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「ムダを楽しめ。」


イーライ・パリサー著「フィルターバブル」を読んだ。

インターネットの検索や購買記録の傾向から、
その人だけの情報宇宙を創る。
これを「フィルターバブル」といい、
フィルターバブルに閉じこもっている現代に警鐘を鳴らす良書。

フィルターバブルがどれだけ人生において影響を与えられえているかを知ることができる。


フィルターバブルに囲まれた結果、

自分の知っている情報、自分が好きな情報しか見ることがなくなる。

これって一見悪くないように感じるけど、

見方を変えれば知らない情報には出会えないという意味を持つ。

さらに、知らないことを知りたいという意欲が生まれなくなる。

そして、知らないことを知ることが自分の世界を広げる手段の一つなのに、

その知らないことを知れなくなるんだ。

知っている・好きな情報にだけ囲まれ続けると、

確証バイアスが強くなり、それが絶対的で正しいと思い込み、多様性がなくなり新しいものを学ばなくなる。

フィルターバブルは「いつの間にか」見ている世界を狭めたり、意見や思考を誘導してくるから本当に気をつけたほうがいい。

この「いつの間にか」が厄介なんだよね。



自分の世界を広げることを一番重要視している俺としては、

ここ最近の本で一番読んで良かったと感じ、

もっと好奇心を刺激してクリエイティブになろう

と思った。

この本では、フィルターバブルのデメリットを大きく取り上げているけど、それだけじゃなくて対策もしっかり書かれている。


クリエイティブになるには、ムダと思うこと、今の考えとは全く正反対なものに触れてみるのがいい。

なぜならクリエイティブとは、もともとあった事実やアイディア、機能、スキル、を発見し、選択し、入れ替え、組み合わせ、合成するものだから。

組み合わせるべきアイディアのセットをどれだけもってるか?が大切なら、

ムダや正反対なものに触れる価値はあるし、ヒントがあるかもしれない。

クリエイティブをブレイクスルーさせるには、

フィルターに囲まれた世界を無視し、ランダムなアイディアを導入するんだ。


例えば、俺が最近意識しているのは読む本だ。

本を読んでいくと、気になる分野がたまに出てくる。

その分野についての類書をまとめて読めば、

確実に知識がつくし、話せるレベルにまでなるかもしれない。

そういう読み方もいいけど、俺は深めるより広げることをしたいから、

一冊読んだら、次はまったく違うジャンルの本を読むようにしている。

外国の著者が書いた世界の歴史を紐解いた本を読んだら、

日本のサブカル系の本を読んでみたり。

海外のSF小説を読んだら、日本の金融についての本を読んでみたり。

これをやっていくと、

外国の著者と日本人の著者の違いを感じれて言葉や表現を学べたり、

本の中に出てくる引用が関係のなさそうなジャンルからだと知ると、意外な結びつきがわかったりするから、結構面白いと感じている。



こう書いていくうちに、俺みたいな凡人がクリエイティブを磨くには、

どれだけ多くの「点」を集められるかが大事だなと思った。

天才は少ない「点」でも素晴らしい「線」を引き、「面」を創れるけど凡人には無理なこと。

凡人は「線」を上手く引けないし、「面」なんて創れないかもしれないけど、「点」をありったけ集めることで一気に全てがつながる可能性がある。

だから、バラバラな「点」を集めるんだ。

今はバラバラな「点」かもしれないけど、

「点」が多ければたくさん「線」を作ることができる。

「線」が多ければアイディアが豊富で多様性があり面白い

「面」を創れるんだ。

ムダや正反対なことも貴重な「点」なわけ。

多種多様でバラバラな「点」を集めるって超重要なんだ。



多くの人を見ていると、結果という「面」をすぐに創ろうとしすぎてると感じる。

人それぞれだし悪いことじゃないけど、すぐに「面」を創りたがる人が多ければ多いほど、

俺はムダや正反対に価値を感じ、「点」集めクリエイティブを磨くことを重視する。

だって、結果的にそっちのほうが人とは違う面白い「面」が創れるからね。


ムダを、正反対を、楽しもう。


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