置いていないようです。ぼくも最初はネットCDショップで検索したけどヒットしなくて、次に検索サイトのGoogleでサーチ。NHKのオンラインショップでの販売をキャッチした次第。晩酌の後のことだったから、頭が朦朧として会員登録に何度も失敗したりし

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        • 新編 木漏れ日の下で
          51本
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          21本
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          2本
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        記事

          河合尭昭さんのエッセイ

           河北新報夕刊に交代で掲載される河合尭昭さん(帝国データバンク仙台支社長)のエッセイは、毎回感銘深いものですね。この深さは、彼の人生の深さでもあるのでしょう。  彼が自身の経験を踏まえて繰り返し語っているのは、ようするに「決断(選択)」と言うことなのです。人生は決断に満ちている、と。  父を知らない彼を優しく励ましてくれた祖母との永遠の別れの中にも決断はあり、組織犯罪に巻き込まれた前の職場で、結果として上司を失うことになってしまった苦い決断にも関わった。そして人生をやり直

          河合尭昭さんのエッセイ

          ONEPIECE

           いやはや、おみそれしやした!  って感じです。「ONEPIECE」(尾田栄一郎)。自宅で何気なく第19巻「反乱」をのぞいてビックリ。こんなマンガだったの?  直線的でドライなタッチはぼく好みじゃないし、うるさい描写もヤだけど、バカにできない内容なんですな、これが。  国王と国民が対立するアラバスタ国。しかしその陰には、陰謀を仕掛けて国を乗っ取ろうとする本当の敵がいる。それを知る国王は、目の前の敵(反乱軍)を攻めようと進言する部下をこう諭すんですね。〈国は人だ〉と。〈国の

          マリアンナとパルーシャ

           ボランティア活動を続けていらっしゃるタレントの東ちづるさんが絵本を出版したという話をラジオで聞き、早速買い求めました。『マリアンナとパルーシャ』(主婦と生活社)。ドイツにある平和村で暮らす、子どもたちのお話です。  ぼくのような口先だけの人間は、東さんのように実際にその土地に行って活動をする行動的な人たちがうらやましく、そして美しく見えてなりません。もっとも東さんは、誰にだってできることはある、無理をしないで自分のできる範囲のことをすればいいと、不甲斐ないぼくを慰めてくれ

          マリアンナとパルーシャ

          対人地雷。ぼくたちの現実

           たまたまテレビを見ていたら坂本龍一さんや筑紫哲也さんが出ていて、対人地雷の非人道性を訴えていました。坂本さんは世界のアーチストの協力を得て、反地雷キャンペーンのCDを制作したそうです。  番組で放映された映像はあまりに悲しく、残酷で、気の弱いぼくには正視できません。これが人間のすることか。いや、人間だからここまでやるのか。  でもね、この現実は決してよそ事ではないんですよ。廃棄がスケジュールに上っているとはいえ、日本にだって地雷はたくさんあります。地雷設置のための組織が

          対人地雷。ぼくたちの現実

          恋の歌百首

           以前朝日の日曜版に連載されていた、俵万智さんの「あなたと読む恋の歌百首」。ぼくは毎週楽しみにしていましたが、数年前に単行本として出版され、この度はいよいよ文庫本になりましたね。  解説で野田秀樹さんも指摘されるように、本当に良いんですよ、歌を選ぶセンスが。ふだん短歌に縁のないぼくのような人間でも、ぐいっと惹き付けられる歌が百(と一首)。なかでも日曜版で読んだ時から頭を離れなかったのが北原白秋の歌です。  メルヘンのようでもあるけれど、実は「君」と言うのは不倫の相手。当時

          恋の歌百首

          みんなのうた40周年記念コンサート

           「みんなのうた40周年記念コンサート」をテレビで見ました(3月20日)。ビデオテープにも録画したし、これはぼくにとっては永久保存版、棺桶に入れてもらわないとね。  子どもの歌の特集番組のはずなのに、テレビで見ると会場は中高年層がほとんどで、正統的な? 子どもの歌のおかれている厳しい、そして寂しい現状を見る思いがしましたよ。  1081曲放映という、気の遠くなるような長い歴史のある番組ですから、限られた時間の中で何を選ぶか、誰がどうやったって遺漏はでるでしょう。ケチをつけ

          みんなのうた40周年記念コンサート

          ソンミ村'01

           あの蛮行の陰にこんな美談があったなんて、今日まで全く知りませんでした。asahi.comの伝えるところによれば、味方による虐殺に気づいた米軍ヘリの機長は、「『非戦闘員を殺すべきではない』と生存者の救出を決意し、『もし米兵が村人をこれ以上殺すのならすぐ発砲せよ』と射手コルバーンさんに命じた」そうです。  まさかそこまではすまいと思うのですが、しかし逆に、アメリカ人ならやるかもしれない、とも思います(日本の軍人だったら、あり得ないだろうけど)。少なくとも、金太郎飴じゃないのが

          ソンミ村'01

          近火

           先夜の火災には驚かされました。正確には未明の火事だったのですが、つごう三軒をなめる惨事になってしまい、危うく我が家にも(一軒おいて隣でしたから)及ぶところでした。もっとも、ぼくはそのとき仕事の都合で山形市に泊まっていたので、子供からの電話でそれを知ることになったのでしたが。  出火元になった家では一人暮らしのお年寄りが焼死するし、その隣家はもらい火で全焼してしまったのですから、惨事には違いありません。明るい話なんてできないのだけれど、ただ、我が家の危機管理を考えると、子ど

          すぐに謝る成人たち

           なんなんだろうなー、あのホネのない連中は。新聞を見ると、各地の成人式で騒いだ連中は軒並み(?)頭を垂れてるではありませんか。「告訴する」と脅されて、こんなに大騒ぎになるとは思いませんでしたと、謝りに来る。情けない。ただのちびっ子ヤクザだったんかい(なんたってクラッカーだもんね)。  ぼくはへそ曲がりだから、若い連中が厳粛な式を台無しにしたことよりも、あっさりとエライおじさまたちに白旗を揚げたことに憤りを覚えます。これはちょうど、70年代の激しかった大学紛争、精神が切り裂かれ

          すぐに謝る成人たち

          おもしろい先生

           すっかりサラリーマン化してしまった、といわれる先生だけど、中にはユニークな先生もちゃんといらっしゃいます。  うちの子が過日持ち帰った学校新聞に、ある先生の書かれた文章が載っていて、これがなかなかおもしろい。いわく、〈私は同じことの繰り返しが嫌いである。ゆえに、酔っぱらいの繰り言はたしなめることにしている〉。まあここまではフツーですが、この性癖ゆえ〈中学生の時は英語の授業が退屈で、いつも居眠りをしていた〉ときたもんだ。  担任の先生は、〈退屈な授業をする方が悪い〉といっ

          おもしろい先生

          ぼくのMacintosh事始め

           1993年に発売されたApple Computerの「Color Classic」。これが、ぼくが初めて買ったパソコンです。今でもまだ生きてますよ。もう現役とは言えないかも知れないけれど、ぼくの目の前でスタンバイ、いつでも起動の時を待っています。  パソコンって、当時はずいぶん高い買い物でした。今は安くなりましたがね。情報量も多くなっちゃったし、つい衝動買い、なんてこともあるんじゃない? 当時のぼくはそんなわけにはいかなかった。失敗したくなかったから、買う前にずいぶん勉強

          ぼくのMacintosh事始め

          ウラギンシジミ

           悲しいほどに短かったお正月休みが終わって──充実はしてましたがね。初めて高校の同窓会にも出たし──今朝仙台に帰ってきました。あ、違うか、家を出たのは朝だけど、職場に着いたのはお昼だったもんね。寒波のせいでノロノロ運転だったんですよ。  運転に時間がかかっても飽きることがなかったのは、ラジオ番組のおかげです。ぼくは山形県内ではNHK、宮城県内ではTBCを聴くことにしてるけど、今日はずっとNHKを聴いてましたね。朗読の時間が面白かったんです。  番組で紹介された本は、娘さん

          ウラギンシジミ