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あたくし。

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さて、毎日更新できるかな。
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店員に連絡先を渡す男の話。

店員に連絡先を渡す男の話。

12:00。
携帯が鳴る。
今日これから会う予定の看護師くんからだ。
集合時間は13:00だったのだが、遅れそうとのこと。
僕も基本時間にルーズな性格であるため、このくらいなんともない。

13:15。
集合場所に着いてすぐ、また彼から電話が鳴る。
「すまん!遅れそう!」
とのこと。
何も問題は無い。
「ゆっくり来いよ」
と伝え、本屋で時間を潰す。
時間にルーズな人同士は、いろいろと楽である。

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今を生きろ。〜「Japan's Got Talent」 CJDAのダンスを見て〜

今を生きろ。〜「Japan's Got Talent」 CJDAのダンスを見て〜

「生きる上で大切なことってなんだろう。」

そんな思いが、いつも頭の片隅にある。

成功を掴む。楽しいことをする。夢を持つ。友達と遊ぶ。嫌なことでも我慢する。美味しいものを食べる。朝早く起きる。映画やドラマを見る。本を読む。犬を飼う。家庭を持つ。温かいお風呂に入る。欲しいものを買うために貯金する。英語の勉強をする。いっぱい寝る。運動を楽しむ。感動して泣く。

その場その時において選択しなければいけ

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元カノとの罪悪感

元カノとの罪悪感

「このままの状況を続けるのは何か罪悪感がある。」

そんな言葉から始まった昨日の電話。

電話の相手は、半年ほど前まで付き合っていた元カノ。

別れた原因はいくつかあるのだが、結局は僕が中途半端なことをしていたから。

別れることを決めた日、僕は何もかもきちんとしてから会いに行くと心に決めた。

自分の身の回りを整理し終わるのは、少なくとも1年ほどかかる。

だから、それまで待たせることはせず、も

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家族

家族

僕には家族が2人いる。

今日、その2人から連絡が来た。

1人は「夫婦関係のストレスが溜まってきついから離婚したい」、もう1人は「近況が知りたいから連絡してくれ」ということだった。

離婚したいと言っている方は、定期的にそれに近いことを口にする。

僕は結婚したことないから、夫婦で生活することのストレスは分からない。

子供もいるから、どうにかみんなが幸せになれる道を探してほしい。

最悪どんな

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扁桃体

扁桃体

午前9時。

まず目に飛び込んでくるのは、心地よい朝の日差しではなく、人間の叡智が詰まった機械的な光。

「また電気を付けっぱなしで寝てしまった。」

朝7時に起きるという決意とは裏腹に、最近は夜にダラダラすることが多く、よく眠れない日々が続いている。

そんな自分から目を逸らそうと、携帯でYouTubeを開く。

午前12時。

気づけば3時間も動画を見ていた。

予定を完璧に遂行できないと理解

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アルゼンチンに心酔している話。

アルゼンチンに心酔している話。

ピー。

試合終了のホイッスルだ。

1週間ほど前、アルゼンチン代表は負けた。

この敗戦を予測できたのは、この世界に何人いるのだろうか。

もし予測できていたのなら教えてくれ。

多分あなたは"相卜命"なのだろうから。

その豊満なボディで僕を…。僕のっ…。

すまない。少し乱れてしまった。

サウジアラビアのハイライン&ハイプレスに、アルゼンチンは有効な手を打つことができなかった。

メンバー

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初めてシーシャを吸った話

初めてシーシャを吸った話

午後10時。

都会の街は、眠ることを知らない。

少し歩けば、いろいろな声が聞こえてくる。

みんな飲んでいるのだろう。

今日は日曜日であるにも関わらず、その賑やかさに少し興奮する。

一軒目は、おしゃれ感を滲ませる大衆居酒屋だったため、2軒目はガールズバーに行くことにした。

谷山くんと赤鼻くんが先導を切り、初めての来店を控える僕は、緊張を紛らわせることで必死だった。

彼らが行きつけのガー

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友達と飲んだ話

友達と飲んだ話

午前9時。

昨夜7時起きを誓った男は、相変わらずの寝坊である。

開かない目にコンタクトをねじ込み、わしゃわしゃと髪をセットし、家の前のバス停に向かう。

なんとかバスに乗り込むと、スターバックスをモバイルオーダーする。

どんなに遅れそうでも、やりたいことをやりたいし、食べたいものを食べたい。

そんなふうだから、危機管理能力が恐ろしく欠如している。

今回も遅れそうになり、結局走った。

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1人カラオケに行った話

1人カラオケに行った話

夜な夜なTikTokを開いた。

楽しそうに熱唱する人たちが映る。

「明日、カラオケに行こう。」

ワクワクを胸に眠りについた。

安定の朝寝坊をかまし、予定していた時間から5時間ほど遅れて出発。

心の底から入り込むため、今回は1人カラオケを選択。

カラオケに誘う友達がいないことは、あえて触れないでおこう。

1人カラオケは、実に4年ぶり。

初の一人カラオケを行った場所は、すでに無くなって

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朝ランニングをする話

朝ランニングをする話

ぶー、ぶー。... ぶー、ぶー。

枕の横で携帯が朝を知らせている。

「うるさいなぁ」

アラームの停止ボタンを押し、枕に顔を埋める。

時刻は13時。

いつもの事だ。

二度寝常習犯の僕は、休日であればお昼に起き上がることも珍しくない。

「明日は8時に起きるぞ!」

そう思って目を閉じたのは、朝の6時。

2時間で起床などできるわけが無い。

夜更かしを改善することなく、気合いで起きよう

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TikTokを始めた話

TikTokを始めた話

「洋楽を歌える人ってかっこいい。」

小学3年生の時、初めて洋楽のCDを購入した。

Justin Bieberの‘My World’というアルバムだ。

地元の高校生がよく聞いていたのを見て、

洋楽を聴いてる=大人っぽくてかっこいい

そんな単純な動機で、お小遣いを握りしめてCD屋に向かった。

アイドルのCDを買うことには恥ずかしさを覚えたが、自分がかっこいいと思う行動に関しては周りの目など

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TikTokを6時間見続けた話

TikTokを6時間見続けた話

深夜24時。

日付も変わり、ほとんどの人が眠りにつくであろうこのタイミングで、僕はTikTokを開いた。

「10分くらいゆっくりしようかな。」

TikTokやYouTubeを開く前に多くの人が思うであろう決意を胸に、ソファに寝そべる。

最近のオススメには、サッカー、格闘技、ラップなど、男くさいラインナップが並ぶ。

人が激情してるところなど、感情の動きが見えるコンテンツに引き込まれる。

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ヒカルさんというyoutuberの話

ヒカルさんというyoutuberの話

金と黒というツートンカラーを頭に乗せた青年の口が動き出す。

「はい、どうもヒカルです。今回なんですけども…」

心地の良い声音を耳が捉えると同時に、僕の視線はスマホの画面から離れることを許されなくなる。

軽快なテンポで発される言葉には、様々な表情が隠されている。

中でも鋭利に尖った毒歯を覗かせる姿は、多くの人が待ち望んだ瞬間である。

丁寧な梱包など興味はなく、ただひたすらに心の内を関西弁に

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先輩と一緒に帰った話

先輩と一緒に帰った話

「ごめん、遅くなっちゃった。」

申し訳なさそうな先輩の声が聞こえた。

近づいてくる先輩の足音に気づかないふりをしていた僕は

「気にしなくて大丈夫ですよ!」

と笑顔で答えた。

心の広さをアピールできたことに、ふっと肩の荷が落ちた。

緊張の糸が緩み始めると同時に、必死に制していたお腹の虫たちが解放を求めて声を上げようとする。

余裕とは真逆の音を聞かせまいと矢継ぎ早に言葉を発した。

「も

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