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英語帝国主義とはなにか 2

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英語帝国主義がもたらすもの

英語帝国主義とは、「英語以外に言語はない」とまでは言わないものの、「英語」を一番上に置いて、「マイナー言語」を下に置く考え方のことだ。

これを世界のひとたちが共有していると、「カタルーニャ語なんていうマイナー言語学ぶ必要なくない?」「どうせ彼らスペイン語話せるし、英語だってできるでしょ」となるが、それをさらに行き過ぎるところまで持っていくと、カタルーニャ語という言語が消えることになる。

言語が消えることと英語帝国主義との深い関係

英語帝国主義のせいで、言語が消えようとしている。

それは、たとえばアイルランド語であったり、ノルウェー語であったりする。どちらも生活で英語を使う機会が多く、娯楽の大半が英語であることから、だんだん「この言語使っても意味なくね?」と思う若者や住民が増えていく。

そうすると、だんだんアイルランドやノルウェーに住んでいても、アイルランド語やノルウェー語が話せなくなっていく。そうすると、それらの言語を使う娯楽が減り、日常生活でそれらの言語に触れる機会が減る。そうすると、さらに使われなくなるという負のスパイラルに陥る。

言語が消えることは文化が消えること

アイルランドでは、日常生活にアイルランド語を使う機会はほぼないといわれている。ノルウェーでは、少なくとも留学生が短期滞在するにおいて、ノルウェー語がなくても生きていけると言われている。

もし、アイルランドからアイルランド語が、ノルウェーからノルウェー語がなくなると、それらの言葉でつくられてきた、アイルランドやノルウェーの文化が消えて、「アイルランドってイギリスと文化かなり似てない? なにが違うの?」となりかねない。

日英バイリンガルは英語のモノリンガルより稼げない?

ほかの事例もある。「バイリンガルやマルチリンガルになっても、良い仕事などに就けず、むしろ差別されるため、苦労して言語を習得する意味がない」という社会の側面だ。

北米で仕事を探すとき、英語だけできるひとは、英語と日本語のバイリンガルであることが求められる仕事よりも給料が高いと言われている。

日本語ができない日系人

そうすると、たとえばアメリカで生まれ育った日系アメリカ人が、補習校や日本人学校などに通って、苦労して日本語を身に着けることをしなくなるかもしれない。外国で日本語を学ぶということはそれなりに大変なことだ。

彼らは日本の血を引いていても日本文化を共有せず、「日本語ができない日系人」になりかねない。もちろん、日本語ができたほうがいい、日本語ができないのなら「日本人」ではない、などと言うつもりはないが、日本というアイデンティティがなくなってしまうことを良しとする社会があるとすれば、それは悲しいことだと思う。

ここまで

これは気が向いたときに続きを書くつもりだ。また今度。

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