八木佑介

美術作家/2015年 京都芸術大学大学院 芸術表現専攻 修了 展覧会のアーカイブや作…

八木佑介

美術作家/2015年 京都芸術大学大学院 芸術表現専攻 修了 展覧会のアーカイブや作品ができるまでの記録を投稿していきます。

記事一覧

記録「非・景観保全地域」(2024/03/20-04/07)

個展「非・景観保全地域」へお越しいただきました皆様、誠にありがとうございました。 展覧会の記録を残します。 京都と言えばと思い浮かべる風景、清水坂や嵐山、伏見稲…

八木佑介
1か月前
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個展「非・景観保全地域」(2024/3/21~4/7 close 3/28~31)

この度、3月21日(木)よりBAMI galleryにて個展「非・景観保全地域」を開催いたします。どうぞご高覧ください。 「非・景観保全地域」 建造物の高度や屋外広告物の規制な…

八木佑介
2か月前

絵ができるまで⑥

これまで絵ができるまでの記録を連続して投稿してきました。 絵ができましたので今回で終わりです。 不定期になりますが、これからも制作記録の記事を書いていこうと思い…

八木佑介
4か月前
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絵ができるまで⑤

絵ができるまでの記事5回目、完成に近付いてきました。 段々と電柱が生え、電線が伸びていきます。 ただひたすら描くのみです。 最後の電柱の位置と大きさを決めます。 …

八木佑介
6か月前
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絵ができるまで④

前回までに大まかな全体像が決まったので、1日一歩と制作が進んでいきます。 一番奥の電柱ができました。 黒の絵の具で盛り上げて描いた上に木の幹のような茶色を重ねます…

八木佑介
6か月前
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絵ができるまで③

完成までの記録3回目です。 下図ができました。 下地ができました。 追加の取材に行きまして、 描き始めるまでの準備が揃いました。 まず遠くにある電柱から描いてい…

八木佑介
6か月前
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絵ができるまで②

完成まで日記、2回目の記事です。 S60号サイズ(130.3×130.3cm)の絵ができるまで、この数日の進捗状況です。 下図を作りました。 前回の記事にあげた森の取材から、幹の…

八木佑介
7か月前
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絵ができるまで①

絵ができるまで日記です。 今はまだキャンバスをパネルに貼った状態です。 これから完成まで1ヶ月くらいの過程を投稿していきます。 先週と一昨日、森へ取材に行きました…

八木佑介
7か月前
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憶燈舟 巻二

「ニュータウン」と言われてどんな印象を持つだろうか? 私の持つ印象は、郊外の里山的な未開の地を開発したとても人工度の高い環境、だった。 色で言うと灰色。無機質で…

八木佑介
1年前
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洛西ニュータウンの絵巻物を展示します。

先ほど展示作業が終わりました。 1月21日㈯から京都文化博物館にて開催させる展覧会へ出品致します。 以前の記事で紹介した洛西ニュータウンについての絵巻物の2巻目を制…

八木佑介
1年前
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ニュータウンの絵巻物

初めて絵巻物を制作しました。 手元でスクロールしながら鑑賞する絵巻物という絵画形式は、より身近に風景を体感できるように思います。 来週6月2日(木)より個展「洛西ニ…

八木佑介
2年前
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展覧会「洛西ニュータウン」

私が初めて洛西ニュータウンに訪れたのは2年前、京都市西京区に引っ越してきた頃だった。この地では古くから筍農家が営われており、自宅から西に向かうと巨大な竹林が広が…

八木佑介
2年前
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記録「非・景観保全地域」(2024/03/20-04/07)

記録「非・景観保全地域」(2024/03/20-04/07)

個展「非・景観保全地域」へお越しいただきました皆様、誠にありがとうございました。

展覧会の記録を残します。

京都と言えばと思い浮かべる風景、清水坂や嵐山、伏見稲荷…、ガイドブックに載っているようなイメージが広く大量に流通している。
観光都市・京都市の景観保全条例によって景観保全区域に指定されていない場所を取り上げた展示です。

その地域には、誰もがどこかで見たことのあるような普遍的な郊外の都市

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個展「非・景観保全地域」(2024/3/21~4/7 close 3/28~31)

個展「非・景観保全地域」(2024/3/21~4/7 close 3/28~31)

この度、3月21日(木)よりBAMI galleryにて個展「非・景観保全地域」を開催いたします。どうぞご高覧ください。

「非・景観保全地域」

建造物の高度や屋外広告物の規制など、京都市の詳細な景観保護条例は有名である。ただ京都市の中にも景観保全地域に含まれない箇所がある。京都に対するステレオタイプなイメージの外にある風景を描きたいと思った。
十条通以南、国道1号線と新堀川通の周囲の一部は京都

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絵ができるまで⑥

絵ができるまで⑥

これまで絵ができるまでの記録を連続して投稿してきました。
絵ができましたので今回で終わりです。

不定期になりますが、これからも制作記録の記事を書いていこうと思います。

これまでも電線を主題にした制作をおこなってきました。
私は現実の都市を取材して都市を築き暮らす私達について考えることに関心があります。

この電線の連作は密集する電線が植物の蔦や根など自然界の形態へと近似していく様子に興味を持ち

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絵ができるまで⑤

絵ができるまで⑤

絵ができるまでの記事5回目、完成に近付いてきました。

段々と電柱が生え、電線が伸びていきます。

ただひたすら描くのみです。

最後の電柱の位置と大きさを決めます。

あと、いよいよもう少しです。

今回の記事は短めです。

次は完成したものを投稿します。

来週、11月22日(水)から開催いただく展示に出品予定です。

八木佑介個展「今日の出来事 」
2023/11/22 (水)- 11/28

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絵ができるまで④

絵ができるまで④

前回までに大まかな全体像が決まったので、1日一歩と制作が進んでいきます。

一番奥の電柱ができました。
黒の絵の具で盛り上げて描いた上に木の幹のような茶色を重ねます。
この絵は自然界に多くあるような色を使って描いていきます。

電線を張って行きます。
マスキングテープで曲線を作るときには、森での取材の時の感覚を念じるように思い出しています。

2本の電柱に電線を張り終えたので、次の電柱を追加します

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絵ができるまで③

絵ができるまで③

完成までの記録3回目です。

下図ができました。

下地ができました。

追加の取材に行きまして、

描き始めるまでの準備が揃いました。

まず遠くにある電柱から描いていきます。

絵の具の性質上、床に寝かして制作しています。

今回は空を仰ぐ構図なので、
次の作品資料も兼ねてなのですが天井画の図版を作業部屋に貼っています。

次回以降はこの電柱が増えていきます。

絵ができるまで②

絵ができるまで②

完成まで日記、2回目の記事です。

S60号サイズ(130.3×130.3cm)の絵ができるまで、この数日の進捗状況です。

下図を作りました。
前回の記事にあげた森の取材から、幹の様をトレースしたものを元に描き出します。
画面全体の比率に沿わせたり、沿わせなかったりしながら調整します。
あともう少し煮詰めます。

下地、背景づくりです。
黒を塗って、

白を塗りました。
まだ今は乾燥中です。

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絵ができるまで①

絵ができるまで①

絵ができるまで日記です。

今はまだキャンバスをパネルに貼った状態です。
これから完成まで1ヶ月くらいの過程を投稿していきます。

先週と一昨日、森へ取材に行きました。

取材を元にこれから下図を作って、下地を塗ろうと思います。

憶燈舟 巻二

憶燈舟 巻二

「ニュータウン」と言われてどんな印象を持つだろうか?

私の持つ印象は、郊外の里山的な未開の地を開発したとても人工度の高い環境、だった。
色で言うと灰色。無機質で味気ない計画的な街。

ただ実際にニュータウンの中に入って街を歩くとそのような印象は覆された。

そこには等身大の生活の匂いが滲み込んでいた。私も生まれてから今まで郊外の住宅地で暮らしている。洛西ニュータウンの家々や商店、公園などの公共空

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洛西ニュータウンの絵巻物を展示します。

洛西ニュータウンの絵巻物を展示します。

先ほど展示作業が終わりました。

1月21日㈯から京都文化博物館にて開催させる展覧会へ出品致します。
以前の記事で紹介した洛西ニュータウンについての絵巻物の2巻目を制作しました。
ぜひ、ご高覧ください。

Kyoto Art for Tomorrow 2023
―京都府新鋭選抜展―2023年1月21日(土)~2月5日(日)
月曜日 休館10:00~18:00(金曜日は19:30まで)※入場はそれぞ

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ニュータウンの絵巻物

ニュータウンの絵巻物

初めて絵巻物を制作しました。
手元でスクロールしながら鑑賞する絵巻物という絵画形式は、より身近に風景を体感できるように思います。

来週6月2日(木)より個展「洛西ニュータウン」へ出品予定です。

洛西ニュータウンを題材にしたこの絵巻は、伊藤若冲の絵巻「乗興舟」に着想を得て制作しました。「乗興舟」は若冲が淀川の川下りを行った際に見た風景を時系列に沿って描いた絵巻物です。

今回の絵巻では洛西ニュー

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展覧会「洛西ニュータウン」

展覧会「洛西ニュータウン」

私が初めて洛西ニュータウンに訪れたのは2年前、京都市西京区に引っ越してきた頃だった。この地では古くから筍農家が営われており、自宅から西に向かうと巨大な竹林が広がっている。その竹林の中、延々と坂道を登っていくと、徐々に視界が開け、洛西ニュータウンの高層住宅群が広がる。「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」の現代版ともいった風景の転換に、妙に気分が高揚した。

1975年、洛西ニュータウンの入居が始ま

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