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雨と宝石の魔法使い

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雨と宝石を支配する魔法使いが出会う人と世界を少しずつ救っていく物語。
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記事一覧

雨と宝石の魔法使い 第一四話 帝国の終わりに。

「ルルーシュ、しっかりしろ!」 「大丈夫だ…この国も、この文化も守ってやる」 頭から血を流…

函館次郎
1年前
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雨と宝石の魔法使い 第十三話 傘(ピエール・オーギュスト・ルノワール) 後編

ピエールとルルの二人はカフェを出てセーヌ川に向かった。雨はまだ降っている。幾分弱まっただ…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第十二話 傘(ピエール・オーギュスト・ルノワール) 前編

雨が降り続いている。 ピエールはパリの裏通りを歩いていた。今日は久しぶりに昼間にルルーシ…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第十一話 アプサンの代償(ピエール・オーギュスト・ルノワール)

、ルルーシュは素早く詠唱した。 氷の竜が背後から躍り出たかと思うとそれはすぐさま高速で前…

函館次郎
2年前
4

雨と宝石の魔法使い 第十話 ある肖像画 後編

「この画家って、肖像画なんて描かなかったと聞いていますが」 「ええ、なのでこれが本物なの…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第九話 ある肖像画 前編

冷たい雨が頬に当たる。 倉科徹は傘も挿さずに道端に立っていた。 車が側を通り過ぎ、撥ね上げ…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第八話 図書泥棒ー後編

校舎の外にでると、快晴だったはずなのに、強い雨が降っていた。露露ちゃんは傘も差さずに一直線に歩いている。 しかし、不思議と彼女は濡れていないように見える。僕は鞄を頭の上に乗っけて付いていく。 その先に、取り巻きに囲まれている龍ヶ崎先生を見た。 龍ヶ崎先生は取り巻きに向き直ると何か喋っている。そして、彼女たちに挨拶をすると走り出した。雨に濡れてしまうからだろう。 露露ちゃんは、それを追う。 ちょうど龍ヶ崎先生が一人になったとき、凄い速さで露露ちゃんは間合いを詰める。 僕

雨と宝石の魔法使い 第七話 図書泥棒ー中編2

1週間後。あれから露露ちゃんは本当に姿を現さなくなった。もう会えないのだろうか…心にぽっ…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第六話 図書泥棒ー中編1

僕は東大の学内で見かけた昔の話し方でしゃべる少し変わった超絶美少女の露露ちゃんと知り合い…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第五話 図書泥棒ー前編

その子はいつも12時12分きっかりにこの広場にやってきて、広場の中央にある噴水を見ながらお昼…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第四話 リリーフ街の秘密

武藤響(むとう ひびき)は仕事からの帰り道、いつも一つ手前の駅で降り、自宅まで歩いている。…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第三話 神風

「このままでは本国は、きゃ、きゃつらに乗っ取られてしまいまする!」 「騒々しいぞ!」 「は…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い 第二話 山形昌景

「露露(るる)様〜!、露露様〜!」 「馬鹿者、大きな声を出すでない!」 「はは、申し訳ござら…

函館次郎
2年前
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雨と宝石の魔法使い

私は川を氾濫させ、小さな川を不幸の激流に変えた。 山の上から流れる小さな源流を破壊の土砂崩れに変えた。 湖を溢れさせ、ダムを全て決壊させた。 仕方がなかった。 望まれていたことでもあり、みな眼を背けることでもあった。それで喜ぶヒトもたくさんいるし、たくさんのヒトが泣いた。 そういうことが、永く生きている私の役目だ。 *** 「ねぇ、最近あの子調子に乗ってない?」 「わかるぅ〜、四方さんにも色目使ってさ。あのぶりっ子ほんと嫌んなるよね」 「なんかバチがあたらないか